IDF 2010では、「動くSandy Bridge」と「従来のCPU」と並べて同じ処理を実行し、その処理時間を比較するという形でパフォーマンスをアピールしている。Sandy BridgeベースのノートPCとディスクリートGPUを搭載したノートPCで、ゲームの動作速度を比較するデモでは、Sandy Bridge側がわずかに“もたつく”程度。デジタルカメラから取り込んだ撮影画像をリサイズしてPicasaにアップロードするテストでは、CPUの性能が影響するため、従来モデルと比べ3〜4割程度速くなっている。また、動画のトランスコードを行うデモでは、Sandy Bridge側がGPUコンピューティングに対応していたため、処理スピードが倍以上速かった。
先ほども述べたように、Sandy Bridgeに統合されるグラフィックスコアは、プロセスルールの微細化とアーキテクチャの改良、さらに省電力技術の改善により、Westmereに統合されたGPUと比べた性能向上は、CPU以上に進んでいる。IntelはHD動画処理における機能と性能を特に訴求しており、コンシューマー向けカメラで手軽にHD動画が撮れるようになっている状況で、HD動画の処理をCPUの負荷率を低くした状態でできるメリットは大きいと主張している。
ただし、ゲームに関しては、以前よりもアクセラレーション効果が期待できるものの、DirectXのサポートは10.1までで、DirectX 11で導入されるフィーチャーには対応できない。Sandy Bridgeにおけるゲーム市場の攻略目標は「ハイエンド以外の一般的な多くのゲームの動作」にある。GPUのターゲットはあくまで最大公約数的なもので、これまでディスクリートGPUがなければ動かなかったゲームの一部が、統合型グラフィックスコアだけを備えるPCでも遊べるようになったと考えればいいだろう。
とはいえ、ほとんどのセグメントのPCユーザーはSandy Bridgeで期待されるメリットを享受できるはずだ。ミドルレンジ以下のデスクトップPCやノートPCのユーザーほどSandy Bridgeを導入するメリットは大きい。
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