エイサー、3D Vision対応ノートPCを「安く提供」する構成がプレミアムなことより大事でしょう

» 2010年11月19日 19時38分 公開
[長浜和也,ITmedia]

ブレミアムでないから買いやすい3D Vision対応ノート

 「AS5745DG-A45E/L」は15.6型ワイド液晶ディスプレイ(解像度は1366×768ドット)を搭載したノートPCで、本体のサイズは約379(幅)×250(奥行き)×31.9〜57.7(高さ)ミリ、重さが約3キロになる。液晶ディスプレイの垂直同期クロックは120Hzに対応し、NVIDAの3D Visionによる3D立体視コンテンツが利用できる。出荷開始は12月3日の予定で、実売予想価格は9万9800円とみられる。

 CPUにCore i5-460M(2.53GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大2.8GHz)を搭載し、Intel HM55 Expressチップセットで構成されるプラットフォームには外付けGPUとしてGeForce GT 425M(グラフィックスメモリ1Gバイト)を組み込んでいる。システムメモリはDDR3 1066MHzを標準で4Gバイト(最大で8Gバイト)実装し、データストレージには640Gバイト(5400rpm)のHDDを採用する。内蔵ドライブはBlue-ray Discの読み込みに対応したDVDスーパードライブだ。

 なお、本体に搭載するインタフェースには、映像入出力としてHDMI(1.4a)とアナログRGBを備え、1000BASE-T対応有線LAN、USB 2.0×4、マルチカードリーダ(SDメモリーカード、マルチメディアカード、メモリースティック、メモリースティックPRO、xDピクチャーカードに対応)を搭載する。また、無線接続としてIEEE802.11b/g/nが利用できるほか、Bluetoothは最新のVer.

3.0に準拠する。なお、3D Vision専用のアクティブシャッター対応3D立体視メガネが標準で付属するが、エミッタ−は液晶ディスプレイの上側に内蔵される。

3D Vision対応ノートPC「AS5745DG-A45E/L」は、9万9800円という「3D立体視に期待する多くのユーザーが容易に購入できる手ごろな価格」が最大の特徴と日本エイサーは説明する

左側面にはアナログRGBとHDMI 1.4a、有線LAN、USB 2.0を備え(写真=左)、右側面には3基のUSB 2.0と内蔵ドライブを搭載する。また、正面にはマルチカードリーダを用意する。標準で3D Vision専用メガネが付属し、液晶ディスプレイの上にはエミッターを内蔵する(写真=右)

普及価格帯でないと3D立体視も普及しない

 日本エイサー マーケティングコミュニケーション課マネージャーの瀬戸和信氏は、AS5745DG-A45E/Lの特徴として、「3D立体視に対応するデバイスを低価格で提供すること」と述べている。日本のPCメーカーが投入した3D立体視対応ノートPCと価格とスペックを比較して、「AS5745DG-A45E/Lはプレミアムな仕様ではない。Blu-ray Discドライブは再生のみで、CPUもハイエンドモデルでない。その代わり、3D立体視に対応するノートPCを安い価格で提供できた。プレミアムな構成でないがGPUはNVIDIAのノートPC向けで最新のモデルを採用している」と、新製品の目的と優位性を訴求した。

 瀬戸氏は、3D立体視利用度について、「まだ、6割の人しか体験していない」と、意外と進んでいない3D立体視コンテンツの利用状況について紹介した上で、3D立体視コンテンツを利用できる環境が「映画館」から「テレビとカメラ」に、そして「PCとディスプレイの組み合わせ」まで広がっているが、テレビは高価で映画館は見るたびに入場料を払わなければならず、PCも従来の3D立体視モデルは高価であることが、3D立体視利用の普及を妨げているとしている。

 対応製品の価格問題を解決するためにAS5745DG-A45E/Lを投入したという瀬戸氏は、3D立体視コンテンツの問題についても、Google 3D ギャラリーなどのインターネット上に数多くの3DCGモデルがアップロードされており、これらを3D立体視で表示できるブラウザとして、イーフロンティアから「Slade 3D ブラウザ」が登場するなど、コンテンツもアプリケーションも数がそろってきていると主張している。

日本エイサー マーケティングコミュニケーション課マネージャーの瀬戸和信氏(写真=左)。瀬戸氏は、日本PCメーカーの3D Vision対応ノートPCと比べて「構成はプレミアムでないが、価格を安く提供できる」とAS5745DG-A45E/Lの優位性を説明する(写真=右)

立体視を盛り上げるエイサーとNVIDIAの協業は大歓迎

 製品説明会ではエヌビディア ジャパン マーケティング本部マーケティングマネージャーの平柳太一氏が登場し、3D Visionに対応するコンテンツやゲームタイトル、ストリーミングサービスについて紹介した。それによると、現時点で475以上のゲームタイトルが3D Visionをサポートし、Blu-ray 3Dに対応する再生ソフトでは、CyberLink、ArcSoft、SONIC、CORELのメジャーベンダーから登場、3D立体視同動画ストリーミングコンテンツとしては、2010マスターズゴルフトーナメント、NSACAR Coke Zero 400、2010 PGAチャンピオンシップ、2010 USオープンテニスなどの実績が示された。

 また、3D立体視対応ビデオ配信サイト「3D Vision Live」のβサービスと、そこで提供されている3D Vision フォトビューワのアップデート、3D Vision Liveでも3D立体視写真のアップロードができるようになったアップデートもあわせて紹介した。

NVIDIAの平柳氏は、同社が提供している3D Vision対応コンテンツとインターネットサービスがいかに充実しているかを訴求した。475のゲームタイトルが3D Visionをサポートし(写真=左)、インターネットサービスでは3D Vision対応コンテンツを楽しめる「3D Vision Live」を提供している(写真=右)

 イーフロンティア 営業統括部 営業グループマネージャーの坂口秀之氏は、3DCGモデルで3D立体視表示に対応する「Shade 3Dブラウザ」を説明し、「普及価格帯で3D立体視表示に対応したAS5745DG-A45E/Lは、ユーザーがPCの3D立体視利用に対する期待を確信に変える」と述べるとともに、イーフロンティアのWebサイト内に3D立体視にかんするポータルサイトを設け、約15万人のShadeユーザーと連携してコンテンツを充実させるなどの取り組みを紹介した。

イーフロンティアの坂口氏は、Shade 3D ブラウザを紹介。Shadeで作成した3DCGのほか、Google 3D ギャラリーに収録されている膨大な3DCGモデルを立体視で表示できる

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