前回のAMD編では、HDDの運用方法やパーツ選びの際のコツや重視する点などの基本的なアドバイスをもらった。しかし、特に用途も決まっていないのに「将来の拡張性をもったハイエンドPC」という方向性の定まらないテーマだったため、樋熊氏を困らせてしまったようだ。
せっかくPCを組むからには、用途をしっかりと決めるべきだと反省した今回は、入門者向け、新生活向けといったコンセプトは引き継ぎつつも、明確なテーマを決め、インテルプラットフォームの構成で樋熊氏にダメ出しをもらいにいった。
今回のテーマは「10万円で省電力なAVマシンを組みたい」だ。新生活がスタートするこの季節は、進学や異動による単身赴任で一人暮らしを始める人も多い。引っ越しとなると、PCのみならずテレビやBlu-ray DiscレコーダーといったAV機器も新たに買いそろえる必要がでてくるが、個別で買いそろえようとするとコスト、スペース両面で頭を悩ませることになる。
しかし、PCにAV機能を持たせればそういった悩みもなくなり、さらに各機能を1つに集約することで省電力にもつながる。深刻な電力不足から計画停電が実施されている昨今、“節電”を目指してより電力消費の少ないパーツで構成を考えた。まずは構成を以下の表にまとめたので見てもらいたい。
カテゴリ | 製品名 | メーカー | 単価 |
---|---|---|---|
CPU | Core i3 2100T | インテル | 1万1470円 |
マザーボード | B3 H67M | ASRock | 9980円 |
メモリ | W3U1333Q-2G | CFD販売 | 3870円 |
HDD(システム用) | 0S02600 | 日立GST | 3360円 |
HDD(データ用) | OSバンドル品 | - | - |
光学ドライブ | iHES108-29 | LITEON | 6980円 |
グラフィックスカード | - | - | - |
拡張カード | DT-H70/PCIEW7 | バッファロー | 8979円 |
PCケース | KUROKO | バリューウェーブ | 6470円 |
電源 | PRO87+500W | ENERMAX | 1万2653円 |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit DSP版+同社指定メーカー製2Tバイト SATA HDD | マイクロソフト | 19980円 |
液晶ディスプレイ | W2261VG-PF | LG電子 | 13799円 |
スピーカー | BSPKMA01BKA | バッファロー | 570円 |
キーボード/マウス | SCY-2IN1-BK /USB Pure Keyboard | サイズ | 1220円 |
予算は10万円。今回もイチから組むことを前提なので、ディスプレイやOSはもちろん、マウスやキーボードまで全体の構成に含め、組んだ状態でPCとしての機能は一通り使えるようにした。搭載するAV機能はTVの視聴およびHDへの録画、DVD/Blu-rayディスクの視聴となっている。
また、AV用途だけを考慮するならば、Atomなどさらに省電力なCPUでもいいが、PCとしての性能もほしいので、現在のメインストリームとなる第2世代Core iシリーズの最省電力版「Core i3 2100T」を導入している。TDPが35ワットと低く、2コアでありながら、Hyper-Threading機能を持つため4スレッドで作業が可能。さらにグラフィックス機能を内蔵するため、別途グラフィックスカードを用意する必要もなく、より省電力を目指せる。そのほか、電力変換効率を考えて、80PLUS GOLD認証の電源も構成に入れた。
この構成を見た樋熊氏は「今回は目的もはっきりとしているので、構成案はよくなっています。CPUやそのほかのパーツの組み合わせも間違っていません。ただ、AVマシンとするならば、通常のPCと違い、まだまだ変更する余地があります。本当はディスプレイやTVチューナーカードも変更したいですが、今回は予算が限られているのでケースやスピーカーなどを中心に見ていきましょう」とアドバイスを始めた。
いよいよ次ページからは、具体的なダメ出しを聞いていこう
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