CUDAコアを512基搭載したGeForce GTX 580で、Fermiが当初から発揮するはずだった「本当の力」を検証してみよう。比較用のGPUには、GeForce GTX 480のほかにRadeon HDシリーズでシングルGPUの最上位モデルになるRadeon HD 5870と、デュアルGPU構成ながらシングルカードとしては最上位になるRadeon HD 5970だ。
検証用のシステムは、CPUにCore i7-980X(3.33GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.6GHz)とIntel X58 Expressを搭載したASUSの「Rampage II GENE」を基幹とし、6Gバイトのトリプルチャネルメモリ、64ビット版のWindows 7 Ultimateで構成した。なお、ベンチマークテストに用いるゲームはDirectX 11対応するタイトルを増やしている。
ベンチマークテスト用システム構成 | |
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CPU | Core i7-980X(3.33GHz) |
マザーボード | ASUS Rampage II GENE |
チップセット | Intel X58 Express |
メモリ | DDR3-1066(2Gバイト×3) |
HDD | WD5000AAKS(500Gバイト/7200rpm/16Mバイト) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate |
3DMark06の標準画質ではほとんど上限に近く、各GPU、各解像度の差もわずかだが、それでもGeForce GTX 580はGeForce GTX 480より高いスコアを記録している。また、アンチエイリアスと異方向性フィルタリングの設定を高くするとGPUごとの結果の差は広がり、GeForce GTX 580は明らかに優位になる。ただし、デュアルGPU構成のRadeon HD 5970にはまだ追いつかない。
一方で、3DMark VantageではPerformance、Highの設定においてGeForce GTX 580がRadeon HD 5970をも上回る結果が確認できた。PhysXを有効としていたため、その点を考慮しGraphics Scoreで比較してみても、High設定では同様の結果になる。GeForce GTX 480との結果の差が3DMark06のそれより大幅に伸びていることも興味深い。
DirectX 9に対応したゲームタイトルの検証としては、「The Last Remnant」を実行した。The Last RemnantではGeForce GTX 580が解像度1920×1200ドットまでトップだったが、2560×1440ドットでRadeon HD 5970に逆転を許した。しかし、その差は5fpsとわずかで、これをシングルGPUで実現していることを忘れてはならない。
DirectX 10に対応したゲームタイトルの検証では、「BIOHAZARD 5」のDirectX 10版と「H.A.W.X.」のDirectX 10版を実行した。BIOHAZARD 5では、2560×1440ドットでもRadeon HD 5970とほぼ変わらないスコアを出している。H.A.W.X.ではすべての解像度でGeForce GTX 580がトップスコアをマークしている。
DirectX 11に対応したゲームタイトルの検証では「DiRT2」、「LostPlanet 2」、「Unigine Heaven 2.1」、「H.A.W.X.2」をテストした。なお、DiRT2ではRadeon HD 5970の動作が安定しなかったため、グラフから除外した。この検証では、GeForce GTX 580の結果はRadeon HD 5870に対して200%超のスコアを出し、LostPlanet 2、Unigine Heaven 2.1、H.A.W.X.2では、GeForce GTX 580がRadeon HD 5970を上回る。この3タイトルはどれもテッセレーションの使用量がそれなりにあるタイトルだ。テッセレーションを多用するDirectX 11のゲーム環境を楽しむなら、GeForce GTX 580は現時点で最も力のあるGPUといっていいだろう。
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