2010年のマザーボードは、USB 3.0とSerial ATA 6Gbpsといった新しいインタフェースのサポートと、ハイエンドモデルにおけるオンボード実装機能を競った1年だった。
“イマイタ”レビューで、2010年の最初に登場したのは、AMD 890GXを搭載したASUSの「M4A89GTD PRO/USB3」だ。グラフィックスコアをノースブリッジに統合した上位モデルのチップセットを載せているが、統合されたグラフィックスコアはその前のモデルと同じクラスのRadeon HD 4290で、DirectX 10.1対応のまま。コアクロックを700MHzと上げているのが数少ない変更点だった。
一方、サウスブリッジとして組み合わせたSB850では、Serial ATA 6Gbpsに対応するなど機能を強化した。ただ、USB 3.0には対応せず、M4A89GTD PRO/USB3では、専用コントローラとしてNECの「μD7200200F1」を実装してUSB 3.0を利用できるようにしている。また、ASUSが独自に用意した機能として、「MemOK」「Turbo Key II」とともにCPUのDisableなコアを有効する「CORE UNLOCKER」を備えていた。
性能評価では、統合されたグラフィックスコアの性能をインテルの“Clarkdale”世代となる「Core i5-661+Intel H55 Expressチップセット」の組み合わせと比較したが、SYSmark2007と3DMark Vantageでは及ばず、ストリートファイターIVベンチマークテストやTHE LAST REMNANTでは条件によって上回ることが確認できた。
AMD 890FXチップセットを搭載するマザーボードとして紹介したのは、同じASUSの「Crosshair IV Formula」だ。こちらは、ゲーマーやオーバークロッカーを意識した「R.O.G.」シリーズに属する製品で、レビューでは、AMD 890FXの性能とともに、AMDが提唱する「AMD Black Edition Memory Profiles」(B.E.M.P.)に基づいて、ノースブリッジの動作クロックと駆動電圧を上げたオーバークロック効果も検証している。
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