720p通話とフルHD録画のWebカメラ――ロジクール「HD Pro Webcam C910」を試すWebカメラもHDの時代へ(2/2 ページ)

» 2010年08月27日 11時00分 公開
[小幡哲史・古田雄介,ITmedia]
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文字が鮮明に! HDビデオ通話を試す

 次に720pでのビデオ通話を見ていこう。前述の通り、720pの通話を利用するためには、ロジクールが提供しているLogicool Vid HDというソフトを使う必要がある。Webサイトから無料でダウンロードできるので、相手が他社製のWebカメラを使っている場合でも問題なく利用できる。アカウントの登録さえすれば、とくに難しい設定もなく利用可能だ(関連記事:これは簡単! “Logicool Vid+Webカメラ”で始めるビデオ通話)。

推奨スペックに満たないPCではHD画質の通話にならず、自動的に最適な設定に落とされる

 HD通話のための推奨スペックは、2.4GHzデュアルコア以上のCPUと2Gバイトのメモリ、1280×720ドット以上の解像度に対応したディスプレイ、そして上り/下り1Mbps以上のインターネット接続となっている。要件を満たしていない場合は画質の設定が落ちてしまうようで、試しに1024×768ドット表示の液晶を搭載するノートPCで通話したところ、自動的に低い画質設定になった。また、推奨の画面解像度を満たしていても、電波が弱い環境でWiMAX回線(スピードテストで上り90.52kbps)を使用した場合は、同様に画質が下がり、HD通話は使えなかった。

 なかなかハードルの高いHD通話だが、従来の画質との違いはどの程度なのだろうか。分かりやすく比較するために、紙に印刷した文字の可読テストを行った。結果は画像のとおりで、カメラから30センチほどの距離で文字を見比べた場合、小さい文字の見え方にはっきりと差が出た。紙の資料や本、イラストなどを鮮明に映すことにメリットを見いだせるなら720p通話を利用する価値は十分にある。もちろん、生まれた子どもを実家の両親にビデオ通話で見せるときなど、「こちら側の映像を通話相手にできるだけ鮮明に伝えたい」という場合は、是非C910を使うべきだ。

 そのほか、付属ソフトの機能である「Logicool Video Effects」を使用すると、通話中の映像にエフェクトをかけられるのもおもしろい。カメラに写った顔に合わせて、アニメーションするキャラクターや写真フィルターといったエフェクトをリアルタイムで適用し、映像の中でだけアクセサリをつけたり、覆面をかぶったりできる。

 ビデオエフェクトにはCGキャラを自分に合わせて動かせる「アバター」、帽子やメガネをつける「フェイスアクセサリ」、画像に顔のパーツを埋め込んで動かせる「ビデオマスク」、リアルタイムで写真フィルターの効果をかける「ファンフィルター」がある。インストール時に使用できるのは数種類ずつだが、ロジクールのWebサイトからダウンロードすることでエフェクトを追加できる。ビデオマスクでは自前の画像を加工して使うことも可能だ。

 友達との通話でいきなり使えば、相手を驚かせる(笑わせる?)ことができるかもしれない。ほかにも、部屋が汚くて人に見せられないときや、顔を隠してストリーミング配信をしたいときなど、意外と実用的な使い方もできそうだ。

左が低画質、中央がHD画質での通話だ。読める文字のサイズにはっきりと差が出ているのが分かる(写真=左/中央)。「アバター」エフェクトの例。気分を変えて会話ができるかも?(写真=右)

通話と録画、2つの特徴を活かせるなら「買い」

 Webカメラとして飛び抜けた性能を持つC910だが、その魅力をフルに使いこなすには、HD通話を楽しむためのディスプレイや通信環境、HD録画に耐えられるCPUなど、やはりそれなりの環境を必要とする。大は小を兼ねるということで先行投資的にC910を買ってしまう道もありそうだが、720p通話やフルHD録画を利用しないのなら、あえてこのモデルを購入する意味は薄い。

 逆に、できるだけ高画質なWebカメラをほしいと考えているのなら、C910はこれ以上にない選択肢になる。遠方の家族や恋人とペアで購入して高画質な通話を楽しむ、あるいはUstreamやニコニコ生放送のストリーミングに活用しつつHD動画の撮影にも使う。自分の利用シーンを想像してみて、720p通話と1080p録画に魅力を感じるならば「買い」といえる製品だ。

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