「Eee Slate EP121」はWindows 7タブレットの本命かULV Core i5でサクサク動く(1/4 ページ)

» 2011年04月18日 15時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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基本スペックから付属品まで作り込まれたWindows 7タブレット

12型ワイド液晶搭載のタブレットPC「Eee Slate EP121」。価格は9万9800円

 ASUSTeK Computer(ASUS)が2011年3月19日に発売した「Eee Slate EP121」は、12型ワイド液晶ディスプレイ搭載のタブレットPCだ。

 タブレットと聞くと、最近ではiPadやAndroid搭載機を思い浮かべるかもしれないが、EP121は64ビット版のWindows 7 Home Premiumをプリインストールしている。

 キーボードを搭載しないピュアタブレット型(最近では“スレート”と呼ばれることも多い)のボディに、指でのマルチタッチとスタイラスペンでの入力に対応した広視野角な12型ワイド液晶、超低電圧版(ULV)のCore i5やSSDを搭載し、専用キャリングケース、Bluetoothキーボードまで標準添付するなど、Windows 7をタブレットPCで快適に使えるよう工夫を凝らした1台だ。

 それでは、性能や使い勝手を検証していこう。

A4サイズのスリムで洗練されたボディ

EP121(左)と初代iPad(右)を並べた。EP121のほうがサイズはかなり大きい

 1280×800ドット表示(アスペクト比16:10)の12型ワイド液晶ディスプレイ搭載したボディは、サイズが312(幅)×207(高さ)×16(厚さ)ミリ、重量が約1.1キロとなっている。実測での重量は1.165キロとほぼ公称値通りだった。A4サイズよりもわずかに大きい程度で、12型ワイド液晶を備えた薄型モバイルノートPCのフットプリントとだいたい同じだ。

 ちなみに、アップルの初代「iPad」は1024×768ドット表示(アスペクト比4:3)の9.7型液晶ディスプレイを搭載し、本体サイズが189.7(幅)×242.8(高さ)×13.4(厚さ)ミリ、重量が約680グラム(WiFiモデルの場合)で、これに比べるとEP121はふた回りほど大きい。

 ボディのデザインは、表面の液晶周囲をブラック、裏面をホワイトで塗り分け、側面をシルバーで縁取りしたシンプルな仕上がりだ。裏面にはカバーやネジ穴がなく、すっきりと美しくまとまっている。また、裏面に立体的なテクスチャが施されており、ベトつかないサラッとした手触りが心地よい。シャシーはきっちりとタイトに組まれており、剛性感が高い点も好印象だ。

 容量34ワットアワーのリチウムポリマーバッテリー(4セル)を内蔵し、公称値で3.5時間の駆動が可能だ。バッテリー駆動時間は昨今のタブレットデバイスとしては少々短い印象だが、このサイズにタッチパネル付き12型ワイド液晶や超低電圧版Core i5、Windows 7を搭載した構成なので仕方がないところだ。

 バッテリーの着脱は行えず、万が一、システムがハングアップしてしまったときのため、クリップなど先の細いもので押すタイプの強制シャットダウン用スイッチが本体側面に用意されている。

 なお、付属のACアダプタは実測でサイズが56(幅)×117(奥行き)×17(高さ)ミリ、重量が253グラムと、スリムで軽量な点は携帯を考えた場合にありがたい。ACアダプタには給電用のUSBポートも1基備えている。

背面はホワイトで統一され、側面をシルバーで縁取りしている(写真=左)。背面には細かな模様が刻まれており、サラッとした手触りだ(写真=中央)。ACアダプタはスリムで携帯性が高く、給電用のUSBポートも備える(写真=右)

タブレットPCとして必要十分な拡張性

 タブレットデバイスなので、どの状態を正面と見るかはあいまいなところだが、画面を正面に見て液晶上部のWebカメラ(200万画素)が上にくる横位置が基本的なスタイルといえる。この状態では画面の右側にボタン(ホームボタン)が位置し、これを押すことでフリップ3Dによるウィンドウの切り替え(Windows+Tab)が可能だ。ボタンを長押しすると、Ctrl+Alt+Delの動作となる。

 端子類は向かって左側面にまとめられている。左側面には、上からバッテリーのインジケータ、ACアダプタ接続用のDC入力、音量調整スイッチ、内蔵マイク、mini HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子、USB 2.0、強制シャットダウンスイッチ、USB 2.0、SDメモリーカードスロット(SDHC/SDXC/MMC対応)が並ぶ。2基のUSBポートにはカバーが付いており、デザインの美しさや防じんへの配慮が見られる。両側面の一番下には細長い穴があるが、ここにはステレオスピーカーを内蔵している。

 天面は向かって左側から、電源スイッチ、ソフトウェアキーボードスイッチ(表示/非表示)、画面回転ロックスイッチ(自動回転機能のロック/アンロック)があり、向かって右端にスタイラスペンを収納している。カバーを開くと、スタイラスペンの端が少し飛び出すようになっており、出し入れしやすい。

 一方、右側面や底面には何も用意されていないので、そちらのほうを持てば、ボタンなどを押すたびに手を離したり、持ち替える必要はない。

ホームボタンを押すと、フリップ3Dによるウィンドウの切り替えが行える(写真=左)。スタイラスペンは本体に収納されており、裏面端のカバーを開くとポップアップして取り出せる(写真=中央)。スタイラスペンは電池なしで使えるタイプで、ペイントソフトでは反対側を消しゴムツールとして使える(写真=右)

天面に電源スイッチ、ソフトウェアキーボードスイッチ、画面回転ロックスイッチ、スタイラスペン収納部を用意(写真=左)。底面にインタフェース類はない(写真=右)

左側面には、バッテリーのインジケータ、ACアダプタ接続用のDC入力、音量調整スイッチ、内蔵マイク、mini HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子、USB 2.0×2、強制シャットダウンスイッチ、SDメモリーカードスロット(SDHC/SDXC/MMC対応)が並ぶ(写真=左)。右側面に端子類はなく、スピーカーの穴があるだけだ(写真=右)

 通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 3.0に標準対応している。欲をいえばキリがないが、タブレットデバイスとしては充実した拡張端子を備えており、Windows 7を利用するうえでも必要十分なインタフェースを備えているといえる。

 ただ、細かいことだが、USBポートのカバーが固くて開けにくいこと、ACアダプタを接続するDC入力端子が細く、見た目に頼りない点が少し気になった。

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