EIZOの“エンタメ”液晶ディスプレイ、用途別おすすめ機種はコレ!徹底比較で違いが丸分かり(3/6 ページ)

» 2010年12月22日 09時30分 公開
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比較3――ゲーム、映画、写真、電子書籍がより快適な機種は?

 EIZOのエンターテインメント向け液晶ディスプレイが汎用ディスプレイと違うのは、さまざまな用途を想定して作り込んだ付加機能を備えている点だ。実際の利用シーンにおいて大きく差が開く部分なので、忘れずにチェックしておく必要がある。そこで下表に、ゲーム、動画、写真、電子書籍といったコンテンツ向けの主な付加機能をまとめた。

 まずはゲーム用途に特化した遅延低減機能の「スルーモード」から。これは倍速補間やI/P変換(インターレース/プログレッシブ変換)などの時間がかかる高画質化処理をスキップし、映像入力から出力までの時間を大幅に短縮する動作モードだ(つまり、倍速補間やI/P変換とは排他となる点に注意)。映画やテレビ番組の視聴では多少遅延が生じたところで問題ないが、フレーム単位での正確さを競い合うような格闘ゲームやFPS、リズムアクションゲームなどでは、わずかな表示タイミングの遅れが致命傷になりかねないため、スルーモードが重宝する。

 スルーモードを搭載するのはFX2431TVとFX2301TVで、FX2301TVは遅延がわずか0.5フレームという。これなら、1フレーム単位の攻防を繰り広げるようなゲームタイトルでも、ディスプレイの差でライバルに後れを取ることはなく、極めて軽快な操作レスポンスでゲームをプレイできる。FX2431TVについても1フレームしか遅延しないので、常人の反射神経では遅れを感知すらできないだろう。

 ちなみに、FS2331とT2351W-Lはスルーモードを持たないが、倍速補間やI/P変換といった時間がかかる処理に対応しないため、そもそも表示に遅延が発生しにくいこともあり、公称の遅延時間は1フレーム以下と非常に速い。つまり、最高峰の操作レスポンスを求めるならFX2301TVだが、ほかの3機種でも遅延のストレスはまず感じないはずだ。実際、4機種でFPSや格闘ゲームをしばらくプレイしてもまったく問題なかった。

FORIS FX2301TV:表示遅延をわずか0.5フレームまで抑えるスルーモードを搭載する

 FS2331とT2351W-Lが搭載する「Power Resolution」と「Power Gamma」の2つの機能を利用すれば、ゲーム向けにメリハリを付けたクリアな映像を楽しめる。Power Resolutionはいわゆる「超解像技術」に近い効果が得られるもので、EIZO独自のチューニングで見た目の解像感をアップさせるもの。ゲームのほか、解像感が不足気味なDVD-Videoやネット動画などSD映像にかけても立体感が出てくるので実用度は高い。解像感アップの強度を3段階で調整できるのも融通が利く。Power Gammaは中間階調のコントラストを強調して立体感を高めるもの(FS2331は暗部を見やすくする設定も用意)。ゲームやCGアニメなど、繊細な階調表現よりコントラスト感が物をいうコンテンツで、バシッとパンチが効いた映像を楽しめる。

 なお、FS2331とT2351W-Lは用途別のカラーモードで「Game」を選ぶと、Power ResolutionとPower Gammaを同時適用した状態となる。また、FX2301TVはカラーモードの1つとして、「Power」モードを備えており、こちらを選択することでPower ResolutionとPower Gammaを同時適用した状態に近い画調に設定できる仕組みだ。FX2301TVにも「ゲーム」モードはあるが、解像感を強調しつつ、階調性は保つ表示傾向になる(つまり、作り込まれた2つのゲームモードを使い分けられる)。また、FX2431TVにも「ゲーム」モードはあるが、ほかの機種のように解像感アップの効果はなく、ナチュラル志向の画作りで落ち着いている。

Power Resolution:1、2、3と段階的に強度を高められる。左半分がPower Resolutionの強度2、右半分がオフの設定だ。細部の立体感が向上し、解像度が高まったような印象を受ける
Power Gamma:コントラスト感を高めつつ、ハイライトの白飛びは抑えたゲーム向けのガンマモード。左半分がオン、右半分がオフの設定だ。中間調の明るさが増し、力強い表示となる

FORIS FX2301TV Powerモード:ソニー・コンピュータエンタテインメントの「GOD OF WAR III」を表示。コントラスト感が強く、細部まで描き込まれたテクスチャがクッキリ浮き出てくる。まさに「力」を感じる表示だ
FORIS FX2301TV ゲームモード:暗部が明るくなり、テクスチャの表現が滑らかになるが、輪郭はなかなかシャープでバランスがいい

© 2010 Sony Computer Entertainment America Inc.

