内蔵HDDをSSDに換装してシステムリカバリを実行したVAIO Zは、体感的には見違えるように速くなった(気がする)。内蔵HDDのころもそれほど不満はなかったのだが、さまざまな操作において、SSDは速さのキレが違う。クアッドSSDを搭載した構成のVAIO Zと比べても、体感上は劣らない気もしてきた。
これならベンチマークテストでもよい勝負になるのではないか。ほのかな期待を持ってベンチマークテストに取りかかる。本連載の第1回では、HDD内蔵のVAIO ZとクアッドSSD内蔵のVAIO Zのベンチマークテスト結果を紹介したが、インテルSSD換装後のVAIO Zと比較するため、改めて掲載しておく。
今回テストしたVAIO Zの基本スペック | |||
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モデル | HDD搭載VAIO Z (換装前) | インテルSSD搭載VAIO Z (換装後) | クアッドSSD搭載VAIO Z |
OS | 64ビット版 Windows 7 Professional | 64ビット版 Windows 7 Ultimate | |
CPU | Core i7-620M(2.66GHz/最大3.33GHz) | ||
メモリ | 4Gバイト | ||
グラフィックス | Intel HD Graphics/NVIDIA GeForce GT 330M(グラフィックスメモリ1Gバイト) | ||
ストレージ | 5400rpm 320GバイトHDD | 128GバイトSSD | 256GバイトクアッドSSD |
光学ドライブ | − | − | Blu-ray Discドライブ |
まずはWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスだ。インテルSSDの構成は、プライマリハードディスクのスコアで最高値である「7.9」をマークした。クアッドSSDの構成はプライマリハードディスクの値が「7.6」だったので、何と換装したシングルSSD構成のほうが高スコアではないか。環境やSSDの使用時間といった違いがあるにしても、この結果は気持ちがいい。
気をよくしたところで、ディスクパフォーマンスをチェックするCrystalDiskMark 3.0 x64を試した。HDD搭載とインテルSSD搭載の構成で比較すると、後者が圧倒的に高速なのは当然の結果で予想通り。問題はクアッドSSDとの比較だ。
結果を見比べると、シーケンシャルリード/ライトではクアッドSSD構成に完全に負けているが、小容量ランダムリード/ライトではインテルSSDの構成が上回った。クアッドSSDはRAID 0構成なので、シーケンシャルリード/ライトが高速なのは順当だが、小容量ランダムリード/ライトではその強みを発揮しきれていないようだ。インテル製SSD「X25-M」の素性のよさを実感した。
システムの総合的なパフォーマンスを計測するPCMark VantageとPCMark05も実行した。PCMark Vantageでは、SSD搭載PCで高いスコアが出る傾向にあるため、HDD内蔵の構成を大きく上回っている。興味深いのは、ここでもクアッドSSDの構成よりインテルSSDの構成のほうが高スコアをマークしたことだ。特に「HDD Test Suites」項目では大差が付いており、ここでも小容量ランダムリード/ライトのパフォーマンスが影響したと想像できる。一方、シングルスレッドの多い旧世代のテストであるPCMark05では、4つの項目でクアッドSSDとインテルSSDの構成がほぼ同じスコアだった。
Windows 7の起動時間も比較した。グラフの数値は、システムリカバリ直後(Windowsアップデート/VAIOアップデートを一通り適用)に、電源オンからWindows 7デスクトップの表示までをストップウォッチで手動計測したものだ。よって、デスクトップ表示後に順次読み込まれる常駐ソフト類の起動時間は含んでいない。結果は、インテルSSDの構成で約36秒だ。HDDの構成では約59秒、クアッドSSDの構成では約38秒だったので、ここでも小差ながらインテルSSDの構成が最速だった。
HDDからSSDへの換装は、想像以上にパフォーマンスがアップしたので正直ビックリした。特に実際のPC利用でパフォーマンスに大きな影響を与えるランダムリード/ライト性能において、クアッドSSD構成のテスト結果を上回ったのは思わずニンマリだ。現在は、リカバリ直後の状態でCドライブのイメージバックアップをとり(保存先は外付けHDD)、環境構築とカスタマイズを行っているが、特に問題は生じていない。
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