先日発表されたNVIDIAのGeForce GTX 580。単体構成でのパフォーマンスは、先日掲載したレビュー記事で紹介したように、現時点で最強といっていい。ならばSLIを組めばさらにパフォーマンスが向上するだろうと期待は高まる。今回、GeForce GTX 580のリファレンスカードとASUSの「ENGTX580/2DI/1536MD5」という組み合わせで検証してみた。
ASUSの「ENGTX580/2DI/1536MD5」は、GeForce GTX 580のリファレンスクーラーを採用したグラフィックスカードだ。リファレンスデザインと並べてみたが、「ASUS」のロゴ以外に違いはない。ただし、オーバークロック仕様となっており、コアクロックがリファレンスデザインの772MHzに対し782MHzと、10MHz引き上げている。わずかといえばわずかのクロックアップだ。ただし、GPUの駆動電圧を変更できる「Voltage Tweak」機能を備え、オーバークロックツールの「SmartDoctor」から調節することで、リファレンスデザインで設定されている電圧上限を超えるオーバークロックを目指すことも可能だ。
ここでは、ENGTX580/2DI/1536MD5のパフォーマンスをリファレンスデザインと比べるとともに、この2枚を用いてSLIを構築し、そのパフォーマンスをテストしてみたい。ただし、前回リファレンスカードを検証した「1枚構成」のベンチマークテストと今回の2枚組み構成では、「熱」の影響が無視できないほどに大きかった。
検証用のシステムではマザーボードにASUSの「Rampage II GENE」を用いている。このマザーボードはSLIに対応しているもののmicro ATXフォームファクタであるため、2スロット厚のグラフィックスカードを2枚組み込むと2枚のカードのすき間がわずかで、長時間高負荷がかかり続けるベンチマークテストを繰り返し実行すると熱の影響を受けてベンチマークテストのスコアが変動する現象が発生しやすい。それを避けるため、ベンチマークテストの間に5分間のインターバルを設けてみたが、それでも、スコアのブレが激しい結果に関しては検証のデータから省いている。
ベンチマークテストシステム構成 | |
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CPU | Core i7-980X(3.33GHz、Turbo Boost Technology有効時3.6GHz) |
マザーボード | ASUS Rampage II GENE |
チップセット | Intel X58 Express |
メモリ | DDR3-1333(バルク 2GB×3/9-9-9-24) |
HDD | WD5000AAKS(500GB/7200rpm/16MB) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate |
3DMark 06に関しては、すでに標準画質でGPU以外にボトルネックが生じており性能の検証には適さない。それでも高画質設定では差が生じた。ENGTX580/2DI/1536MD5単体性能で見ると、わずか10MHzの差であるため、スコアにして50前後、多くても100は超えないが明らかに高い。SLIを構築した場合のスコアはどの結果よりも高く、GeForce GTX 480のSLI構成も明らかに上回っている。
3DMark Vantageになるともう少し明確な差が確認できる。こちらではリファレンスデザインのGeForce GTX 580とENGTX580/2DI/1536MD5とのスコア差が100〜150、SLI構成におけるGeForce GTX 580とGeForce GTX 480との差は5000ほどになる。なお、単体構成を1とした場合のSLI構成の相対結果を比べると、GeForce GTX 480が約1.7、GeForce GTX 580は約1.6倍となった。
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