3D Vision対応の「G-Tune」でいろいろなゲームを試してみた立体視に最適なゲームは?(1/2 ページ)

» 2010年10月28日 12時20分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

 以前紹介したマウスコンピューターの「Lm-i722E2-3DV」は、NVIDIAの3D Visionによる3D立体視の映像再生まではサポートしていたが、3D Visionを有効にして3Dゲームをプレイできるほどのスペックではなかった。そこで今回は、3D Visionによるゲームプレイに対応した「3D for GAMER」ロゴ取得モデル、「NEXTGEAR i800GA8-WS-3DV」を紹介しよう。

3D立体視対応PCが増加中

 家電の3Dテレビ人気を追いかけるように、NEC、富士通、東芝などの大手メーカー製PCでも、偏光レンズ方式やアクティブシャッター方式の3D立体視機能を持つPCが増えてきている。もっとも、こういったPCのほとんどは、対3Dテレビ(いわば映像重視)という意味合いが強く、BDタイトルの3D再生や既存の動画を3D立体視にリアルタイム変換して楽しむことを主眼においており、搭載するCPUやグラフィックスもミドルレンジ程度のスペックでハイスペックな製品をみかけない。

 なぜなら3D立体視で3Dゲームをプレイするとなると、3D Visionに対応する環境(倍速駆動のディスプレイと3D Vision専用グラスキット)に加え、高クロックのCPUとハイエンドGPUが必要になるからだ。こうなると価格が一気に跳ね上がってしまう。大手PCメーカーは「高いお金を出してゲームを3D立体視で体感したいユーザーは、まだそう多くない」または「3Dテレビより本体価格を安くしたいから映像再生の3D立体視のサポートまで」と読んでいるであろうことは想像に難くない。

 今回取り上げたマウスコンピューターの「NEXTGEAR i800GA8-WS-3DV」(以下、i800GA8)は、同社のゲーム専用ブランド「G-Tune」シリーズに属する製品で、3D Vision対応ディスプレイと対応ゴーグルをセットに加え、高性能なCore i7-950(3.06GHz)と、NVIDIAのハイエンドGPUであるGeForce GTX 480を搭載する。一方、かなりのハイスペック構成ながら、ディスプレイ込みのフルセットでも23万円以下と、非常にコストパフォーマンスの高いモデルでもある。

最新3Dゲームを余裕でこなす高いスペック

NEXTGEAR i800GA8-WS-3DV

 繰り返すがi800GA8は、通常のゲーミングPCとして見てもかなりの高スペックだ。NEXTGEARシリーズおなじみのミドルタワー型ケースに、標準でBloomfieldのCore i7-950(3.06GHz)を搭載する(4コアでHyper-Threadingによる8スレッド実行、TurboBoostにより1コア駆動時は最大3.33GHz)。しかもBTOメニューには、現状で最高峰となるCore i7-980X Extreme Edition(3.33GHz)まで用意されている。

 マザーボードは例によってMSI製で、同社のカスタマイズが施されている。CPU-Zで取得した情報では「MSI X58 Pro SLI」と表示されているが、市販品で言えばMSIの「X58 Pro-E」に相当したモデルになる。CPUソケットはLGA 1366、チップセットはIntel X58 Express+ICH10Rの組み合わせだ。ちなみにBTOではLGA 1366のCPUしか選択できない(ただ、Core i7-980Xが入手できれば換装は可能であると思われる)。

CPU-Zによる情報表示でBloomfieldのCore i7-950(3.06GHz)を搭載する。CPUコアは4つでHyper-Threadingによる8スレッド実行、Intel TurboBoostにより1コア駆動時は最大3.33GHz駆動だ(画面=左)。チップセットの情報を見るとIntel X58 Expressであることが分かる。表示されているようにマザーボード情報は「MSI X58 Pro SLI」となっている。市販モデルで言えば、「X58 Pro-E」に相当するマザーだろう。例によって同社向けにカスタマイズされているため「MCJ Co,Ltd.」という表記が見える(画面=右)

