“P67”“H67”入りましたっ──ASUS「P8Z68-V PRO」で“Z68”を試す!イマドキのイタモノ(1/4 ページ)

» 2011年05月11日 16時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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注目すべきは「全部入り」だけじゃない

 “Z68”という名前から、「Intel 6」シリーズのチップセットで、かつ、すでにある“P67”や“H67”の上位モデルになると予想されていた新しいチップセットが登場した。しかし、実際に何が異なるのかは詳しく明らかにされていない。今回、評価で用いたASUSのIntel Z68 Express搭載マザーボード「P8Z68-V PRO」でそのあたりを確認していこう。

ASUSの「P8Z68-V PRO」は、3基のPCI Express x16スロットを搭載し、うち2基は1基の16レーン、または2基の8レーンという構成で利用できる。Intel P67 Expressと同じくスプリットでのマルチGPU構成にも対応する

 P8Z68-V PROは、ATXフォームファクタに対応したマザーボードだ。“PRO”と付けられた名前から、ASUSのIntel Z68 Express搭載マザーボードとしては、ミドルレンジに位置するモデルとみられる。拡張スロットは、PCI Express x16スロットが3基、PCI Express x1スロットが2基、PCIスロットが2基という構成だ。PCI Express x16スロットは1番目が16レーン、または、2番目と併用してともに8レーン動作となる。これは、CPU側の制約だが、Intel H67 Express搭載マザーボートでは、このようなレーン分割ができないので、そういう意味ではIntel P67 Expressチップセットの仕様に近い。

 P8Z68-V PROでは、CrossFireX、および、SLIのマルチGPU技術に対応する。なお、3番目のPCI Express x16スロットは4レーン、または、1レーン動作に限られる。レーン数は指定できるものの、4レーン動作で利用するためには、2番目のPCI Express x1スロットとバックパネルのUSB 3.0、eSATA 3Gbpsを利用しないことが条件となる。バックパネルには、Intel H67 Express搭載マザーボードと同じように、映像出力用のインタフェースを備える。種類はDVI-D、アナログRGB、HDMIだ。

 Serial ATAは、Intel Z68 Expressチップセットが制御する分として6Gbps対応が2基と3Gbps対応が4基の計6基を用意する。さらに、Marvellのコントローラによって6Gbps対応が2基、JMicronのコントローラによってeSATAの1基を加えている。チップセットがサポートするSerial ATAだけを見ると、Intel P67 ExpressやIntel H67 Expressと変わらない。

バックパネルにはIntel H67 Express搭載マザーボードと同様に映像出力インタフェースを搭載する(写真=左)。Serial ATAはチップセット制御分として6Gbps対応が2基、3Gbps対応が4基とIntel P67 ExpresやIntel H67 Expressと同じだ。さらに、P8Z68-V PROではMarvellのコントローラで6Gbps対応の2基とJMicronのコントローラでeSATAも利用できる

“Z68”で可能になるオーバークロックとは?

 ASUSの資料によると、Intel Z68 Expressは、CPUのTurbo Boost Technologyによる倍率の変更とCPUに統合するグラフィックスコアのクロックアップに対応するとある。Intel P67 Expressでは、Turbo Boost Technologyの倍率のみ、Intel H67 Epxressでは統合されたグラフィックスコアのクロックアップのみだったため、Intel Z68 Expressでは両方のオーバークロック機能を持つことになる。

 グラフィックス機能では、「Lucid Virtu」をサポートする。“Lucid”とは、一部のハイエンドマザーボードで導入されていた、AMDとNVIDIAのGPUを混載可能にした“LucidLogix”のことだ。“Virtu”は統合されたグラフィックスコアと外付けのGPUを動的に切り替えることで両方利用できる機能、とASUSの資料では説明している。例えば、統合されたグラフィックスコアに導入されたIntel Quick Sync VideoやHDビデオの再生支援機能を利用しつつ、外付けのGPUの高い3D性能でゲームも楽しめる。

 ASUSの資料で、Virtuを利用する場合にディスプレイを接続する映像出力インタフェースは「用途に合わせて」マザーボード側とグラフィックスカード側を選ぶようになるとある。マザーボード側に接続する方法は「i-Mode」と呼ばれ、主に統合されたグラフィックスコアのQuick Sync VideoやClear Video Technologyを利用したい場合や省電力運用を望む場合に適している。一方、グラフィックスカード側に接続する方法は「d-Mode」と呼ばれ、3Dゲーム主体のユーザーに適している。

 なお、ASUSの資料には「Intel Smart Response Technology」(ISRT)と呼ばれる機能も導入されているとある。これは、1台のSerial ATA接続SSDと1台のHDDを組み合わせて、SSDをキャッシュとして利用することでHDDの転送速度の遅さを補い、SSDの容量の少なさをHDDが補う。2台のドライブを用いるがユーザーからは1台のドライブと認識される。

 ISRTに利用できるSSDの条件として、ASUSの資料にはリード200Mバイト/秒以上、ライト150Mバイト/秒以上とされている。これが、Intelが提示した条件なのかASUSの独自見解なのかは読み取れないが、このスペックに相当するSSDはかなりのハイエンドモデルになる。Serial ATA 6Gbps対応で128Gバイトクラス以上というところだろうか。なお、HDD側はRAID構成にも対応するが、SSD側は常に1台となる。

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