5万円切りの11.6型モバイルノート――「Inspiron M101z」を試す低価格ノートにRadeon HDの恩恵を(1/4 ページ)

» 2010年12月29日 15時30分 公開

AMDのNileプラットフォームを採用した11.6型モデル

デルの「Inspiron M101z」。直販価格は4万9980円から

 デルの「Inspiron M101z」は、11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載したモバイルノートPCだ。AMDが2010年5月にリリースした超薄型ノートPC向けプラットフォーム(開発コード名:Nile)を採用することで、携帯性とパフォーマンスのバランスを図りつつ、最小構成価格で4万9980円と低価格を実現している。

 2010年12月現在、デルは個人向けのノートPCとして、「Inspiron」「Studio」「XPS」「Alienware」の4つのシリーズを販売しているが、InspironはエントリークラスのスタンダードPCという位置付けだ。XPSはミドルレンジ、Alienwareはゲーム向けのハイエンドを担う製品で、従来のミドルレンジモデルであるStudioは今後終息するという。

 Inspiron M101zはInspironシリーズの中でも小型軽量のエントリーモデルだ。Netbookの「Inspiron Mini」よりワンランク上の性能と操作性を求めるユーザーに向いている。

4色のカラバリでデザインにもこだわり

 まずは外観から見ていこう。ボディは全体的にフラットなデザインで、先端に向かって絞り込みつつ、端に丸みを付けることで、手になじみやすく、持った際に薄く感じやすいフォルムになっている。LEDバックライト搭載の薄型液晶ディスプレイを採用し、ヒンジを背面より少し内側に配置するなど、最近のデルのノートPCでよく見られる特徴的なデザインも取り入れており、一見シンプルだが、こだわりが感じられる外観だ。

 ボディカラーはクリア・ブラック、ピーコック・ブルー、トマト・レッド、ロータス・ピンクの4色から選べる。クリア・ブラック以外のカラーは天面に独自のデザインパターンを施しており、ロータス・ピンクではパームレストの一部にもバラの花をイメージしたデザインパターンが入っている。

4色のカラーバリエーションを用意する。ブラック以外は鮮やかな色の天面で印象がかなり変わる
ピーコック・ブルーとトマト・レッドが採用する「ジャックス」パターン
ロータスピンクが採用する「ディジ・バイス」パターン

 今回入手したのはクリア・ブラックのモデルだ。天面と液晶ディスプレイ周囲は光沢ブラック、パームレストを含むトップカバーは光沢シルバー、ボトムカバーは非光沢ブラックで、パームレストには光沢面の下にヘアラインのパターンを敷いている。ボディは樹脂製なので、金属的な高級感はないものの、安っぽさはなく、品よく仕上がっている印象だ。ただし、天面やパームレストの光沢面は指紋が付着しやすく、液晶フレームは外光の反射が気になることもあった。

 本体サイズは292(幅)×205(奥行き)×24.3〜35(高さ)ミリ、重量は約6時間36分駆動をうたう6セルバッテリー装着時で約1.56キロ、約10時間40分駆動をうたう9セルバッテリー装着時で約1.74キロだ。今回入手したのは6セルバッテリー(11.1ボルト 56ワットアワー)の構成だったが、実測での重量は1562グラムで、ほぼ公称値通りだった。9セルバッテリーは大型で、装着するとボディからはみ出す。

 この画面サイズならもう少し軽くしてほしかったと思うかもしれないが、多くのユーザーにとって十分持ち歩いてバッテリー駆動で使える携帯性を備えているといえる(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。

 付属のACアダプタは、サイズが66(幅)×126(奥行き)×16(高さ)ミリ、電源ケーブル込みでの重量が322グラムだ(いずれも実測値)。特にコンパクトではないが、薄型のACアダプタを採用しており、電源ケーブルを巻いて収納するためのゴムベルトも用意されているため、バッグの中での収まりはよい。

クリア・ブラックは無地でスッキリした外装だ。表面は光沢仕上げとなっている
写真では分かりにくいが、光沢のパームレストにはヘアラインが施してある
6セルのリチウムイオンバッテリー(11.1ボルト 56ワットアワー)と付属の薄型ACアダプタ

Athlon II Neo+Mobility Radeon HD 4200を搭載

 基本スペックは冒頭で述べた通り、AMDの超薄型ノートPC向けプラットフォームを採用する。CPUは45ナノメートルの製造プロセスルールを導入し、TDP(熱設計電力)を12ワットに抑えたAthlon II Neoだ。

 2010年10月の発売当初は、シングルコアのAthlon II Neo K125(1.7GHz/2次キャッシュ1Mバイト)、またはデュアルコアのK325(1.3GHz/2次キャッシュ2Mバイト)を選択できたが、12月後半になってひそかに基本スペックが上がっており、CPUの構成はシングルコアのK145(1.8GHz/2次キャッシュ1Mバイト)、またはデュアルコアのK345(1.4GHz/2次キャッシュ2Mバイト)となった。今回入手したのはK325搭載機だが、K345と動作周波数が100MHz違うだけで、そのほかの特徴は共通だ。

 チップセットはAMD M880G(開発コードネーム:RS880M)を採用する。GPUのATI Mobility Radeon HD 4200を統合しており、DirectX 10.1対応の3Dグラフィックス、HD動画再生支援機能のUVD2(Unified Video Decoder 2)、GPGPU機能のATI Streamなどをサポートするのが特徴だ。実際の利用シーンにおいては、インテル製チップセット内蔵グラフィックス(Intel GMA 3150)を利用した標準的なNetbookで再生が厳しいようなMPEG-4 AVC/H.264などのHD動画を視聴できるのが大きいだろう。

底面のカバーを外せば、2基のメモリスロットにアクセスできる

 メモリはDDR3-800に対応し、容量は2Gバイト(2Gバイト×1)もしくは4Gバイト(2Gバイト×2)を搭載する。底面のネジ止めされた小さなカバーを外すことで、2基のメモリスロットにアクセスすることが可能だ。

 ストレージは回転数7200rpm/容量320Gバイトの2.5インチSerial ATA HDDを搭載、光学ドライブは内蔵しない。HDDはスペックが固定となっており、ほかの容量やSSDなどは選択できない。なお、底面にはHDDにアクセスするためのカバーがないが、底面のネジで固定されたキーボードユニットを外すことでHDDが現れる。メーカー保証対象外の行為となるが、HDDの換装作業は難しくないだろう。

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