どんなデバイスでもシームレスに使うならMeeGo!製品はまだ出てこないけれど(1/2 ページ)

» 2011年07月15日 17時07分 公開
[長浜和也,ITmedia]

ソフトウェアあってこそのインテルのハードウェア

 インテルは、7月15日にソフトウェア開発者に向けた技術解説イベント「Intel Software Developer Day」を行った。基調講演では、米Intel ソフトウェア&サービス事業本部 コンシューマー・サービス・ディビジョン 兼 Intel AppUp デベロッパー・プログラム・ディレクターのスコット・アペランド氏が、ソフトウェア開発を支援するインテルの取り組みを紹介した。

 アペランド氏の講演に先立ち登場した、インテル取締役副社長の宗像義恵氏は、現代では、小型で軽量な薄型のデバイスがインターネットに接続することが前提となっているなど、インターネットにつながるスマートデバイス(インテルの定義では、インターネットを利用できるデバイスは“すべて”スマートデバイスと呼ぶ)が急増しているとし、2015年には15億台、2020年には30億台に達するというインテルの予測を示した。(記事掲載当初、宗像氏の役職に誤りがありました。おわびして訂正いたします)

 PCだけでなく、多様なデバイスがインターネットに接続するようになって、これまで予測していなかったような利用方法も登場しているという宗像氏は、その実例として、FacebookやTwitterといったSNSを取り上げた。このようなインターネット接続が前提の利用目的が増えるとともに、ネットワークのデータ通信量も年30%の割合で増加している。このような環境に対応した製品を投入することがインテルの役割という宗像氏は、“Sandy Bridge”こと第2世代のCoreプロセッサー・ファミリーとAtom SoCなどを登場させたが、それとともに、それぞれのプラットフォームに向けたソフトウェアやサービスが重要で、そこに開発者のビジネスチャンスがあると、Intel Software Developer Dayの参加者に訴えた。

どんどん増えるインターネット接続デバイス(写真=左)にオンラインを流れるデータ量(写真=右)。こういう時代にあったハードウェアを提供するだけでなく、ユーザーが求めるソフトウェアの開発支援もインテルの重要な役割だ

ユーザーが求めるのは複数のデバイスをシームレスに使えるソフトウェア環境

 アペランド氏も、まず、急激に増加するインターネット利用を取り上げ、2016年の予想としてユーザー数は現在の2倍となる約30億人、インターネットに接続するデバイスの数は4倍弱の150億台、オンラインコンテンツも、ネットワーク配信動画が8倍、オンラインストレージに保存されるコンテンツの容量が16倍に拡大し、それらを利用するためにデバイスは20倍の処理能力が求められるようになるという。ここに、ソフトウェア開発者のチャンスとチャレンジがあると、アペランド氏も訴える。

 インテルは、「この先10年で、世界中のあらゆる人のつながりを促進して、豊かな生活を実現する」というビジョンの実現に取り組んでいるが、そのために、多くの種類のデバイスがインターネットに接続して、複数のデバイスを利用するユーザーがどのようなニーズを持っているのかを、ユーザーの利用方法と行動を観察することで探ってきた。その結果、多くのユーザーは、扱うデータを異なるデバイスでもシームレスに簡単に使えることを望むほか、複数のデバイスを使っても同じように使えるマンマシンインタフェースとソフトウェア環境を求めていることが分かったという。

 インテルは、ここで述べた「複数のデバイスでシームレスにデータを扱えて同じような操作で使える」ことを実現する「コンティニュアム・コンピューティング」を以前から提唱しているが、アペランド氏は、それには、ソフトウェアが重要で、そのためにインテルはソフトウェア開発を支援する仕組みを用意することが必要だと述べた。

アペランド氏もユーザーとインターネットに接続するデバイス、流れるデータ量の急激な増大をまず訴求する(写真=左)。複数のデバイスを使う現代のユーザーは異なるプラットフォームでも同じデータを同じように使えることを望む。それが、従来からインテルが提唱する「コンティニュアム・コンピューティング」の目指す世界だ(写真=右)

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