まずはじめに、Mac OS X環境下でCINEBENCH R10とCINEBENCH 11.5、およびiTunesを使ったエンコード時間を実測した。
CINEBENCH R10の結果を見ると、Multiple CPUのスコアは、最下位モデルの比較で1.5倍以上、最上位モデルでも約1.3倍といずれも大きく向上したほか、新型の最下位モデル(13629)が旧最上位モデル(12710)を上回るという結果となった。
これはiTunesを使ったエンコードでも同様で、Appleロスレスファイル(再生時間10分)のAAC変換と、QuickTimeファイル(再生時間1分)の「iPod/iPhone用」変換でも、ともに新型が処理時間を短縮しているのが分かる。なお、CINEBENCH 11.5は新旧比較ができなかったが、OpenGLのスコアはMC309J/Aが36.12fps、MC814J/Aが37.33fpsという結果となった。
続いてWindows 7環境下でのベンチマーク結果を見ていこう。ここではPCMark05、PCMarkVantage、3DMark06、3DMarkVantageといった定番ベンチに加えて、いまだに現役のFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3と、FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkを試してみた。なお、今回使用したBootCampのバージョンは3.2(Build 2814)で新旧の環境が違うため、参考程度に見てほしい。
Mac OS X環境下でのベンチマークテストと同様に、PCMark05でも21.5型の最廉価モデルであるMC309J/Aが、旧最上位モデルと肩を並べる非常に良好なスコアを残した。また、PCMarkVantageでは新型の最上モデルがHDDスコアを落としていることもあり、MC309J/AとMC814J/Aで見てもほぼ横並びの結果となっている。
一方、グラフィックス系ベンチの3DMark06と3DMarkVantageでは、製品ラインアップでほぼ順当な結果になっているが、こちらでも新旧比較で見ると、最下位モデルで約1.4倍、最上位モデルで約1.6倍と、グラフィックス性能も大幅に引き上げられているのが分かる。ゲーム系ベンチでも、DirectX 8.1世代の古いゲームではあるFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では有意な差は見られなかったものの、最新のFINAL FANTASY XIV Official Benchmarkでは、MC814J/AがHighで3000、Lowで「快適」の指標となる5000を超えており、BootCamp環境でPCゲームを楽しみたいといったニーズにも現実的に対応できそうだ。
なお、システムに高い負荷をかけると、背面上部の排気スリット付近は、旧モデルと同じくかなり熱くなるものの、静音性にかんしては、深夜のオフィスでも排気ファンの音がほとんど聞こえないほど静かだった。
以上、Sandy Bridge世代に移行した新型iMacで簡単なベンチマークテストを実施してきたが、まさに飛躍的な性能アップという言葉がふさわしい結果となった。特に最下位モデルのMC309J/Aは、価格を旧モデルの11万8800円から10万8800円に引き下げたうえで、さらに旧最上位モデルに迫る性能を備えており、コストパフォーマンスの高さが光る。
通常、液晶一体型PCは、内部レイアウトや排熱設計の制限から、ノートPC向けプラットフォームを採用することが多いが、iMacはデスクトップ向けのCPUを採用しており、最上位のMC814J/Aに至ってはゲーム用途にもある程度対応できるグラフィックス性能を持つなど、メインマシンとして死角のない性能を備えているといっていい。
Mac OS Xではこの夏に「Lion」の登場がひかえており、Mac AppStore経由で手軽にアップグレードできる最新OSを楽しむために、一足先にMacを新調しておくというのもいいかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.