最後に、これまでの比較・検証の結果を踏まえ、どの機種がどのようなユーザーにおすすめなのかをまとめよう。
FORIS FX2431TVの特徴は、エンターテインメント向け液晶ディスプレイではもはや希少な1920×1200ドット表示(WUXGA)の24.1型ワイド画面を採用していること、そして3波デジタル対応のフルHD液晶テレビと、豊富なPC/AV入力、ゲームや映画向けの高画質化技術を1台にまとめていることだ。
必要十分な機能が備わったフルHDの液晶テレビをベースに、ハイビジョン世代のゲーム機やAV機器、そして旧世代のAV機器まで幅広くにつながり、それぞれを高品位に表示、豊かな体感が得られるハイエンドな1台といえる。
テレビとディスプレイの設置スペースが1台分で済み、テレビやさまざまな映像コンテンツを高輝度・広色域で色鮮やかに楽しめることに加えて、フルリモコンによる手元での操作や、PinP機能による「ながら見」もこなせることから、自室や寝室といったパーソナルスペース用、あるいは独り暮らしのこだわり派にとっての高品位なテレビ兼ディスプレイやセカンドテレビとして最適だ。
- 高解像度で一回り大きな1920×1200ドットの24.1型ワイド画面
- 地上・BS・110度CSデジタル放送/データ放送の視聴が可能
- HDMI入力を2基搭載
- コンポーネントビデオとS-Video/コンポジットビデオ共用入力を搭載
- Adobe RGBカバー率96%、NTSC比92%の広色域をサポート
- VA方式を採用し、視野角と黒表現に優れる
- 輝度が360カンデラ/平方メートルと高い
- 映像向けのコントラスト拡張技術を装備
- 中間階調の応答速度を改善するオーバードライブ回路を搭載
- 1080/24p映像をそのままの雰囲気で再現可能
- ゲーム用のスルーモードを用意(遅延:約1フレーム)
- PSP用の拡大表示機能「ポータブル」モードを用意
- ドット絵の表示に適した「リアルイメージ」機能を装備
- PinP機能もサポート
- 専用設計の高音質スピーカーを内蔵
- 2台のPC(DVI-D接続とD-Sub接続)の音声を同時入力可能
- HDMI入力で音声信号をHDMI以外から入力したい場合に使う端子も持つ
- 別のオーディオ機器とつなぐための音声出力端子も装備
- 画面の高さとチルト角度が円弧を描くようにスムーズに移動
- テレビ機能が使いやすいフルリモコンを付属
- 高解像度の詳細OSDメニューを用意
- 内部ガンマ補正機能により階調再現性が高い
- OSDの画質調整項目は充実
- 画面輝度を自動で最適化する「Auto EcoView」に対応
- パーソナルスペース用の高品位なテレビ兼ディスプレイを求める人
- ナチュラル志向の高画質で幅広い映像コンテンツを味わいたい人
- 1920×1200ドットの高解像度でPCゲームやPC作業をしたい人
- 予算に余裕があり、ハイエンドモデルを指名買いしたい人
FORIS FX2301TVのウリは明快だ。ヘッドフォン向けのバーチャル5.1chサラウンド技術を筆頭に、120Hz液晶パネルと倍速補間技術による動画のスムーズな再生能力、ゲーム用の強力なスルーモードと各種高画質化技術、HDMIとD5を2基ずつ備えた充実のAV入力端子をこれでもかと詰め込んでおり、幅広いゲームタイトルに最適なプレイ環境を提供するゲーミングディスプレイのフラッグシップモデルに仕上がっている。
とにかくゲーム向けに最高クラスのフルHD液晶ディスプレイが欲しい人、特に入力タイミングにシビアな格闘ゲームやFPS、リズムアクションゲームなどをさまざまな家庭用ゲーム機でやり込んでいるゲーマーにとって、うってつけの1台だ。
内蔵テレビチューナーは地デジのみの対応だが、フルリモコン付きのフルHD液晶テレビとしても利用でき、前述のバーチャル5.1chサラウンドと倍速補間を活用すれば、映画コンテンツなども上質な視聴環境で楽しめる。優先順位の1番はゲーム用途だが、映画や地デジも高品位に見たいといったユーザーにもおすすめだ。
- ヘッドフォン向けのバーチャル5.1chサラウンド技術を搭載
- 倍速補間による動画のスムーズな再生が可能
- 中間階調の応答速度を改善するオーバードライブ回路を搭載、応答速度は優秀
- ゲーム用の強力なスルーモードを用意(遅延:約0.5フレーム)
- 「Power」と「ゲーム」のゲーム向けカラーモードを装備
- PSP用の拡大表示機能「ポータブル」モードを用意
- ドット絵の表示に適した「リアルイメージ」機能を装備
- 映像向けのコントラスト拡張技術を装備
- 1080/24p映像をそのままの雰囲気で再現可能
- 地上デジタル放送の視聴が可能
- HDMI入力を2基搭載
- D5入力も2基搭載(1基はコンポジットビデオ共用)
- 専用設計の高音質スピーカーを内蔵
- 2台のPC(DVI-D接続とD-Sub接続)の音声を同時入力可能
- 別のオーディオ機器とつなぐための音声出力端子も装備
- TN方式だが、上下の視野角を補正する「リラックスモード」を持つ
- オプションのサウンドジャケットで着せ替えが可能
- 5色に変化するイルミネーションバーも装備
- テレビ機能が使いやすいフルリモコンを付属
- 高解像度の詳細OSDメニューを用意
- 内部ガンマ補正機能により階調再現性が高い
- OSDの画質調整項目は充実
- 画面輝度を自動で最適化する「Auto EcoView」に対応
- ゲーム向けに最高クラスのフルHD液晶ディスプレイが欲しい人
- 入力タイミングが重要なゲームをよくプレイする人
- お気に入りのヘッドフォンでサラウンド音声を味わいたい人
- ゲームをメインに、地デジや映画もキレのいい映像で見たい人
