仕事に使うモバイルノートPCの理想は何か。速く、薄く、軽く、かつ、どこでも仕事できる通信性能と長時間動作を実現することだろう。東芝「dynabook R731」は、そんな理想を実現できそうなスペックを特徴とするノートPCだ。
従来モデルdynabook RX3、dynabook R730より継承した薄型ボディと長時間動作の特徴をそのままに、コードネーム:Sandy Bridge世代の第2世代Core iシリーズを採用し、PCとしての性能をさらに向上させた。
今回は、中でも理想に近い128GバイトのSSDを搭載する最上位モデル「R731/39B」を検証する。搭載OSは64ビット版か32ビット版のWindows 7 Professional(初回起動時に選択可能)で、直販サイトのカスタマイズモデルなどでない店頭モデルとしては珍しい、ビジネスシーン向けのエディションを採用する。本体サイズは316(幅)×227(奥行き)×18.3(厚さ)ミリ、重量は1.29キロ(6セルバッテリー装着時)で、超薄型・超軽量のボディは健在だ。
ちなみに、これまでのモデルと同様に100キロfの面加圧や76センチの落下テスト(製品4面方向)、キーボード部分の防滴テストをクリアする高い“堅牢性”も兼ね備えている。HDDカバーやパームレスト部にマグネシウム合金のハニカムリブ構造を用い、あわせてマグネシウム合金を真空状態で鋳造した部材を採用。真空鋳造によりマグネシウム筐体でもより緻密な加工を可能とし、堅牢性の向上を実現した。表/裏面ともに突起類がなく、軽量かつ頑丈な金属素材の板といった印象を受け、スリムなビジネスバッグに入れるのも苦にならない。
主な搭載インタフェースはSDXC対応SDメモリーカードスロット、ExpressCardスロット(/54対応)、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0×2基(うち1基はeSATA兼用)、USB 3.0×1、1000BASE-T準拠の有線LANを装備。無線通信機能として、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとIEEE802.16e-2005準拠のWiMAX(Advanced-N+WiMAX 6250)をサポートする。WiMAXは電波状況のよい都市部であれば、実測値でも下り数十Mbpsは軽く記録する新世代のモバイルデータ通信手段だ。どこにいてもWebサイト閲覧やメールの送受信はもちろん、資料の作成、ネットワークストレージなどのクラウドサービスも利用して業務をこなすには、快適で高速なモバイルインターネット接続環境が必須。この点、WiMAXモジュールを標準で搭載するのは大変心強い。
端子の数や配置は前モデルdynabook R730と変わりはないが、USBポートの1つがUSB 3.0に変更となったのは高ポイントだ。昨今、重要な業務データはPCに保存せず、セキュアな環境にある外付けHDDや社内サーバ、クラウドストレージに保存することで情報漏えいのリスクを低減する対策をとる必要がある。コンシューマー用途のPCと比べるとやや容量が少ない128GバイトのSSDでの運用も、より高速にデータを転送できるUSB 3.0対応のHDDを社内で活用することにより、安全安心、かつ快適に業務をこなせると思われる。
ディスプレイは、1366×768ドット表示対応で省電力LEDバックライトを搭載する13.3型ワイドの液晶パネルを採用する。ちなみに、サイズや解像度は同じだが同シリーズの中で最上位のR731/39Bのみ、“より薄型軽量”の特別なパネルを実装する。
ディスプレイについては、他社に同等のディスプレイサイズながら1600×900ドット、あるいはフルHD(1920×1080ドット)など、より高解像度の表示に対応するモデルも存在するが、普段の業務、特にOfficeなど業務アプリケーションを利用するにあたって困ることはなく、表示文字サイズも適度に見やすくちょうどよい。ただ、昨今は企画書や報告書作成で高画質の写真や動画を配置して構成するといった業務シーンは増えており、Excelなどのアプリケーション利用時なども含めてもう少し解像度が広ければ、さらに業務の効率化につながると思う。今後、高解像度ディスプレイの選択肢も加えてほしいところだ。
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