レノボのプライベートブースで初公開モデルをチェック2011 International CES

» 2011年01月11日 17時47分 公開
[登丸しのぶ/Shinobu T. Taylor,ITmedia]

ハイブリッドなU1で履歴を共有するのはWebブラウザのみ

 2010 CESでプロトタイプが公開された「IdeaPad U1 Hybrid」が、改良を加えて正式な製品版として2011 CESで紹介された。大きな変更点はタブレットデバイス側「LePad」のOSだ。プロトタイプで検討されていた独自開発のLinuxベースOS「Skylight」からAndroidに変更している。スタッフによると、アプリケーション開発の困難さからSkylight OSの開発は中止されたという。

 それ以外のスペックは、LePad側が10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載して、CPUにはクアルコムのSnapdragon(動作クロック1.3GHz)を採用する。データストレージは32Gバイトのフラッシュメモリで、200万画素Webカメラを内蔵。LePad使用時のバッテリー駆動時間は約8時間の見込みだ。

 一方、ベースシステム側はプロトタイプと同じく、OSにWindows 7 Home Premiumを導入する。CPUはCore i5-540UM(1.20GHz)以外にCore i7が選択可能。価格はLePad単体で3499元(約4万3000円)、ベースシステムと組み合わせたノートPCのフルセットは8888元(約11万円)となる見込み。ベースシステムのみでもHDMIで外部ディスプレイに接続できるが、ベースシステムだけで販売はしない。2011年3月から中国で販売を開始する。発売当初は、タブレット側で使える無線接続はWiFiのみだが、後に3Gにも対応していくとしている。

 ベースシステムに接続することで、AndroidとWindows 7の間でシームレスな切り替えが可能になるが、気になるのは異なるOS間におけるデータの同期だ。自動的に同期ができるのは2010 CESのプロトタイプ発表時に説明されたのと同じく、Webブラウザの履歴のみ。音楽や画像などのデータは互いのストレージを介して行うことになる。

タブレットデバイス側のOSをAndroidに変更して製品化が実現したIdeaPad U1 Hybrid。LinuxベースとはいえオリジナルカスタムOSでは製品化が難しかったとのこと。現在のOS事情が反映されているようで興味深い(写真=左)。IdeaPad Hybrid U1のキーボード。パームレストに凹凸のあるラバー素材を採用している(写真=中央)。画面中央のレバーでAndroidとWindows 7を切り替える。Androidへの切り替えは一瞬だが、Windows 7への切り替えは2〜3秒かかる

IdeaPad Slateのベースシステムは?

 今回コンセプトモデルとして発表されたのは、Windows 7を搭載したタブレットPC「IdeaPad Slate」だ。指先のマルチタッチ操作とスタイラスペンに対応する。現時点では、CPUにAtomを採用して、10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載、データストレージは拡張可能な32GバイトのSSDで、システムメモリはDDR2を最大2Gバイトまで実装可能となっている。無線接続はWiFiと3Gのそれぞれに対応するモデルを提供していく予定という。価格は500ドル前後を想定している。

 充電器とキーボードはLePadと共有できるが、IdeaPad SlateをIdeaPad U1 Hybridのベースシステムに接続することはできない。ただ、同じWindows 7同士で同期するメリットは高いため、いずれIdeaPad Slateにもベースシステムが登場するかもしれない。

スタイラスペンで操作中のIdeaPad Slate(写真=左)。IdeaPad Slateをキーボードドックに接続する(写真=中央)。本体には現段階でヘッドフォンジャック、USB、miniSDカードスロットが搭載されている(写真=右)

デザインを重視するIdeaPadの新モデルも

 2011 CESにて、最も安価なビジネス向けウルトラポータブルPCと評価されたのが「ThinkPad X120e」だ。AMDの“Fusion”APUを搭載したことにより、従来機種のThinkPad X100eからグラフィックス性能を大幅に向上させた。 搭載するのはTDP18ワット“Zacate”シリーズのE-240、もしくは、E-350で、これによりグラフィックス処理速度が65%向上するという。さらに本体搭載のインタフェースにHDMIを追加してフルHDのプロジェクタでプレゼンテーションを行うこともできるようになった。重さは2.9ポンド(約1.3キロ)で厚さは1インチ(3センチ)以下。価格は399ドルからで、2月より販売を開始する。

 厚さ18ミリ、重さ1.38キロ、世界最薄の12.5型ディスプレイ搭載ノートPCをうたった「IdeaPad U260」は、デザインを重視するモデルだ。表面に最近のレノボ製品で多く見かけるマット仕上げを施すことで高級感を演出しており、クレメンタインオレンジとモカブラウンの2色展開となっている。インテルの超低消費電力タイプのCPUを搭載する予定で、最大4GバイトのDDR 3メモリと最大320GバイトのHDDを搭載する。価格は999ドルからになる。

 ThinkPad Edgeシリーズでは、12.5型ワイドディスプレイを搭載する「ThinkPad Edge E220s」と14型ワイドディスプレイを搭載する「ThinkPad E420s」の2モデルを加えた。表面を指紋などが付きにくいマット仕上げとし、より薄く、軽く、厚さ0.85インチ(約2.2センチ)、重さ3.5ポンド(約1.6キロ)となっている。CPUにはインテルの最新モデル“Sandy Bridge”世代のCore i3、Core i5、Core i7から選択可能とし、価格は749ドルからで4月より販売開始予定としている。

デザインを重視するコンセプトで開発された「IdeaPad U260」(写真=左)を、左側面から見ると液晶ディスプレイの薄さが際立つ(写真=中央)。IdeaPad U260のキーボード。パームレスト部はレザー感覚の仕上げになっている(写真=右)

プライベートブースには「ThinkPad E220s」(写真=左)と「ThinkPad E420s」(写真=右)も展示されていた

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