前回は「VAIO Z」の内蔵HDDを120GバイトのSSD(インテル製の「X25-M Mainstream SATA Solid-State Drive」)に換装するところまでお伝えした。筆者のVAIO Z(VAIOオーナーメードモデル)は、購入時のストレージに5400rpm/320GバイトのSerial ATA HDDを選択したため、同じサイズ/端子形状の2.5インチ/9.5ミリ厚Serial ATA SSDに交換できたというわけだ。
VAIO Z本体の分解や、HDDとSSDの交換、本体の復元と、面倒な部分や気を遣う部分は多少あったものの、作業自体はそれほど難しくなかった。後は、あらかじめ作成しておいたリカバリメディア(DVD-R×4枚)を使って、新しいSSDにシステムリカバリし、起動や動作に問題がなければ成功だ。ただし、メーカーサポート外の行為なので、正常な動作が保証されない点は注意したい。
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VAIO Zで購入時にHDDを選択すると、光学ドライブは内蔵できない(光学ドライブのスペースに2.5インチHDDを内蔵する)ため、リカバリメディアを使うにはUSB接続の外付け光学ドライブが必要だ。リカバリメディアの作成とリカバリ処理には、手元にあったバッファローのポータブルDVDスーパーマルチドライブ「DVSM-PN58U2V-SV」を使った。
SSDへの換装後、VAIO ZのBIOSセットアップ画面を見てみると、「Hard Disk Drive1」の値が「120GB」となっており、正常に認識されているようだ。次はBIOSセットアップのブート設定(Boot)のメニューをチェックし、外部ストレージからの起動を有効にして、起動の優先順位で外部ストレージを1番目に変更する。こうしておくことで、ブート可能な外部ストレージが接続されている場合(USBメモリや、ブート可能なメディアをセットした外付け光学ドライブなど)、内蔵ストレージではなく、そちらから起動するようになる。
もっとも、VAIO Zでは、上記のBIOS設定を行わなくても、リカバリメディアからのブートは可能だ。今回の場合、リカバリメディアをセットした外付けDVDドライブをVAIO Zに接続し、VAIO Zの電源を投入、そして「F11」キーを連打していると「Windows ブート マネージャー」が起動する。BIOS設定で外部ストレージから優先的にブートするようにした場合も、同じく「Windows ブート マネージャー」が立ち上がる。
リカバリの詳しい手順は、以下に写真とともにまとめたが、結論から述べると、リカバリは正常に終了し、工場出荷と同じ状態でVAIO Zが起動した。WindowsアップデートやVAIOアップデートもきちんと行われ、それから軽く使ってみたが、特に問題はないようだ。
無事にリカバリが終了した後は、Windows 7の標準機能である「ディスクの管理」からCドライブを縮小した。今回の環境では、「VAIOリカバリーセンター」で最小約61Gバイトを要求されたCドライブを36.43Gバイトまで縮小できた。
ただし、100Mバイトの「System Reserved」パーティションと、1.46Gバイトの「回復パーティション」は、「ディスクの管理」では削除できない。これらを削除する手段もあるのだが、ひとまずこのままでよしとする。
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