ASUSTeK Computerの「G53Jw」は、同社のゲーム向け製品ブランド「R.O.G」(Republic of Gamers)シリーズから登場した15.6型ワイド液晶搭載ノートPCだ。個性的なボディデザインを採用したことに加えて、NVIDIA 3D Visionによる3D立体視でのゲームプレイをサポートしている。
最大の特徴となるボディデザインは、ステルス戦闘機にインスパイアされたという。全体を眺めると、ボディのエッジ部分や天面が複数の直線的な面で構成されており、なるほど、ステルス戦闘機といわれればうなずける(もちろん、戦闘機のようなステルス性があるわけではない)。最近のノートPCは緩やかな曲線を多用したデザインが多いので、G53Jwの見た目はインパクトが大きい。
液晶ディスプレイのヒンジが天面の途中に設けられ、その後部にある通風口が戦闘機の噴射口をイメージしたデザインになっているのも面白い。噴射口のような2つの穴にはそれぞれファンが内蔵されており、見た目にもハイパフォーマンスなパーツを内蔵していることを期待させる。
ボディ全体はブラックで統一され、天面とパームレストはラバーコーティングによるマットな質感だ。ボディ表面が光沢のノートPCに比べると、地味な印象は否めないが、指紋が付きにくく、汚れも目立ちにくい点がよい。筆者はボディ表面の指紋や汚れが気になるほうなので、G53Jwのマット仕上げには好感を持った。背面にもネジ穴は見当たらず、細部までデザインを作り込んでいる。
ボディサイズは391(幅)×297(奥行き)×20〜58(高さ)ミリで、15型クラスのノートPCとしては大型だ。昨今は大画面でも薄さにこだわったノートPCが少なくない中、この分厚いボディはよく目立つ。重量も約3.7キロと重く、持ち上げると大人の男性でもずっしりとくる。
付属のリチウムイオンバッテリーは8セルで、容量は75ワットアワー(14.6ボルト/5200mAh)、バッテリー駆動時間の公称値は約2.8時間となっている。ACアダプタは大きめで、実測のサイズは約66(幅)×153(奥行き)×35(高さ)ミリ、付属の電源ケーブル(メガネコネクタ)を含む重量は約620グラムだった。
プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。CPUはArrandaleコアのCore i5-460M(2.53GHz/最大2.8GHz/3次キャッシュ3Mバイト)で、世代的には最新のSandy Bridgeの1つ前(Nehalem)となるが、デュアルコアとHyper-Threadingによる4スレッドの同時処理、Turbo Boostによる最大2.8GHzまでの自動クロックアップなど、処理能力は高い。チップセットはIntel HM55 Expressだ。
ゲーミングノートPCとしては当然だが、グラフィックス機能にはCPU内蔵のグラフィックスコアではなく、描画性能で有利なディスクリートGPUを採用する。G53Jwが搭載するGPUは、DirectX 11対応のNVIDIA GeForce GTX 460M(グラフィックスメモリ1.5Gバイト)だ。NVIDIAのノートPC向けGPUには、GeForce GTX、GeForce GTS/GT、GeForceという大きな3つのカテゴリがあり、ハイエンドカテゴリのGeForce GTXに属する。
GeForce GTX 460Mの公式スペックを抜粋すると、CUDAプロセッサコア数は192、プロセッサクロックは1350MHz、メモリクロックは1250MHzだ。GPUプロセッシング技術のNVIDIA CUDAを使った高速な動画エンコード(対応ソフトウェアが必要)や、NVIDIA PureVideo HDによるビデオアクセラレーションに対応している。
メインメモリはPC3-10600(DDR3-1333)対応のSDRAMで、容量は4Gバイト(2Gバイト×2)だ。なお、2011年4月20日に公式スペックが修正され、「空きメモリスロット×2基」だったものが「空きメモリスロットなし」になった。実際に分解して確認してみたところ、メモリスロットのパターン自体は残っていたが、実際のメモリスロットは2基だった(2枚のメモリモジュールが装着済み)。
データストレージはSerial ATA対応の2.5インチHDDで、容量は640Gバイトだ。購入時の状態でパーティションが2つに分かれており、Cドライブは約150Gバイト、Dドライブは約425Gバイトだった。今回試用した評価機のHDDは、Western Digitalの5400rpmドライブ「WD6400BEVT-80A0RT0」が搭載されていた。
光学ドライブはBlu-ray Discドライブを内蔵しており、Blu-ray 3Dの再生や、BD-R/REメディアへのライティングが可能だ。評価機の光学ドライブはパナソニックの「BD-MLT UJ24AS」だった。
大型のボディも手伝って、インタフェース類は充実している。ざっと列挙すると、USB 3.0×1基、USB 2.0×3基、HDMI出力(3Dテレビに3D映像を出力できる「NVIDIA 3D TV Play」に対応)、アナログRGB出力、マイク入力、ヘッドフォン出力、SDXC対応SDメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO用のカードスロットだ。液晶ディスプレイの上部には、200万画素のWebカメラを内蔵している。
インタフェース類の配置だが、Blu-ray Discドライブと2基のUSB 2.0を左側面に、メモリカードスロットを前面に、そのほかの端子を右側面に並べている。マイク入力とヘッドフォン出力、USB 3.0の端子を使っていると、右側面にケーブルを多く接続することになるので、右手でマウスを操作する人(大半がそうだろう)にとっては、やや煩わしく感じるかもしれない。
通信機能は、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、ギガビットイーサネット(1000BASE-T)、Bluetooth 3.0+HSを網羅している。
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