タブレット端末やプロジェクター内蔵ビデオカメラも登場――BenQが「GLOBAL DISTRIBUTORS' MEETING 2010」を開催“世界初”がいっぱい(2/4 ページ)

» 2010年09月01日 12時30分 公開
[後藤治,ITmedia]

注目の新製品をチェック――10.1型Android端末「nReader R100」

BenQ Executive Vice President、Peter Chen氏

 2009年Q3以降に投入する新製品はBenQのExecutive Vice President、Peter Chen氏が紹介した。ハンズオン会場に展示された製品を眺めつつ、注目の新製品をチェックしていこう。

 同社は2010年以降の事業戦略を担うスローガンの1つに「Cloud Computing」を掲げ、ゲストスピーカーとして台湾GoogleのGeneral Manager、Lee-Fen Chein氏を招いた点にもこの分野に対する期待が強く表れている(ちなみに2007年のゲストスピーカーはインテルだった)。そのCloud Computingで中核となる製品が電子書籍端末「nReader」シリーズだ。現在、nReaderには電子ペーパーを採用した「K60」および「K61」がラインアップされており、すでに中国と台湾で販売が開始されている。また、コンテンツの供給には、eBook ChinaとeBook Taiwanを新たに設立し、ハードとソフトにサービスを統合した形で提供しているのもポイントだ。

nReader R100

 そして今回、nReaderのラインアップに10.1型ワイド液晶(1024×600ドット)を搭載するAndroid端末「R100」が加わる。現時点におけるR100の主な仕様は、667MHz駆動のSUMSUNG製CPUを搭載し、メモリは4Gバイト、ネットワーク機能として3GとWi-Fiの両方を備え、OSにAndroid 2.0を採用する(発売時点ではAndroid 2.2になる計画だという)。AndroidをベースにBenQが独自開発したUIを被せており、あらかじめデスクトップガジェットなどが組み込まれている。コネクタ関連ではSDXC対応カードスロットと720pで出力が可能なHDMI端子を搭載。本体サイズは(展示機の実測値で)173(幅)×267(奥行き)×14.4(高さ)ミリ、重量は700グラムだ。また、約12時間の長時間バッテリーライフや2時間で約85%まで急速充電が可能点も特徴として挙げられている。ただし、ディスプレイには感圧式パネルを使っており、マルチタッチには対応していない。

 実際に触ってみた感想は、静電容量式のiPadに比べると指によるページめくりなどの反応がやや鈍く、指というよりはツメで操作するほうがうまくいきやすいようだ。また、マルチタッチに対応していないため、文字の拡大などは設定からフォントサイズを変更する必要がある。ただ、静電容量式とは異なりペンでも入力できるため、手書きで文字をメモするときなどは有利かもしれない。

厚さは14.4ミリ。本体上面のカバー内にUSBとSDXCメモリーカードスロット、HDMI端子を備える(写真=左)。左側面にはタッチ以外の入力方法としてスライドスイッチがある(デフォルトではPCでいうカーソルキーの上下と似た挙動をしていた)。また、Wi-Fiと3Gを切り替えるスイッチもある(写真=中央)。当然ながら写真や音楽、動画などのマルチメディアコンテンツを再生でき、Flashもサポートしている。HDMI経由で720pでの出力も可能だ(写真=右)

音楽やビデオ、書籍などのコンテンツはR100のUI上から購入できる。マルチタッチに対応していないため、指で画面広げてもズームはせず、文字が見づらい場合はフォントサイズを変更する必要がある。なお、近くにいたスタッフの何人かに文字の拡大方法を聞いたところ、最初はみな画面をダブルタップしていた。“某デバイス”の操作性がいかに直感的かよく分かる

 同社の話によれば、R100の生産に入るのが11月ごろ、発売は2011年の1Qになる見通し。最初に中国と台湾、その後各国で展開していく予定だという。ちなみに日本では3月ごろに発売される可能性が高い。Wi-Fi版の国内価格は未定だが、「たぶんiPadの8割くらいの価格になるんじゃないか」とのこと。

 一方、これまで中国と台湾でリリースされた電子ペーパータイプの製品も日本市場に投入される計画があるという。そもそも台湾で電子書籍を販売するeBook Taiwanは、eBook Japanを運営するイーブック イニシアティブ ジャパンとの技術提携によりBenQが設立した企業で、日本でのeBook JapanとBenQの関わりは深い。日本にnReaderが投入されれば、主要なコンテンツ供給元としてeBook Japanの名が挙がるのは間違いないだろう。こちらのモデルは2011年の1月ごろに発売される見込みだ。

6型電子ペーパータイプの「K60」とその3G内蔵モデル「K61」。eBook Taiwanでは手塚治虫氏の作品も販売されている。ちなみに3Gを内蔵するK61はボタンの数が減っている。なお、R100のディスプレイは抵抗皮膜式だが、ディスプレイを供給するAU Optronicsは次の技術としてマルチタッチを開発している。次世代モデルでは“最大10本指”で操作が可能なパネルが採用される可能性もある

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