いかがですか父上、あなたの息子が組み立てた自作ノートPCです親子パソコン組み立て教室(1/2 ページ)

» 2011年08月02日 00時00分 公開
[後藤治,ITmedia]

「親子パソコン組み立て教室」に全国から小学生が集う

イベントに参加した20人の小学生。2010年の好評を受けて全国から参加者を募集し、規模も2倍になった

 マウスコンピューターは7月30日、長野県飯山市の同社工場内で「2011年度親子パソコン組み立て教室」を開催した。飯山市で行われる同社主催のPC自作イベントは今回で2回目。昨年の第1回は市内の小学校から応募を募ったが、「県外でも参加したい」という大きな反響が寄せられ、第2回では飯山市招待枠とは別に小学6年生を対象として広く参加を受け付けた。実に北海道から沖縄まで全国に渡って多数の応募が集まったという。競争率の高い抽選で選ばれた20組の親子の中には、夏休みを利用して徳島や三重など、遠方から参加した人もいる。

 冒頭に登壇したマウスコンピューターの小松社長は、パソコン教室を通じて学んでほしいこととして「まずはPCを好きになってほしい。(自分でPCを)組み立てたり工場を見学してパソコン博士になってほしい。(PCは)部品が1つ欠けてもだめなんだということを知ってほしい」と子どもたちに語り、「夏休みのいい思い出にしてください」と結んだ。また、今回は飯山市の足立市長も来賓として登壇し、「飯山はご覧の通り自然が豊かなところで、県外からいらっしゃった人は最先端のPC工場があるとは思わなかったかもしれません。パソコンの組み立てと一緒に、是非飯山の自然も楽しんでください」とアピールした。

「パソコン博士になってください」と語りかける小松社長(写真=左)。市長の足立氏は大のPCマニアで、5台のPCを所有しているという。メインマシンとしてマウスコンピューターの最上モデル「G-Tune」を使っている(写真=右)

ノート型ベアボーンを組み立てる

ここに並んだ大量のパーツがすべてPCとして組み上がってくる……

 今回組み立てるのは「LuvBook T」シリーズのノート型ベアボーンだ。手順は、ノートPC底面のカバーを開けて、CPUをはじめ各種パーツを組み込み、カバーを閉じるまでの全7工程の道のり。この間にネジを締めたり、グリスを塗ったり、ケーブルを接続したりと、さらに細かい作業が発生する。

 普段、小学校の授業でPCに触れている子どもたちも、ノートPCの中に入っているパーツを見るのは初めての経験だろう。PC自作ユーザーであればそれほど難しい作業ではないものの、ドライバーを持ったこともない子どももいる中、無事に組み立てることができるのだろうか?

 昨年に引き続き“校長先生”となったのは、飯山工場の橋立氏だ。組み立て前の準備として、各パーツの持つ機能の説明や、ネジの締め方、グリスの塗り方などが丁寧にレクチャーされていく。最初は緊張した面持ちで説明を聞いていた子どもたちも、「CPUは脳、メモリは机、HDDは本だなに――」という(退屈な?)説明が続くうちに、「そんなことより早く組み立てさせろ」という表情でパーツを指でつついたりしていたのがほほえましい。その後、まずは肩慣らしとして、別途用意されたグラフィックスカードのネジを外したり締めたりする予行練習が行われた。

昨年に続いて橋立氏が校長を務める

 練習が終わるといよいよ組み立て作業だ。まずはベアボーンの底面カバーを外すのだが、これがかなりガッチリとはまっており、子どもの力ではなかなか外しにくい。基本的に保護者は“手出し無用”のため、心配そうな顔で眺めることしかできないが、2組の親子につき1人の女性スタッフ(先生)がサポートにつき、要所要所で手助けをしてくれる。先生にカバーを外してもらった子どもの中には、もう1度カバーをはめ直し、あらためて自分で外すという生徒もいて「最後まで自分で作る」という意気込みが感じられた。

 次に、校長先生が「ここが勝負どころ」と語るCPUの装着だ。いきなり勝負どころをむかえて子どもたちはやや困惑気味だが、「端子に触れないように!」「そっと!」「落とさないで!」と大げさに張り上げられた声を受けて、子どもたちの顔に緊張が走る。CPUをつまむ手がふるえている子どもや、その様子を息を止めて見守る保護者もいて、思わずこちらも緊張してしまうほど。作業を終えた親子は、ほっとため息をつき、笑顔で顔を見合わせていた。

軍手と静電気防止ようのリストバンドを装着して作業開始。まずはドライバーの練習でグラフィックスカードのネジを外してみる。中にはドライバーを持つのが初めての児童もいる

「ここが勝負どころ」というCPUの組み込み。「こ、これがCPUか……」、慎重にソケットへ装着する児童。思わず立ち上がって見守る保護者

 この難関を乗り越えたら、CPUとGPUにグリスを塗ってファンを取り付け、メモリ、HDD、光学ドライブと順に組み込んでいけばいい。CPUファンのコネクタの向きやメモリスロットの切り欠き、太さの違うネジなどで試行錯誤する場面も見られたが、すぐそばで先生がサポートしてくれたこともあり、どの子どももほとんどの作業をスムーズにこなしていった(実際、どの作業が1番難しかった? という問いに最も多かった答えが「底面のカバーを外すところ」だった)。

CPUファン、メモリ、HDDと組み込んでいく

作業を見守る保護者たち。子どもより目が真剣だったりする

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