“Sandy Bridge”な「MacBook Air」を新旧比較(後編)Windows機としての実力は?(2/2 ページ)

» 2011年07月27日 16時20分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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SSDはライト速度が速い傾向、バッテリーは必要十分

CrystalDiskMark 3.0.1の結果

 次にSSDの性能を確かめるべく、CrystalDiskMarkを使って転送速度を測定した。結果は、デュアルSSD(RAID 0構成)を採用するVAIO Zがシーケンシャルリードで飛び抜けている。今回比較したVAIO Zは店頭モデルだが、Serial ATA 6Gbps対応の第3世代デュアルSSDを搭載するVAIOオーナーメードモデル(VPCZ21AJ)であればさらに差がついたはずだ。ただ、ライト速度ではMacBook Airが逆転してVAIO Zを上回っており、用途によって得手不得手のあるSSDの特性が見て取れる。なお、評価機に搭載されていたのはいずれもサムスン製(64Gバイトが「APPLE SSD SM064C」、128Gバイトが「APPLE SSD SM128C」)だった。

 最後にバッテリー動作時間を計測した。Mac OS環境下では、画面輝度を最大にし、キーボードバックライトはオフ、1分の動画をフルスクリーンで連続再生してバッテリーが切れるまでの時間を手動で計測するという内容、Windows 7環境下では「BBench 1.01」(海人氏作)を利用して、画面輝度を最大、10秒おきにキーボードを押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回を行う設定でテストしている。

 上記の条件は、通常のモバイルPC利用シーンからすればやや厳しめだが、結果を見ると、11インチモデルはMac OS環境で3時間12分、Windows 7環境で3時間19分、13インチモデルはそれぞれ5時間19分と4時間11分となった。公称値には及ばないものの、電源管理設定や画面輝度を調節することにより、バッテリー動作時間をさらに延ばすこともでき、通常の用途で困ることは少ないと思われる。ただ、システムに負荷がかかると冷却ファンが高速で回転をはじめ、バッテリーの消耗が急激に進むことがあるので、気温の高いこの時期は出先で動画エンコードなどを行うのは避けたほうがいいかもしれない。

画面輝度を最大に設定し、動画を連続再生した際のバッテリー動作時間(画面=左)と、Windows環境下でBBench 1.01を用いて計測したバッテリー動作時間(画面=右)


 以上、新旧モデルの比較やWindows機としての性能、バッテリー動作時間の実測値などを見てきた。前回のアップデートで待望の11インチモデルが登場したため、これに飛びついた人も多いと思われるが、ハードウェアとソフトウェアの両面で最新世代に生まれ変わった今回のMacBook Airは、さらに魅力的な製品に仕上がっている。性能は2倍以上、それでいて価格は8万4800円からと、コストパフォーマンスもずば抜けて高い。

 より広い解像度とSDメモリーカードスロットが欲しいなら13インチモデルを選ぶのもいいし、Windows 7とのデュアルブートで利用したいならSSDの容量を256Gバイトに増量するのもいいだろう。もちろん、8万4800円で購入できる最安モデルは“初めてのMac”としても最適だ。光学ドライブを持たないMacBook Airは、オールインワンのMacBookに代わるエントリー機としては不適切だと思う人がいるかもしれない。しかし、アップルはすでにコンテンツだけでなく、アプリケーションまでオンラインで配信する仕組みを構築している。光学ドライブがないことで困ることはもはやほとんどないはずだ。

 もしiPhoneやiPadを日常的に使っているのにMacを触ったことがないなら、OS X Lionが登場したこの機会に、アップル製品の中でもひときわアップルらしいデザインを持つ、この美しいMacBook Airを初めてのMacにしてみてはいかがだろうか。

「MacBook Air」をApple Storeで購入する
8万4800円から購入可能になったスリムノート。

「Mac mini」をApple Storeで購入する
Lion搭載。価格は5万2800円〜。


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