各ショップのPCケースコーナーには、従来から主力のミドルタワーケースのほかに、AVラックに収納しやすいホームシアターPC(HTPC)ケースや、コンパクトでデザイン性に優れたMini-ITXケースなどが多く並んでおり、陳列の配分も数年前から徐々に広がっているらしい。
TSUKUMO eX.は「特にMini-ITXケースは普通にヒットします。AtomやION、Fusionなどの登場で小型マザーが高性能化し、用途によっては『この性能で十分』と判断する人が増えているのかなと思います」と分析する。
Socket AM3やLGA 1155対応のMini-ITXマザーも増えており、拡張性を割り切れば省エネマシンからある程度のハイスペックマシンまで構築できるなど選択肢も広い。そうしたニーズを背景に、先週は多数のMini-ITXマザーが登場している。
特に注目を集めたのは、Fusionモデルだ。Sapphireの「PURE WHITE FUSION E350」とMSIの「E350IA-E45」、Giadaの「MI-E350 JHS325-10」が一斉にデビューしており、それぞれ1万3000円弱と1万4000円弱、1万3000円弱で売られている。
クレバリー1号店は「オンボードGPUでちょっとしたゲームなら普通にプレイできますし、AV鑑賞なら問題ないレベルなので、IONの人気を食っていますね。SATA 3.0ポートも4基そろえているので、SSDとメモリ8Gバイトで数年前のミドルタワー構成も顔負けの快適な環境が得られます。リビング専用のサブマシンでなくても、これくらいの性能があれば十分という人は多いです」と語る。
ただし、モデル単位の注目度はそれほど高くないとの声もあった。パソコンショップ・アークは「ASUSTeKの『E35M1-M PRO』の人気がすごい。ファンレス使用のうえ、ほかのモデルと違い、PCIスロットが2基あるのが特徴です。このため、PT2などを挿してテレビサーバーを組む人がすごく多いようです」と語る。E35M1-M PROは1万5000円弱で出回っており、多くのショップが頻繁に再入荷していると話していた。
そのASUSTeKからは先週、Atom D525を搭載したファンレスモデル「AT5NM10T-I」も登場している。価格は1万円弱で、在庫は潤沢だ。DDR3 SO-DIMMスロットを2基備えており、拡張スロットはPCI Express x4のみとなる。
フェイス秋葉原本店は「こちらはライトユースの人やサーバを組みたい人から注目を集めています。仕様はスタンダードですが、ファンレス仕様なので、静音性を気にする人にオススメですね」と話していた。
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