NTTドコモは11月8日、携帯電話2010年冬/2011年春モデルを発表。同時に、LTEサービス「Xi(クロッシィ)」を2010年12月24日に始めると告知した。
LTE(Long Term Evolution)は通信速度を現在の3G(W-CDMA)より高めた、新世代の(3.9Gとも呼ばれる)通信規格。イー・モバイルやソフトバンクモバイルが、3G技術を拡張した下り最大42MbpsのDC-HSDPAサービスを2010年11月(イー・モバイル)より順次展開し、追ってLTEへ移行する動きであるのに対し、ドコモは2GHz帯を(今後、1.5GHz帯も)用いた、3Gの次を担う世界標準規格で2010年より展開する。当初はデータ通信のみで開始し、現在の3G/FOMA網を共用するデュアル音声端末およびLTE対応音声サービスは追って展開する予定とする。
参考価格 | Xi(Xiデータプランにねん) | FOMAハイスピード(定額データプラン スタンダードバリュー スタンダード割) | モバイルWiMAX(UQ WiMAX・UQ Flat) | モバイルWiMAX(UQ WiMAX・UQ Step) | DC-HSDPA(イー・モバイル G4データプランB にねんS) | DC-HSDPA(イー・モバイル G4スーパーライトデータプラン にねんS) |
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通信速度 | 一部屋内エリア:下り最大75Mbps/上り最大25Mbps 屋外エリア:下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbps |
下り最大7.2Mbps/上り最大5.7Mbps(端末・利用エリアによる) | 下り最大40Mbps/上り最大10Mbps | 下り最大40Mbps/上り最大10Mbps | 下り最大42Mbps/上り最大5.8Mbps | 下り最大42Mbps/上り最大5.8Mbps |
月額料金 | 1000円〜4935円/月(2012年4月30日までのキャンペーン適用時) (通常:1000円〜6510円/月・5Gバイトまで) |
1000円〜4410円/月(2010年12月31日までに申し込んだユーザー向けキャンペーン適用時) (通常:1000円〜5985円/月) |
4280円/月(2011年1月10日までに申し込み、対象製品と同時購入したユーザー向けキャンペーン適用時) (通常:4480円/月) |
380〜4980円/月 | 4480円/月・5Gバイトまで | 900〜5980円/月 |
プロバイダ料金 | 512円/月(mopera Uの場合) | 512円/月(mopera Uの場合) | (込み) | (込み) | (込み) | (込み) |
通信規制/一部アプリ・ポート制限 | あり/なし | あり/あり | なし/なし | なし/なし | あり/あり | あり/なし |
2年縛り(上記プランの場合) | あり | あり | なし | なし | あり | あり |
サービスイン | 2010年12月24日 | (開始済み) | (開始済み) | (開始済み) | 2010年11月19日 | 2010年11月19日 |
(2010年11月8日現在) | ||||||
基本利用料金は、通信量5Gバイトまで6510円/月(最低額は1000円から)。5Gバイトを超えた通信は7Gバイトまでプラス2625円、以降2Gバイトごとに2625円が加算される仕組み。ただ、2012年4月30日まで「Xiスタートキャンペーン」として1000円/月〜上限4935円/月(Xiデータプランにねん利用時)で利用できる。同キャンペーン中は通常プランで設定する基本料金5Gバイト以内とする制限が課されない特典もある。なお、実利用においてはプロバイダの契約も別途必要。Xi対応プロバイダの1つ「mopera U」のXi対応プラン“Uスタンダードプラン”は525円/月となる。既存のFOMAハイスピードサービスと同様に、mopera U以外の既存プロバイダがXiサービス対応プランを展開すれば、そちらのプランを用いることも可能だ。
さて、(期間は2012年4月30日までと限定されるものの)キャンペーンを適用したランニングコストは、既存の定額データプラン、およびモバイルWiMAXやDC-HSDPAサービスを展開する他社と比べるとどうだろう。2年契約を条件にした「Xiデータプランにねん」は、1000円/月(0〜3177kバイト)〜(以降1kバイトごとに0.315円加算)〜上限4935円/月(約20Mバイトで上限到達)の2段階定額制で、これにプロバイダ料金の525円/月を加えた合計5460円/月(mopera Uの場合)がとりあえずの月額コストとなる(なお、2年契約を条件としないXiデータプランは、キャンペーン適用で上限6405円/月となる)。
同じく高速+定額(UQ Flatの場合、4480円/月)をうたうモバイルWiMAXに対しては、サービスエリアに勝るFOMAネットワークも併用できる点、DC-HSDPAサービス(イー・モバイル G4データプランの場合、4480円/月)に関しては、実効速度と(FOMA網も使えることによる)エリアに差があると予想される。これらにプラス1000円/月ほどで、高速なLTEと広エリアのFOMA、両方のサービスを1契約でまかなえてしまうのが利点といえる。
もっとも、2012年4月までのキャンペーン期間が終了すると基本6510円+525円/月(5Gバイトまで。以降、2Gバイトごとに2625円加算)とグッと高額になることは考慮すべきだが、「高速」「(ほぼ)定額」「(既存FOMAエリア併用で、一応)広エリア」とデータ通信においてニーズの高い3ポイントを押さえてはいるので、イチからPC向けのデータ通信端末/データ通信環境を導入したいと考えるなら、あるいは既存のFOMAデータプランを利用するユーザー/他社データ通信プランの2年縛りがなくなるタイミングなら、導入・乗り換えを考慮してもよいと思える。一方、都市圏においてモバイルWiMAX単体で速度もエリアも十分と考えるユーザーの中には、2年縛りが発生せず、そもそも通信規制やポート制限などもないモバイルWiMAXから乗り換えるメリットは見つけにくい──という声も聞こえる。ともあれ、ずっとキャンペーン価格のままであればいいのだが……というのが現時点の率直な感想だ。
端末は「まだ未定で、あくまで販売店が行うものなので詳細を述べるものではないが、既存のデータ通信端末と同様の(割引)販売方法になると思われる」(説明員)とのこと。初期コストは、(当初は)端末代金の実質1〜2万円程度+契約事務手数料(3150円)といった感じになるだろうか。
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