第3回 「VAIO Z」のHDDをSSDに換装する(後編)VAIO Z 長期使用リポート(1/2 ページ)

» 2011年01月21日 11時30分 公開
[望月瞬,ITmedia]

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換装後のSSDにシステムリカバリする

「VAIO Z」

 前回は「VAIO Z」の内蔵HDDを120GバイトのSSD(インテル製の「X25-M Mainstream SATA Solid-State Drive」)に換装するところまでお伝えした。筆者のVAIO Z(VAIOオーナーメードモデル)は、購入時のストレージに5400rpm/320GバイトのSerial ATA HDDを選択したため、同じサイズ/端子形状の2.5インチ/9.5ミリ厚Serial ATA SSDに交換できたというわけだ。

 VAIO Z本体の分解や、HDDとSSDの交換、本体の復元と、面倒な部分や気を遣う部分は多少あったものの、作業自体はそれほど難しくなかった。後は、あらかじめ作成しておいたリカバリメディア(DVD-R×4枚)を使って、新しいSSDにシステムリカバリし、起動や動作に問題がなければ成功だ。ただし、メーカーサポート外の行為なので、正常な動作が保証されない点は注意したい。


注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するわけではありません。この記事をもとに分解/改造を行うことで損害が生じた場合、著者や編集部、メーカー、販売店はその責任を負いません。この記事についての個別のお問い合わせにもお答えできません。



システムリカバリの手順

今回のリカバリ作業には、バッファローのポータブルDVDスーパーマルチドライブ「DVSM-PN58U2V-SV」を使用した

 VAIO Zで購入時にHDDを選択すると、光学ドライブは内蔵できない(光学ドライブのスペースに2.5インチHDDを内蔵する)ため、リカバリメディアを使うにはUSB接続の外付け光学ドライブが必要だ。リカバリメディアの作成とリカバリ処理には、手元にあったバッファローのポータブルDVDスーパーマルチドライブ「DVSM-PN58U2V-SV」を使った。

 SSDへの換装後、VAIO ZのBIOSセットアップ画面を見てみると、「Hard Disk Drive1」の値が「120GB」となっており、正常に認識されているようだ。次はBIOSセットアップのブート設定(Boot)のメニューをチェックし、外部ストレージからの起動を有効にして、起動の優先順位で外部ストレージを1番目に変更する。こうしておくことで、ブート可能な外部ストレージが接続されている場合(USBメモリや、ブート可能なメディアをセットした外付け光学ドライブなど)、内蔵ストレージではなく、そちらから起動するようになる。

 もっとも、VAIO Zでは、上記のBIOS設定を行わなくても、リカバリメディアからのブートは可能だ。今回の場合、リカバリメディアをセットした外付けDVDドライブをVAIO Zに接続し、VAIO Zの電源を投入、そして「F11」キーを連打していると「Windows ブート マネージャー」が起動する。BIOS設定で外部ストレージから優先的にブートするようにした場合も、同じく「Windows ブート マネージャー」が立ち上がる。

 リカバリの詳しい手順は、以下に写真とともにまとめたが、結論から述べると、リカバリは正常に終了し、工場出荷と同じ状態でVAIO Zが起動した。WindowsアップデートやVAIOアップデートもきちんと行われ、それから軽く使ってみたが、特に問題はないようだ。

(1)HDDからSSDに換装した後、VAIO Zの電源を入れてBIOSセットアップを確認。「Hart Disk Drive1」が「120GB」と表示されており、BIOS上では120Gバイトのインテル製SSD「X25-M」を正常に認識している
(2)BIOSセットアップの「Boot」設定を変更。「External Device Boot」を「Enable」にして、「Boot Priority」で「External Device」を先頭にする。ただし、VAIO Zの場合、電源投入後のF11キー連打で外付け光学ドライブから起動できるので、このBIOS設定は必須ではない
(3)リカバリメディア(DVD-R×4枚の1枚目)をセットしたUSB接続の外付け光学ドライブから起動する。リカバリメディアから起動したときの最初の画面は「Windows ブート マネージャー」だ。「VAIOリカバリーセンター」を選んで、Enterキーを押す

(4)「VAIOリカバリーセンター」のトップメニュー。今回は「お買い上げ時の状態にリカバリー」を実行した。この選択肢では、SSD(HDD)のパーティション構成を変更してリカバリできる。筆者の場合、データ類はすべてDドライブに保存するようにしているため、CドライブとDドライブへのパーティション分割が必須なのだ
(5)ここからはウィザード形式の操作だ。基本的に、リカバリ処理はトラブルからの復旧が目的なので、より手軽に行える選択肢があると表示される。しかし、どれも今回の目的には合致しないため、ここでは「スキップ」を選択
(6)標準搭載のHDDに存在するリカバリデータを残すかどうかの選択画面。そもそも換装後のSSDにはリカバリデータがないので、「削除します」を選択

(7)パーティション構成を変更するか変更しないかの設定。今回は120GバイトのSSDをCドライブとDドライブに分割したいため、「パーティション設定を変更」を選択
(8)パーティション構成のカスタマイズ画面。今回のVAIO Zでは、Cドライブの最小容量は「約61Gバイト」だった。個人的には、Cドライブの容量をもっと減らして、Dドライブをより大容量にしたかったが、この段階では仕方がない。リカバリ後、Windows 7標準機能の「ディスクの管理」でCドライブの容量を縮小することにした。なお、「システム領域」の約1Gバイトと「リカバリー領域」の約2Gバイトは、VAIO Zのリカバリツールでは削除できないようだ
(9)最終確認の画面。表示内容をよく読み、理解したうえで「同意します」にチェック。「開始」ボタンをクリックすると、リカバリ処理が始まる。リカバリ中は、リカバリメディア(DVD-R×4枚)の入れ替え指示が頻発し、何回かの再起動が発生するが、無事に作業は終了した

 無事にリカバリが終了した後は、Windows 7の標準機能である「ディスクの管理」からCドライブを縮小した。今回の環境では、「VAIOリカバリーセンター」で最小約61Gバイトを要求されたCドライブを36.43Gバイトまで縮小できた。

 ただし、100Mバイトの「System Reserved」パーティションと、1.46Gバイトの「回復パーティション」は、「ディスクの管理」では削除できない。これらを削除する手段もあるのだが、ひとまずこのままでよしとする。

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