 カラーモードの話が出たところで、ほかのモードもチェックしておきたい。ここで重要なのは、映画向けに柔らかな風合いの映像になる「シネマ/Cinema」、フォトレタッチやインターネットコンテンツの表示で有用な「sRGB」、そして紙の風合いに似た見え方を再現する電子書籍向けの「Paper」あたりだ。シネマ/Cinemaモードは4機種すべてが搭載しており、sRGBモードとPaperモードはFS2331とT2351W-Lが備えている。FS2331とT2351W-Lは、動画向けの高画質化技術ではFX2431TVとFX2301TVに譲る半面、静止画向けのモードが充実しており、バランス重視の仕上がりといえるだろう。オプションとして、画面とプリントの色を手軽に合わせられるカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」もサポートしているので、デジカメユーザーとの相性もいい。

 さらにT2351W-Lは4機種で唯一、タッチパネルを採用している点に注目だ。Windows 7標準のマルチタッチ機能「Windows タッチ」をサポートしているのはもちろん、Paperモードで電子書籍を閲覧しながら、手でページをめくるようにタッチ操作で軽快に読み進めるといったことが行える。この新スタイルのデジタル読書は、実際に試してみると、なかなかハマること請け合いだ。T2351W-Lの電子書籍用途での活用例は、以下の記事を参照してほしい。

FlexScan T2351W-L Paperモード:輝度が10%、色温度が4500Kに固定される。落ち着いたトーンの表示になり、目にかかる負担が軽減されるため、長時間になりがちな電子書籍の読書では非常に有効だ
FlexScan T2351W-L sRGBモード:輝度は任意、色温度が6500Kに固定される。Powerモードに比べて、白がすっきり出て、全体的に自然でクセのない発色になる。フォトレタッチなどに有用だ

EIZO EasyPIX:測色センサー「EX1」と調整ソフトウェア「EIZO EasyPIX Software」を組み合わせたナナオのカラーマッチングパッケージ製品。画面とプリントの色を手軽な操作で近づけられる
FlexScan T2351W-L:eBookJapanのリーダーソフトであるebi.BookReaderで『涼宮ハルヒの憂鬱(1)』(ツガノガク版)を読書。タッチパネルでの操作なら、ツールバーやカーソルを表示せず、全画面表示でタップするだけでサクサクと読み進められる

 一方、FX2431TVとFX2301TVは動画コンテンツにより最適化した仕上がりだ。高精度なI/P変換機能(およびFX2301TVは倍速補間も活用)により、1080/24p(毎秒24コマ)で記録された映画タイトルなどをそのままの雰囲気で再現できる機能をはじめ、プレイステーション・ポータブル(PSP)の特殊な解像度(480×272ドット)の映像を画面幅いっぱいに拡大表示する「ポータブル」モードや、低解像度のゲーム映像を2倍拡大で表示するモード、ドット絵の輪郭をはっきり表示させるレトロゲーム向けの「リアルイメージ」機能といった、かゆいところに手が届くこだわりの映画/ゲーム向け機能を盛り込んでいる。

 そのほか、FX2431TVはPinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能もサポートしているので、小さく映した子画面でテレビやゲームを楽しみながら、親画面でWebブラウズをするといった“ながら見”も可能だ。

リアルイメージ:ドット絵を崩さないように、輪郭をしっかり描いて表示
ポータブルモード:プレイステーション・ポータブルの映像を画面幅いっぱいに拡大表示

ゲーム/動画/写真/電子書籍コンテンツ向け機能の比較
製品名 FORIS FX2431TV FORIS FX2301TV FORIS FS2331 FlexScan T2351W-L
スルーモード ○(遅延:約1フレーム) ○(遅延:約0.5フレーム) −(遅延:1フレーム以下) −(遅延:1フレーム以下)
Power Resolution ○(Powerモード)
Power Gamma ○(Powerモード) ○(2モード)
カラーモード(PC入力) ムービー、ゲーム (PC)、テキスト、ピクチャー、カスタム ムービー、Power、テキスト、ピクチャー、カスタム Game、Cinema、Paper、sRGB、User1、User2 Game、Cinema、Paper、sRGB、User1、User2
カラーモード(AV入力) シネマ、ゲーム、スタンダード、ダイナミック、カスタム Power、ゲーム、シネマ、スタンダード、カスタム Game、Cinema、Paper、sRGB、User1、User2 Game、Cinema、Paper、sRGB、User1、User2
カラーモード(テレビ) シネマ、スタンダード、ダイナミック、カスタム シネマ、スタンダード、カスタム
ポータブルモード
2倍拡大モード
リアルイメージ
1080/24p対応
PinP
ヘッドフォン向けバーチャル5.1chサラウンド
タッチパネル ○(赤外線光学イメージング方式)
EIZO EasyPIX対応

結論――この比較で分かったこと

  • 4機種ともゲームプレイの遅延時間は非常に短い(FX2301TVは特に優秀)
  • FS2331とT2351W-Lはゲーム向けの「Power Resolution」と「Power Gamma」に対応
  • FX2301TVは「Power」と「ゲーム」のゲーム向けカラーモードを装備
  • FS2331とT2351W-Lは「sRGB」モードに対応
  • FS2331とT2351W-Lは電子書籍表示向けの「Paper」モードを用意
  • FS2331とT2351W-Lはカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」もサポート
  • T2351W-LはWindows タッチや電子書籍に向くタッチパネルを搭載
  • FX2431TVとFX2301TVは1080/24p映像をそのままの雰囲気で再現可能
  • FX2431TVとFX2301TVはPSP用の拡大表示機能「ポータブル」モードを用意
  • FX2431TVとFX2301TVはドット絵の表示に適した「リアルイメージ」機能を装備
  • FX2431TVはPinP機能もサポート


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