一言でいうと「一番速い」──Internet Explorer 9日本語版を公開IE史上最速で普及中(1/2 ページ)

» 2011年04月25日 21時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

多国語版はすでに“IE史上最速”で普及している IE9日本語版、4月26日提供開始

photo 日本マイクロソフトの堂山昌司副社長

 日本マイクロソフトはWebブラウザの最新版「Internet Explorer 9 日本語版(IE9)」の一般ユーザー向けダウンロード提供を2011年4月26日0時に始める。新バージョンのリリースは2009年3月公開の前バージョン IE8より約2年ぶり。都内で記者向け説明会を開催し「より高速化、より効率的な、新世代のWeb体験を実現できるようになる」と、登壇した日本マイクロソフトの堂山昌司副社長が新バージョンリリースにあたる意気込みを述べた。

 IE9の製品キャッチコピーは「a more beautiful web」(より美しいWebを(解き放とう))。とくに「高速」「洗練」「信頼」「相互運用性」の強化を軸に、これまでのバージョンとは異なる新世代の活用シーンを見いだせるWebブラウザとして訴求する。

 「IE9日本語版のリリースは本来3月15日だったが、震災の影響を受けて重要な通信インフラであるインターネット回線の負荷を軽減する目的で延期していた。日本語版に先駆けてリリースした海外市場向けの他言語版(39言語)は、提供1カ月あまり(2011年3月末現在)でのWindows 7内におけるシェアはすでに3.6%まで伸び、“IE史上最速”で普及する動きを見せている。リリースが少し遅くなってしまったが、日本でも同じように急速な伸びを見せてくれると信じている」(日本マイクロソフト 堂山副社長)


photophotophoto IE9のUI。Windows 7に最適化され、コンテンツ表示領域を大幅に拡大したほか、タスクバーへのピン留め機能、タブの分離・結合やタブプロセスを分離(タブがクラッシュしても他のタブに影響を与えない)するなど、見栄えとともに操作性や使い勝手も向上させた。レンダリング速度を他社ブラウザと比較。左のIE9は同じものでも60fpsを記録している

 IE9はまず「高速」をうたう。マルチコアCPUの最適化・全描画処理にGPUを活用するなど、PCのハードウェアリソースを最大減に活用する設計とすることでパフォーマンスの大幅向上を果たした。IE8比で約18倍の高速化を果たしたという新設計のJavaScriptエンジン「Chakra」の採用や、Direct2DとDirectWriteなどDirectXのAPIを活用したGPUアクセラレーションにより、「(他社ブラウザと比べても)一番速い」(日本マイクロソフト コンシューマーWindows本部の溝口宗太郎シニアプロダクトマネージャー)パフォーマンスを発揮するという。

 今後主流になりつつあるHTML5の積極サポート──HTML5 Video/Audioのハードウェア再生支援やHTML5 Canvas、SVGの描画、CSS3の透過処理、Color Profile処理などもGPUアクセラレーションにより実現する。グラフィックスアクセラレーションはハードウェア/ソフトウェア処理を動的に切り替える仕様で、ユーザーは意識することなく利用できる。利用システムに応じてGPUタイプ/ディスプレイドライバ別に判断する仕組みを採用する。ハードウェアの有効活用により消費電力の効率も改善し、バッテリー動作時間も他社ブラウザ比で延長できる性能を備えるという。

 このほか、すでに1000以上のサイトがIE9の新機能──サイトのピン留め(お気に入りサイトをWindowsタスクバーに直接配置できる機能)やジャンプリスト(ログイン機能やリコメンド機能など、サイト独自のメニューを構成して表示するメニュー表示機能)などに対応し、より簡潔・効率化し、かつWindows 7のユーザーインタフェースに最適化した操作体系を用意する。Yahoo!Japanやニワンゴ(ニコニコ動画)など、それぞれのサイトをより利用しやすくするカスタマイズ版IE9の配布も各々行っていく。

photophotophoto IE9は「高速」「洗練」「信頼」「相互運用性」の4点を特徴とするが、新JavaScriptエンジンやGPU活用により、とくに「高速・快適」をうたう
photophotophoto 新JavaScriptエンジン「Chakra」を実装。このほか他社ブラウザと比較した低消費電力、ソーシャルエンジニアリング型マルウェアの高ブロック率を含む高い信頼性などもアピールする
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