「3DMark 11」で最新GPUの“カクり具合”を確かめるイマドキのイタモノ(3/4 ページ)

» 2010年12月14日 10時14分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

テスト項目は6種類。Feature Testはなし

 3DMark 11では、テスト構成も大きく変わった。その構成は、Graphics Test 1〜4、Physics Test、Combined Testという6種類だ。なお、3DMark 11ではFeature Testが廃止された。個々の描画関連機能に特化したテストはなくなって、基本的に複合的なテストを実行した結果が求められることになる。

 Graphics Test 1とGraphics Test 2には「Deep Sea」というタイトルが付けられている。トレーラー映像で公開されているように、MSIのロゴが入った潜水艦が登場する海中映像だ。Grahics Test 1ではテッセレーションは用いられておらず、ライティングとシャドウが高負荷という条件で動作する一方、Graphics Test 2はテッセレーション、ライティング、シャドウともに中程度の負荷がかかる。

Graphics Test 1のスクリーンショット。光源の数が多い一方で、深海の視界の悪さも表現している

Graphics Test 2のスクリーンショット。Graphics Test 1の続きでシーン違いになるが、難破船に近づいていく場面で、珊瑚や岩礁の細かいディテールやシャドウ表現が負荷の高さを物語っている

 Graphics Test 3とGraphics Test 4は「High Temple」というタイトルで、東南アジアか中南米のジャングルのような風景と石造りの寺院という舞台でAntecのロゴの入ったRCVが登場する。Graphics Test 3は中程度のテッセレーションに1個のシャドウキャスティングがかけられる。これがGraphics Test 4になるとテッセレーションやシャドウキャスティングを多用した、Graphics Testでは最も高負荷と思われる内容になる。

Graphics Test 3のスクリーンショット。テッセレーションが用いられているのは神像あたりだろうか。ジャングルにもやがかかった雰囲気もきれいに表現されている

Graphics Test 4のスクリーンショット。Graphics Test 3の続きで、こちらは夜のシーンになる。ここでも神像でテッセレーションが使用されていると思われる

 Physics Testは、膨大な数の剛体オブジェクトの崩壊をシミュレーションする。このテストに関しては、プリセットで指定した解像度とは関係なく、決まった解像度で実行される。なお、“Physics”であって”PhysX”ではないことに注意。3DMark VantageのCPU Testのように、GeForce系GPUでPhysXをオンにするとスコアが一気に跳ね上がるというものではなく、オープンソースのPhysicsライブラリを用いることでGeForceでもRadeonでも同じ条件で性能を評価できるようになった。

 Combined Testは中規模な剛体オブジェクトのPhysicsシミュレーションを実行すると同時に、DirectComputeによるソフトボディオブジェクトのPhysicsシミュレーションを行っている。また、テッセレーションもライティングも中程度に用いており、GPU、CPUともに比較的負荷が高いテストになっている。

見た目にはちょっと味気ないPhysics Test。上から石が落ちてきて、神殿のようなものを破壊していくというシーン(写真=左)。Combined Testのスクリーンショット。ジャングルのシーンはGraphics Test 3の続きのようだ。剛体は神殿、ソフトボディは旗と思われる(写真=右)

 各ベンチマークテストの実行時間は、比較的短い。Radeon HD 5870を例に挙げると、ベンチマークテストのみ実行した場合でGraphics Testが各30秒、Physics Testが約25秒弱、Combined Testが約35秒となり、これにロード時間を加えてもトータル4分30秒程度でテストが完了した。

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