「VAIO S(SA)」徹底検証――直販限定×高級志向の13.3型モバイルノート待望の高解像度化、外装もグレードアップ(6/6 ページ)

» 2011年06月09日 11時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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VAIO S(SA)の静音性と放熱性もチェック

 動作時の騒音については、アイドル〜低負荷時は静粛といえるが、動画エンコードや3Dゲームなどの高負荷時にはかなり大きな音がする。評価機では、いかにもファンのモーターが高速回転しているような比較的高いトーンの音がしたので、好みが分かれそうだ。

 SPEEDモードとSTAMINAモードの両方で動作音を比べてみたが、短時間でははっきりとした違いは感じられなかった。ただ、前者では低負荷時でもまれに少し動作音が上がるようなことがあったが、後者のほうはそういうことはなかった。逆に、3DゲームなどではむしろSPEEDモードのほうが動作音の上がりかたが緩やかな印象を受けた。

 発熱に関してはボディ底面の右(キーボード右半分の裏側)辺りが中心で、高負荷時にはかなり熱くなる。吸排気口も底面にあるのでヒザの上などで長時間利用するのはやめたほうがよいだろう。キーボードにも右側中心にそれなりの熱は伝わってくるが、一番多く手が触れるパームレストの温度は比較的抑えられている。普通に机の上で利用するぶんには、室温27度の室内でも不快な印象はなかった。

 前回のVAIO S(SB)のレビュー時は早期サンプルで評価したため、この辺りがチューニングしきれておらず、少々不安が残ったが、今回試したVAIO S(SA)の評価機ではバランスの取れたところに落とし込んでいると感じた。

騒音テストの結果(左)、発熱テストの結果(右)。発熱テストの値は、PCMark05と3DMark06を連続実行して終了した直後の計測値

よりハイクオリティを求める人のためのオールインワンモバイル

 以上、VAIO S(SA)を一通りチェックした。VAIO S(SB)からの変更点は多くないため、完全に新しい部分は少なく、また販売が終了したVAIO Zほどの突出した部分はないものの、じっくり触ってみると、新型VAIO Sが光学ドライブ内蔵モバイルノートPCとして、非常に高い完成度を誇る製品であると、改めて実感した。

 特にVAIO S(SA)は液晶ディスプレイの解像度が1600×900ドットに高まり、情報の一覧性が向上した点で、多くのユーザーに支持されるだろう。

 また、CPU性能、グラフィックス性能、ストレージ性能、液晶ディスプレイの表示品質、キーボードのタッチ感、いずれもハイレベルに整っており、それでいてバッテリー駆動時間も十分だ。WiMAXや無線WANを内蔵でき、USB 3.0ポートも標準装備する。スペック表から分かる部分もそうでない部分も含めて、いずれも高水準な仕上がりだ。これだけの要素をどれも妥協する必要なく兼ね備えている製品はなかなか見当たらない。

 ハイエンドのVAIO S(SA)、リーズナブルなVAIO S(SB)とラインアップが整理されて分かりやすくなった半面、カラーバリエーションもそれぞれ制限されているため、個人的には少し残念なところもあるが、ハイスペックを求めるユーザーほど高級感を好む傾向があるというのは理解できる。

 VAIOオーナーメードモデルでの販売価格は最小構成で12万9800円から、評価機の構成では24万5300円となる(いずれも2011年6月9日時点のキャンペーン適用価格)。ハイパフォーマンスな構成にすると、最近のノートPCとしてはかなり高価になるが、性能、機能、品質を考えれば決して高くはない。パワフルに長時間使えて、しかもデザインが洗練されたオールインワンモバイルノートPCを探しているならば、VAIO S(SA)は最適な選択肢になりうる。

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