写真で確認する“ThinkPad X1の中身”分解して!もらった!

» 2011年05月20日 11時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

最薄と高性能を実現した新機軸をチェックする

 レノボ・ジャパンの「ThinkPad X1」は、16.5〜21.3ミリというThinkPadで最も薄いボディにTDP 35ワットの“Sandy Bridge”世代のCPUを搭載するのが、開発で最も大きな課題であった。そのために、第5世代の“フクロウ羽”と呼ぶ新しい形状のブレードを採用したクーラーファンや厚さを変化させるヒートパイプを導入したクーラーユニットを開発している。

 また、薄型軽量と堅牢性の両立も目指した新世代ThinkPadには、ThinkPad Rollcage、ゴリラガラスの採用、アイソレーションタイプのキーボードなど新機軸も導入された。

 ここでは、レノボ・ジャパンが用意した“分解サンプル”で、ThinkPad X1の内部をチェックしていく。

ThinkPad X1のベースユニットキーボード側の表(写真=左)と裏(写真=右)。薄いボディで強度を確保するため、パネルとフレーム、そして支えに使う“骨組み”をマグネシウム合金で一体化した「ThinkPad Rollcage」構造を採用する

システムボードを収容したベースユニットの下側。画面下がパームレストのある前寄りになる。16.5ミリというThinkPad史上最薄はここにリチウムポリマーバッテリーを搭載することで可能になった(写真=左)。システムボード右側の空間には、ストレージデバイスを搭載する(写真=右)

ThinkPad X1のクーラーユニットでは、システムボード左寄りにあるCPUにジャケットを設置し、そこからヒートパイプで誘導した熱をファンで排出する(写真=左)。ボディ後側は最も厚さがある部分だが、それでも21.3ミリとこちらもThinkPad Classicでは最も薄い。このボディに搭載できる薄いクーラーユニットを用意するため、ファンのブレード形状を開発した。これまでで最も薄いファンでありながら風量を従来と同程度維持することで、効率の高い冷却能力を実現し、TDP35ワットのCore i5-2520M(2.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.2GHz)の搭載が可能になったという。また、ほかの部材との干渉を避けるために、ヒートパイプの厚さを部分的に変えている。(写真=右)

ThinkPad X1に搭載されたインタフェースのほとんどは背面にある。eSATA(USB 2.0兼用)、Mini DisplayPort、HDMI、そして、USB 3.0が用意されるほか、現在はまだ登場していないが、ワイヤレスWANで利用するSIMカードスロットも背面に搭載する(写真=左)。右側面に向かって細く伸びる基板には2基のMini PCI Expressスロットと4-in-1メディアカードリーダ、無線接続オン/オフ切り替えスイッチを実装する。撮影した機材では、Mini PCI Expressスロットに無線LAN用のモジュールを差している。なお、左側面から右側面まで一体化した基板を渡しているのは、強度を確保するためにThinkPadの構造設計では必須の条件という(写真=右)

ThinkPad Classicでは初めてとなるアイソレーションタイプ(レノボ・ジャパンでは“アイランドタイプ”と呼ぶ)で6段配列を採用した。撮影機材はASCII配列なので参考程度になるが、レノボ・ジャパンの公式スペックで、製品版(JIS配列)のキーピッチは19.5ミリ、キーストロークが2ミリとなる(写真=左)。これまでのThinkPad Classicでは、液晶ディスプレイベゼルの上端に取り付けたLEDでキーボードを照らすようになっていたが、ThinkPad X1ではキーボード側が光るようになった(写真=右)

液晶ディスプレイのサイズは13.3型ワイドで解像度が1366×786ドットだ。ベゼルを含めて全面をゴリラガラスで覆った結果、強度を確保するとともに光沢仕様となった。ディスプレイの輝度は最高350ニットで、ThinkPad T420sの250ニットと比べて明るく鮮やかな表示が実現できるとレノボ・ジャパンでは説明している(写真=左)。バッテリーはリチウムポリマーを採用する。ボディに内蔵されたバッテリーはユーザーが取り出すことはできないようになっている。電動工具で使われる急速充電に適した特性を持ったバッテリーをベースに開発され、30分で80%の充電が可能だ。撮影した機材のバッテリーの容量は、14.8ボルト、2.63アンペアアワー(39ワットアワー)とされていた(写真=右)

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