FORIS FS2331は、FX2431TVとFX2301TVの弟分となるFORISのエントリーモデルだ。上位2機種がゲームや動画に特化しているのに対し、FS2331はゲームや動画を重視しつつも、静止画や文書の表示も含め、幅広い用途で活躍できるようバランス感覚が絶妙な仕上がりとなっている。
エントリーとはいえ、ベースとなる液晶パネルは視野角とコントラストで優位なVA方式をしっかり採用。特にコントラスト拡張技術をオンにすると、1万:1もの高コントラスト比が実現でき、映像がグッと引き締まる。これにゲーム向けの画調になる「Power Resolution」と「Power Gamma」、デジカメ写真の編集やブログなどインターネットコンテンツの作業などで有効なsRGBモード、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」のサポート、そして電子書籍表示向けのPaperモードまで網羅しており、しかも直販価格は4万4800円とFORISでは劇的に安いのだから驚いてしまう。
さまざまな用途でワンランク上の体験をもたらしてくれる、お買い得なエンターテインメントモデルとして、多くのユーザーに注目してほしい優等生的なモデルだ。
- 映像向けのコントラスト拡張技術を装備、適用時は1万:1もの高コントラスト比
- ゲーム向けの画調になる「Power Resolution」と「Power Gamma」に対応
- ゲームプレイの遅延時間は非常に短い(遅延:1フレーム以下)
- 中間階調の応答速度を改善するオーバードライブ回路を搭載
- 「sRGB」モードを用意し、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」もサポート
- 電子書籍表示向けの「Paper」モードを用意
- VA方式を採用し、視野角と黒表現に優れる
- HDMIを2基搭載
- 標準で3色のカラーシートが付属
- 置き場所に困らない小型カードリモコンを付属
- 高解像度の詳細OSDメニューを用意
- エンターテインメント向きモデルでは消費電力が抑えられている
- リーズナブルな価格
- 内部ガンマ補正機能により階調再現性が高い
- OSDの画質調整項目は充実
- 画面輝度を自動で最適化する「Auto EcoView」に対応
- リーズナブルな価格で多目的ディスプレイを求める人
- ゲーム、動画、静止画、文書と高いレベルでバランスが取れた1台が欲しい人
- デジカメ写真とプリントのカラーマッチングもしたい人
- 動画のインターネットコンテンツやブログ更新をリッチに楽しみたい人
今回集めた4機種の中では唯一、汎用ディスプレイの「FlexScan」シリーズに属する「FlexScan T2351W-L」だが、FORISとは違う方向でのエンターテインメント性を追求したユニークなモデルといえる。それは何といっても、マルチタッチ対応のタッチパネルと、それを最大限に生かすためのボディデザインだ。画面をかなり寝かせた状態まで倒せば、タッチ操作も楽な姿勢で行えるし、Paperモードと組み合わせることで、電子書籍もほかのディスプレイよりずっと読みやすい。このデザインは秀逸だ。
一方、FORISシリーズではないので、AV入力端子が1系統のHDMIに限られるほか、テレビ機能やリモコンなどはないが、FS2331とほとんど同じ表示性能を持つ高品位なVA方式の液晶パネルが備わっており、「Power Resolution」と「Power Gamma」によるゲーム向けの表示、sRGBモードでの写真編集、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」の利用など、動画も静止画もコンテンツをまとめて面倒見られる懐の深さも併せ持つ。今までにない多目的タッチディスプレイとして、新たな方向性を示した先進的な新モデルだ。
せっかくWindows 7搭載PCを使っているのだから、OSが標準サポートしているマルチタッチ機能を使いこなしてみたい人はもちろん、電子書籍を紙に近い見え方(Paperモード)と読み方(タッチ操作でページめくり)で大画面に映して楽しみたい人、タッチ機能を重視しつつもゲームや動画にも強いディスプレイが欲しい人にマッチしている。
- Windows タッチや電子書籍に向くタッチパネルを搭載
- タッチパネルや電子書籍に特化した、寝かせられるボディを採用
- 電子書籍表示向けの「Paper」モードを用意
- 「sRGB」モードを用意し、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」もサポート
- VA方式を採用し、視野角と黒表現に優れる
- コントラスト拡張機能なしで3000:1の高コントラスト比
- 中間階調の応答速度を改善するオーバードライブ回路を搭載
- ゲーム向けの画調になる「Power Resolution」と「Power Gamma」に対応
- ゲームプレイの遅延時間は非常に短い(遅延:1フレーム以下)
- エンターテインメント向きモデルでは消費電力が抑えられている
- リーズナブルな価格
- 内部ガンマ補正機能により階調再現性が高い
- OSDの画質調整項目は充実
- 画面輝度を自動で最適化する「Auto EcoView」に対応
- Windows 7のマルチタッチ機能を使いこなしたい人
- 電子書籍を紙に近い見え方で大画面に映して楽しみたい人
- タッチパネルは外せないが、動画も静止画も強いディスプレイが欲しい人
- ほかとは違う先進的なディスプレイを試してみたい人
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