3月末から4月初旬にかけてのPCパーツショップには、「スポット入荷」や「在庫一掃」といったPOPがいくつも掲げられる。年度が切り替わるこの時期は特価品が多く出回るのだ。ドスパラ パーツ館は「新品でも普通に3〜4割引されているモデルがたくさんあるので、それらに狙いを定めて各ショップを回っている人も多いみたいです。宝探し的な視点でいえば、かなり豊作なタイミングといえるでしょう」と話していた。
この時期に特価品が目立つのは、3月末に決算期を迎える企業が多いことが大きな理由となっている。PCパーツはメーカーと流通を担う代理店、店頭で販売する小売店など、いくつもの企業を経由する。そのうちのどこかの企業が決算期を控えると、事業年度単位の売り上げを引き上げたり、資産である在庫品を整理したりする目的で、普段よりも割安な価格で商品を流通に乗せることがあるわけだ。メーカーや代理店が“在庫一掃”する場合、ショップでは「スポット入荷」と表現されることが多い。
玄人志向のアクセサリーやロジテックのハブなどを特価で販売していたパソコンハウス東映は「普段の半額近くの値段で販売しているので、とくに大々的に告知しなくても好調に売れますね。『いつか欲しいけど、別にすぐにはいらない』みたいな優先順位の低いアイテムは、こういう時期に買うのがお得だと思います」と話していた。
そうした多数の特価品に混ざって、純粋に「在庫一掃」するために赤字覚悟で売られるアイテムも見られる。先週目立っていたのは、クレバリー1号店で見かけたスクウェア・エニックスのMMOPRG「ファイナルファンタジー XIV」だ。
半年前には1万円弱で売られていたコレクターズエディションに、3980円の値が付けられていた。同店は「もう完全に赤字ですよ。MMORPGはスタート時に不調でも徐々に盛り返す期待がありますが、FF14はまだそうした需要がなく・・・…。でも、3980円なら買ってもいいかなと思われる人はいらっしゃるかもしれません。これからの盛り上がりに期待して販売しています。特にコレクターズエディションは限定生産なので、この機会を逃したら入手できない、という可能性も考慮に値するかも」と語る。
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