G Data、3600円の「G Data Internet Security 2011」36カ月版冷蔵庫だって感染する(キリッ)(1/2 ページ)

» 2010年11月25日 20時56分 公開
[長浜和也,ITmedia]

論外が怖い!

 G Dataは、11月25日にプロレスラーのNOSAWA論外氏をメインキャラクターとする「俺はNOSAWA論外 ウイルスは論外」キャンペーンを実施する。これは、ウイルス検知テストの「AV-TEST」でG Data製品が36カ月連続1位であったのを記念して行うもので、キャンペーンの実施にあわせて11月26日から「NOSAWA論外 特設サイト」を開設するほか、「G Data Internet Security 2011」36カ月版を3600円でダウンロード販売する。

 同社代表取締役社長のJag 山本氏は、36カ月連続1位となったG Dataの製品に比べて、日本で40%のシェアを取る競合他社製品の検知率が低いことについて「このような製品が一番使われている日本はウイルスに狙われているといっていい」と述べたほか、日本で売れている製品が、価格の安さとテレビコマーシャルなどの知名度で選ばれているに過ぎないと評価した上で、「これからはバリューではなく価値で選ぶ時代になる」とした。しかし、その一方で、11月26日から実施するキャンペーンでは、「3600円という挑戦的な価格で勝負をかけます」と価格競争力をアピールしている。

G Data代表取締役社長のJag 山本氏(写真=左)。キャンペーンのメインキャラクターとなったNOSAWA 論外氏(写真=中央)。その論外氏が主役のキャンペーン特設サイトが11月26日から始まる(写真=右)

AV TESTで測定した検知率結果を日本の競合他社と比較する(写真=左)。価格でも知名度でもなく、価値で選ぶ時代になると山本氏は主張する(写真=中央)。しかし、キャンペーンでは3600円という低価格を訴求(写真=右)

ボットネットが怖い!

ブレードラボを壊滅した実績を持つG Dataセキュリティ・エバンジェリストのエディ・ウィレムス氏

 G Dataはこのキャンペーン開始とAV-TESTによる検知率36カ月連続1位を記念して、ベルギーから来日した同社セキュリティ・エバンジェリストのエディ・ウィレムス氏による講演を行った。ウィレムス氏はウイルス調査と情報提供を1989年から行っているシステムアナリストで、2010年にはオランダ国家犯罪対策局のハイテク犯罪チームの一員として、ボットネット組織の壊滅に貢献している。

 ウィレムス氏は、25年前は何の危険もなかったネットワークの世界だったが、1986年に初めてのウイルスとなる「ブレインウイルス」が登場してから、ワームやスパムと進化し、現在では多種多様な脅威が存在するとした上で、パンデミック的な大規模感染被害は少なくなったが、新種のウイルスによる被害の実数はそうではなく、毎日5万5000件程度の新しいウイルスが報告されていると述べた。

現在のネットワークは多種多様なリクスで満ち満ちている(写真=左)。同時多発的な大規模感染事案は減少しているものの(写真=中央)、報告される新種ウイルスは急激に増加している(写真=右)

 ウィレムス氏は、現在最も深刻な脅威として、「ボットネット」を取り上げている。これは、インターネットで接続する多数のPCが犯罪を意図するユーザーに支配された状態でネットワークを構成したもので、ウィレムス氏は、支配されているPCで構成するボットネットによって、感染拡大にユーザーが気が付かないうちに貢献していることが一番憂慮すべきことだと語っている。

 講演では、膨大なスパムメールや、支配したPCのデータを勝手に暗号化して「人質」とし、その解除キーを身代金としてユーザーに購入させるなどのボットネットで実際にあった手口が示されたほか、2009年から2010年に確認された大規模なボットネット事案として、「スタクスネット」(Stuxnet)と「ブレードラボ」(BreadoLab)を取り上げ、スタクスネットでは、主にUSBメモリで感染が拡大したことや、ブレードラボの摘発では、特殊な試みとして取り締まる側がマルウェアの感染力を利用して、汚染されたPCにマルウェアに汚染されていることを警告するメッセージと警察の被害届サイトに飛ばしてしまうリンクを設定したなどの、ハイテク犯罪チームに所属したウィレムス氏だからこそ話せるエピソードが紹介された。

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