 グラフィックスは、NVIDIAのハイエンドGPUであるGeForce GTX 480(ビデオメモリ1.5Gバイト)を1枚搭載しており、DirectX9.0cからDirectX 11対応ゲームまで幅広くプレイ可能だ。PCI Express 16×スロットが3本あるのでNVIDIA 3way-SLIやATI CrossFire Xといったグラフィックス性能を飛躍的に高めるマルチGPU環境も構築できる。

 メインメモリは、DDR3 1333を12Gバイト(2Gバイト×6、PC3-10700、最大24Gバイト)と十分過ぎる容量を搭載する。空いているメモリスロットはないが、初めからこれだけの容量を搭載していれば困ることはない。もちろん、この大容量メモリを余すことなく利用するために、標準のOSは64ビット版のWindows7 Home Premiumとなっている。またHDDは1テラバイト(S-ATA?対応7200rpm)が標準で搭載されているので容量的にも不満はない。さらにBTOでは、起動ドライブにSSDやSSDのRAIDO 0(激速ストライピング構成)も選択できるようになっている。

搭載するグラフィックスはNVIDIAのハイエンドGPUとなるGeForce GTX480。グラフィックスメモリーは1.5Gバイトである。16×のPCI Expressスロットが3基あるので3way-SLIやATI CrossFire Xも可能だ

 インタフェースは、USB 2.0が背面に6ポート、本体前面下部に2ポートの計8ポート、内部のSATAポートは7ポート(eSATAはI/Oパネルに1ポート)、IEEE1394aが1ポートと十分な数が用意されている。有線LANはギガビットLAN対応。また、光デジタル音声出力も用意されているので、スピーカーシステムをそろえれば、搭載するBlu-rayドライブと合わせてホームシアターばりの環境も構築できる。

本体前面、背面、左側面

付属の液晶ディスプレイはフルHDで23インチの倍速駆動モデル

W2363D-PF

 付属の液晶ディスプレイは、LGエレクトロニクスの「W2363D-PF」でNVIDIAの3D Visionに正式対応している。パネルはTN方式、リフレッシュレートは120Hzで3D Vision利用時に左と右でそれぞれ60Hzによる描画が行える。アスペクト比16:9の23型ワイド液晶で最大解像度は1920×1080ドットのフルHD、画面の表面処理はノングレアの非光沢タイプだ。この液晶にNVIDIAの3D Vision専用グラスキット(USB接続のIRコントローラと3Dグラス本体、ドライバ&ツール類)が標準で付属しており、CyberLinkの「Media Suite 8.0 for Blu-ray マウスコンピューターオリジナルエディション」が付属する。

 光学ドライブは、10倍速のBlu-rayドライブ(BDメディアへの書き込み対応、DVDスーパーマルチ対応)なので、PowerDVDを起動すると3D Visionを自動的に認識し3D立体視による動画再生モードを有効にした状態になる。PowerDVDにはBlu-ray 3D以外にもTrueTheater 3Dという、2D映像をソフトウェア処理で疑似3D化する機能が搭載されており、この機能を使って既存のDVDタイトルや動画ファイルまで3D立体視で楽しめるようになっている。

標準で付属する動画再生用のソフト「PowerDVD9」。3D立体視を自動的に認識しプレーヤーに「3D」という文字が白く表示されている。TrueTheater 3Dという映像データを疑似的に3D化する機能を搭載している(画面=左)。PowerDVD9の設定画面。Blu-ray 3D(BD 3D)に対応しているほか既存のDVDビデオや動画ファイルを疑似3D化するTrueTheater 3Dの設定が可能だ(画面=右)

 以上のように、i800GA8は映像からゲームまで、さまざまなコンテンツを3D立体視で楽しめるよう、標準構成でもかなりのハイスペックな仕様となっている。そこで気になるのがパフォーマンスだ。いつものように定番のベンチマークテストによるパフォーマンス計測に加え、実際にゲームをプレイして3D立体視の効果をチェックしていこう。

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