先週、デュアルコアCPU「Atom D525」を搭載したmini-ITXマザー「GA-D525TUD」がギガバイトから登場した。価格は1万円弱。Atom D525は動作クロック1.8GHzのデュアルコアCPUで、DDR2/3対応のメモリコントローラを内蔵しているのが特徴だ。GA-D525TUDもDDR3スロットを2基備えており、最大4Gバイト搭載できる。そのほか、チップセットにIntel NM10 Expressを採用し、オンボードのアナログRGB出力や1基のPCIスロットを備える。
入荷したフェイス秋葉原本店は「Atomの旧ハイエンド『D510』を搭載したマザーの中でも同社の『GA-D510UD』は好調に売れていますが、こちらもヒットしそうですね。価格の上乗せがないのに性能が向上していますし、ギガバイト製品ということでAtomなのにBIOSメニューなどからオーバークロックが試せるなどの特典もありますから」と期待を寄せる。
GA-D525TUD以外にもmini-ITXマザーの注目株として、J&Wテクノロジーの「MINIX H55-HD」をプッシュするショップが多かった。こちらはIntel H55 Expressを採用しており、GPU統合型のCore i5やi3などを搭載できる。DDR3スロット2基とPCI Express x16スロット1基を備え、CPUのグラフィックス機能によってDVIとHDMI出力が可能になるなど、比較的高性能なマシンが組めるのが特徴といえる。価格は1万円弱だ。
ツートップ秋葉原本店は「小型マシンに適したGPU内蔵CPUが使えるというところが武器ですね。AVマシンやサブマシンなど、PCの方向性を決めてしまえば拡張性の低さはある程度気にならなくなります。低価格でそこそこの性能を求めたり、小型PCで高性能を求める人に支持されそうですね」と評価していた。
これらの新マザーに加え、先々週に登場したManliの小型PCキット「M-T2」シリーズなどが脚光を浴びている現状について、「小型PC全体に追い風が吹いてる」と感じるショップは少なからずあるようだ。あるベテラン店員氏は「昔から一定の需要があるジャンルですが、完成品PCも一体型のスリムなデスクトップが再注目されているようですし、“ノートではない小さなパソコン”の存在にスポットが当たっているような気がします。意図的な動きなのかは分かりませんが、メーカー主導だとしても話題性の高いアイテムがどんどん安く出てくれば、自然とコンシューマーの間に広がっていくでしょう。まあ、個人的にはスペースの制約が少ない普通のサイズのほうが好きですけど」と語る。
そうした風向きを象徴するかのように、手のひらサイズの超小型ベアボーン「fit-PC2i」も先週デビューしている。消費電力がより低いシングルコアCPU「Atom Z530」と1GバイトのDDR2メモリを基板上に搭載しており、ストレージ用に2.5インチベイ1基を用意している。価格は4万6000円前後だ。入荷したパソコンハウス東映は「最大でも8ワット程度で収まるファンレスPCが手軽に作れます。標準で2系統のギガビットLANとHDMI端子を搭載しているので、使い道は広いと思いますよ」と話していた。
そしてどうやら、小型PC周辺の追い風はそれだけではないらしい(次のページに続く)。
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