「GeForce GTX 560 Tiのオーバークロックモデル」は“みんなが喜ぶ”グラフィックスカードか?イマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2011年01月26日 00時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

ブロックダイヤグラムは“460と同じ”

 GeForce GTX 560 TiのポジションはGeForce GTX 460の上、というよりもベースとなるGPUがGeForce GTX 460そのものといってもいいだろう。GeForce GTX 460が登場したとき、ストリームマルチプロセッサ(SM)数が「7」と微妙だったことに違和感を覚えたユーザーも多い。GeForce GTX 560 TiではこのSM数が「8」になる。このあたり、GeForce GTX 480とGeForce GTX 580の関係に近いものがある。

 GeForce GTX 560 TiでSM数が1つ増えたことに合わせて、CUDAコア数も384基、テクスチャユニット数が64基と増加している。また、動作クロックも引き上げられており、コアクロックが823MHz、メモリクロックは1GHzとなる。ただし、これはリファレンスデザインの設定で、グラフィックスカードベンダーから登場する製品のほとんどがオーバークロックモデルといわれている。GeForce GTX 460がそうであったように、GeForce GTX 560 Tiでもオーバークロックマージンが大きくとられている。

型番 GeForce GTX 560 Ti GeForce GTX 460(1GB) GeForce GTX 460(768MB) GeForce GTX 480 GeForce GTX 470
開発コード名 GF114 GF104 GF104 GF100 GF100
GPC 2 2 2 4 4
SM 8 7 7 15 14
CUDA Core 384 336 336 480 448
テクスチャユニット 64 56 56 60 56
ROPユニット 32 32 32 48 40
GPUクロック 823 675 675 700 607
シェーダークロック 1646 1350 1350 1401 1215
テクスチャフィルレート 52.6 37.8 37.8 42 34
グラフィックスメモリクロック 1000 900 900 924 837
グラフィックスメモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
グラフィックスメモリ接続バス幅 256 256 192 384 320
グラフィックスメモリ帯域幅 128 115.2 86.4 177.4 133.9
グラフィックスメモリ容量 1024 1024 768 1536 1280
2次キャッシュメモリ 512 512 384 768 640
最大消費電力 170 160 150 250 215
補助電源レイアウト 6+6 6+6 6+6 8+6 6+6
DirectXサポート 11 11 11 11 11
OpenGLサポート 4.1 4.1 4.1 4.1 4.1
PCI Express 2 2 2 2 2
トランジスタ数 19.5 19.5 19.5 30 30
プロセスルール 40 40 40 40 40
Thermal Threashold 100 104 104 105 105

 そのほかで注目したいのが消費電力だ。ただし、減ったのではなく、GeForce GTX 460(グラフィックスカード1Gバイトモデル)の160ワットに対して170ワットと増えている。ただし、外部補助電源用のコネクタは6ピン×2基のままだ。なお、Thermal ThreasholdはGeForce GTX 460の104度から100度へ下がっている。GeForce GTX 480からGeForce GTX 580でも下がったのと同様、消費電力(熱設計)の最適化が行われているとみられる。

MSIとZOTACのオーバークロックモデルを観察する

 今回、評価作業で用意したGeForce GTX 560 Ti搭載グラフィックスカードは、MSIの「N560GTX-Ti Twin Frozr II OC」とZOTACの「ZOTAC GeForce GTX 560 TI OC 1GB DDR5」だ。N560GTX-Ti Twin Frozr II OCは、静音性能と優れたOC性能で人気のオリジナルクーラーユニット「Twin Frozr II」を搭載するハイエンドモデルになる。当然ながら、オーバークロック設定が施されており、コアクロックが880MHz、グラフィックスメモリクロックが1050MHzに引き上げられている。

 ZOTAC GeForce GTX 560 TI OC 1GB DDR5(ZT-50303-10M)は、シングルファンだがこちらもオリジナルデザインのクーラーユニットを採用する。ZOTACカラーの黄色いメッシュが特徴で、内部には銅製ヒートパイプが確認できる。オーバークロックは、コアクロック側のみ850MHzへ引き上げられている。

MSIの「N560GTX-Ti Twin Frozr II OC」(写真=左、およびZOTACの「ZOTAC GeForce GTX 560 TI OC 1GB DDR5」(写真=中央)。なお、発表直後にリリースされる製品だが、2つの製品で基板レイアウトが異なる(写真=右)。各社がオリジナル設計基板、オリジナルクーラー、そしてオーバークロックモデルを投入する見込みだ

「N560GTX-Ti Twin Frozr II OC」(写真=左)、および、「Zotac GeForce GTX 560 TI OC 1GB DDR5」(写真=右)のステータスをGPU-Zで確認する。MSIはリファレンスからコアが約60MHzアップ、グラフィックスメモリで約50MHz(200MHz相当)のアップ。ZOTACもコアで約30MHzのアップだ

SLIコネクタは1基(写真=左)。2-wayまでのSLIをサポートするが、これはGeForce GTX 460と同様だ。外部補助電源用コネクタは6ピン×2基で後方に配置される(写真=中央)。ディスプレイ出力はどちらもDVI×2、およびMini HDMI。これはGeForce GTX 560 Tiのリファレンスデザインと共通する(写真=右)

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