「BIOSTAR」は、MSIやASUS、GIGABYTEほどメジャーではないけれど、日本の自作PCユーザーには以前から知られている台湾の有力マザーボードベンダーだ。現在は販売代理店のエムヴィケーが正規輸入品を日本で流通させている。
MSI、ASUS、GIGABYTEといったメジャーベンダーのように自ら日本の関係者に向けて技術解説を行ったり、プライベートイベントを行ってエンドユーザーにメッセージを発信することが少ないベンダーの製品は、どうしても「価格競争力」と「市場投入の早さ」が注目される傾向がある(ASRockは数少ない例外といえるかもしれない)。
だが、BIOSTARではオーバークロッカーを意識した機能や安定動作のために高品位部材を導入した「T-Series」ブランドを2007年に立ち上げるなど、メジャーベンダーと同様の高付加価値マザーボードを用意している。BIOSTARがIntel 6シリーズチップセット搭載のマザーボードとしてその存在を明らかにした「TP67XE」と「TH67XE」もT-Seriesモデルとなる予定だ。
T-Seriesのラインアップでは、オーバークロックユーティリティ「TOverclocker」が標準で付属し、ハードウェアの状態監視とオーバークロック設定が行える(ただし、SandyBridge世代のCPUを組み込んだシステムで行えるオーバークロック設定の詳細については明らかにされていない)。
また、BIOSTARのマザーボード向け独自技術として最近登場したのが「BIO REMOTE 2」も対応する。BIO REMOTE 2はiPhone(OS 3.2以上)、Android(2.1以上)搭載スマートフォンを無線LANで接続してBIOSTARのマザーボードを搭載したPCの“リモコン”として使えるようにするユーティリティだ。
プレーヤーリモコンとしてWindows Media Center、Windows Media Player、CyberLinkのPower DVDなど対応アプリケーションでコンテンツの操作が行えるほか、iPhone、Android搭載スマートフォンのタッチパネルをPCのワイヤレスタッチパッドとして利用したり、PowerPointのポインタ操作を行うことが可能だ。また、Toverclockerによるオーバークロック設定、省電力設定、BIOSのオンラインアップデートといったPCのシステム管理にも対応する。
ここでは、サンプルボードが公開された「TP67XE」と「TH67XE」について、搭載されているスロットの構成やオンボードで用意されたコントローラなどを紹介する。例によって、対応するCPUは現時点で存在しないことになっているので、パフォーマンスや設定画面などは検証していない。
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