「VAIO F(3D)」徹底検証(前編)――さすがに“4倍速フルHDの3D映像”は格が違った2DのBlu-rayも地デジも3D変換(1/4 ページ)

» 2011年03月23日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

3D立体視対応のVAIOがついにリリース

VAIO Fの3D立体視対応モデル「VPCF219FJ/BI」

 ソニーからVAIOの2011年春モデル第2弾が登場し、ハイスペックな大画面ノートPC「VAIO F」シリーズには、新たに3D立体視対応モデルが追加された。形式上は追加モデルでも、Sandy Bridgeこと第2世代のCore i7を採用した基本スペック、液晶ディスプレイ、ボディデザインも含めて一新された完全なニューモデルだ。

 実は、3D立体視に対応するVAIOはこの新型VAIO Fが初となる。すでに3D立体視対応のPCは2010年半ばくらいから複数のメーカーがリリースしているだけに、先進技術を積極的に採用するイメージの強いVAIOノートとしては意外に感じるかもしれない。

 しかし、企画担当者が「それだけ、こだわってきたからこそ、今のタイミングになった」と話すように、この遅れは開発に力を入れてきたことによるもの。自社に液晶テレビの「BRAVIA」ブランドを擁するソニーならではの技術を惜しみなく投入し、画質にも使い勝手にも徹底的にこだわった、「3D愛」を感じる意欲作だ。

 それでは、店頭販売向け標準仕様モデル「VPCF219FJ/BI」の3D立体視をはじめとする機能や使い勝手、性能を検証していこう。

「ノイズレス」がテーマの個性的なボディデザイン

 ボディのデザインは、エッジをカットした光沢ブラックの板を2枚組み合わせたようなイメージ。「画面に集中してもらいたい」という意図から、余計なものを削ぎ落とした「ノイズレス」をテーマに掲げており、シンプルながら個性的な仕上がりだ。

 光沢仕上げの表面処理は美しいツヤがある一方、指紋が目立ちやすいため、好みが分かれるかもしれないが、プレミアムな存在感は確かに感じられる。

 ボディのサイズは、398.5(幅)×271.5(奥行き)×35〜45(高さ)ミリで、従来機の「VPCF149FJ/BI」(幅387.2×奥行き263×高さ31〜43.5ミリ)よりも若干大きいが、約3.2キロの重量と約2.5時間の公称バッテリー駆動時間は従来と同じだ。

液晶ディスプレイを閉じた状態は、2枚の板を重ねたようなイメージ(写真=左)。天面の奥行きが少し短く、前方に段差ができる。液晶ディスプレイを開いた際、ヒンジが正面から見えないヒンジレスデザインを採用する。天面は継ぎ目のないフラットな光沢ブラックだ(写真=中央)。底面に54ワットアワー(10.8ボルト 5000mAh)のリチウムイオンバッテリーを装備し、約2.5時間のバッテリー駆動が行える(写真=右)。大型のACアダプタが付属する

右側面にトレイ式のBlu-ray Discドライブを内蔵。テレビアンテナ入力は小型の端子で、付属の変換ケーブルを使って接続する。テレビ視聴に便利なリモコンも付属する

 本体の右側面にBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブ、左側面にHDMI出力(3D対応)を搭載しており、3D対応BRAVIAなどの3D立体視表示対応の液晶テレビにBlu-ray 3Dなどの3D立体視映像を出力して楽しむこともできる。

 そのほか、本体の左側面に2基のUSB 3.0、有線LAN(1000BASE-T)、アナログRGB出力、右側面にUSB 2.0、テレビアンテナ入力(ミニ形状、変換ケーブル付属)、音声入出力(ヘッドフォン出力は光デジタル音声出力兼用)、さらに前面にIEEE1394(S400/4ピン)、メモリースティックデュオ(メモリースティックPRO-HG/マジックゲート対応)/SDメモリーカード(SDXC/SDHC対応)共用スロットなどを装備している。

 通信機能としては有線LANのほか、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth 3.0+HSも備える。液晶ディスプレイのフレーム上部には、暗い場所でもノイズの少ない映像が撮影できる「Exmor CMOS」センサーを搭載したHD Webカメラ(有効画素数131万画素)も搭載している。ただし、従来機が備えていたExpressCardスロットは省かれている。

前面に4ピンのIEEE1394、メモリカードスロット、ワイヤレス通信のスイッチ、リモコン受光部を装備(写真=左)。バッテリーが配置してある背面に端子類はない(写真=右)

左側面にはACアダプタ用のDC入力、アナログRGB出力、HDMI出力、有線LAN、2基のUSB 3.0、排気口が設けられている(写真=左)。右側面にはヘッドフォン出力(光デジタル音声出力兼用)、マイク入力、USB 2.0、光学ドライブ、テレビアンテナ入力を備えている(写真=右)

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