インテル、“Oak Trail”と“その先”を訴求みなさん、おひさしぶり(1/2 ページ)

» 2011年04月27日 17時52分 公開
[長浜和也,ITmedia]

「順調に移行」というSandy Bridge世代のCPU

 2011年の1〜4月における活動を報告した、インテル代表取締役社長の吉田和正氏は、“Sandy Bridge”こと第2世代Core プロセッサー・ファミリーが、4月になってようやく順調に立ち上がったと述べるとともに、IDF 2011 北京では、“Oak Trail”世代のプラットフォームとそれに対応するAtom Z670や、新世代の高速データ転送技術“Thunderbolt”など、PC以外のアップデートも数多く発表するなど、インテルが進むべき新しい道も示せたと語った。

 “Sandy Bridge”世代のCPUについては、国内出荷のノートPCにおける普及が4月現在で24%に達していることを示し、市場からは、統合したグラフィックスコアの性能向上やメインストリームにいち早く展開できたことが評価されたと吉田氏は説明する。

 また、1月末に発覚したチップセットの問題では、改修した製品をいち早く投入することで影響を最小に抑えたとしたが、あわせて「このようのことが二度と起こさないように」(吉田氏)とインテルが今回の問題を重く受け止めていることも明らかにした。

 “Sandy Bridge”世代のCPUを採用したPCは、国内で50モデル以上が出荷されていて、これらも、ユーザーごとに適した利用形態に適したプロモーションを展開するという。プロモーションの展開では、新機能も重要になると述べる吉田氏は、Sandy Bridge世代のCPUとそれに対応するプラットフォームに実装された「インテル ワイヤレス・ディスプレイ」を紹介し、PCの画像を手軽に大画面で利用できることに加えて、最新のプラットフォームでは、コンテンツ権利保護が施されたコンテンツに対応(HDCP 1.2)しただけでなく、フルHDでの再生も可能になったことがデモを交えて示された。

チップセットの問題にすばやい対応でその影響を最小に抑えたというインテルは、“Sandy Bridge”世代のCPUがノートPCの24%で採用されるなど、移行も順調であると説明する(写真=左)。“Sandy Bridge”世代のCPUとその対応プラットフォームで実現した「権利保護コンテンツをフルHDで利用できる」インテル ワイヤレス・ディスプレイがデモで紹介された(写真=右)

小さいデバイスでもIAを使ってもらいたい

 吉田氏は、インテルが以前から提唱している「コンピュート・コンティアム」実現に向けて、デスクトップPCからタブレットデバイス、スマートフォン、家電向けの組み込みシステムまで、インテルアーキテクチャの対応が進むように、PCより小型のデバイスで採用を想定したAtomの新モデル「Atom Z670」と対応する“Oak Trail”世代のプラットフォームを取り上げた。吉田氏は、Atom Z670の特徴として、強化された動画再生能力と省電力性能をアピールし、Atom Z670を採用するタブレットデバイスが2011年中に35モデル登場する予定であることを明らかにした。

 また、Atomがたどってきたこれまでの進化過程と、この先の開発計画についても言及している。45ナノメートルプロセスルールを採用した第1世代のAtomでは、CPUだけでデスクトップPC向けモデルから消費電力が10分の1となり、第2世代のAtomではプラットフォームも含めた改善で50分の1という省電力を実現、2011年に発表すると予告された32ナノメートルプロセスルール導入の第3世代ではプロセスルールの微細化でリーク電流の抑制を図り、今後登場する第4世代では、22ナノメートルプロセスルールを導入して更なる省電力と集積度の向上による実装面積の削減を目指す。

 吉田氏は、インテルが、今後も求められるプロセスルールの微細化など最新の技術に対応した生産設備の投資を継続して行っていくとし、22ナノメートルプロセスルールに対応したD1XとFab12、Fab32を米国に設置したほか、アリゾナで、14ナノメートルプロセスルールに対応するFab42の建設を進めることを明らかにした。

Atomが進化する過程とこれからのロードマップ(写真=左)。インテルは、生産設備への投資を惜しまないインテルは、今後、14ナノメートルプロセスルール対応工場の建設も進める予定だ(写真=右)

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