評価機のシステム構成は、Core i5-2520Mを搭載して、チップセットがIntel QM67 Express、メモリ容量が4Gバイトでデータストレージは128GバイトのSSDを内蔵する。グラフィックス機能はCPUに統合されたIntel HD Graphocs 3000だ。CPUとチップセット、グラフィックスコア、メモリ容量はすでに掲載しているThinkPad T420sとThinkPad X220それぞれのレビューで用いた評価機の構成に近い。ThinkPad T420sのベースユニット同じ厚さのボディに搭載されたThinkPad X1の性能をベンチマークテストで検証してみた。
ベンチマークテストの結果 | ThinkPad X1 | ThinkPad X220 | ThinkPad T420s | |
---|---|---|---|---|
PCMark Vantage Build 1.0.2.0 | PCMark | 11484 | 6533 | 6537 |
memories | 5671 | 4001 | 4043 | |
TV and Movies | 4402 | 4287 | 4100 | |
Gaming | 7089 | 4160 | 3880 | |
Music | 14073 | 5601 | 6267 | |
Communications | 13268 | 8631 | 8682 | |
Productivity | 15683 | 4448 | 4729 | |
HDD | 23607 | 3270 | 4055 | |
PCMark 05 Build 1.2.0 | CPU | 9267 | 9263 | 9208 |
Memory | 8492 | 10003 | 8483 | |
Graphics | 4386 | 4822 | 4255 | |
CrystalDiskMark3.0 | Read-Seq | 255 | 62.58 | 83.66 |
read-512K | 186.8 | 27.54 | 28.77 | |
Read-4K | 19.93 | 0.383 | 0.349 | |
Read-4KQD32 | 180.5 | 0.603 | 0.65 | |
Write-Seq | 107.9 | 61.6 | 83.27 | |
Write-512K | 106.5 | 27.86 | 34.87 | |
Write-4K | 35.5 | 0.716 | 0.779 | |
Write-4KQD32 | 93.76 | 0.723 | 0.79 | |
3DMark06 Build 1.0.2 | 3DMarks | 3722 | 1642 | 3729 |
CPU Score | 3541 | 3546 | 3531 | |
CINEBENCH R11.5 | Open GL | 8.48 | 10.59 | 8.66 |
CPU | 2.84 | 2.71 | 2.68 | |
データストレージにSSDを採用していることもあって、PCMark Vantage、PCMark05、そして、CrystalDiskMark3.0などが、突出した結果になっているが、それはそれとして、これがダイレクト価格21万8400円で購入できるThinkPad X1上位構成の実力といえるだろう。
元麻布春男氏のインタビューで、開発責任者であるレノボ・ジャパン 常務執行役員 研究・開発 ノートブック製品担当の横田 聡一氏は、新しいThinkPad Classicユーザーを開拓するために、ThinkPad X1には、「スタイリッシュ&プレミアム・デザイン」というコンセプトを与え、そのために、ThinkPad史上で最も薄いボディを実現したと語っている。
その薄いボディに高性能を発揮するTDP35ワットのCPUを搭載し、かつ、安定して動作するクーラーユニットを開発し、そして、バッテリーは交換できない完全内蔵タイプとした。キーボードは6列配列のアイソレーションタイプで、液晶ディスプレイは全面光沢となった。TrackPointのゴムカバー形状も、これまでにない「凹」形状を採用する。薄型ボディを実現するためには、まったく新しい方針を取り入れることもいとわなかった(実際、大和研究所の中では、ThinkPad X1の仕様について議論を重ねてきたという)。
スタイリッシュで高性能、というThinkPad X1の意図は、試作機を評価して得たデータや実際に操作して体感した内容などから、開発者の思う通りに実現されていると思える。あとは、この新しい“ThinkPad Classic”を、ユーザーがどのように評価するかだろう。新しくThinkPad Classicユーザーとなろうとするなら、スタイルと性能に不満を感じることはなく、ThinkPadが長い時間をかけて築いてきた「信頼と安心」を確かめることができるはずだ。
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