両手で勝てないなら足だって使う――「USB接続 フットスイッチ」で仕事は早くなるかなんだか“ちっこい”ヤツを試してみよう(1/2 ページ)

» 2011年08月05日 17時25分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

仕事の効率が上がるアイテムを探す日々

 オジサンだらけの編集部に配属されて3カ月が経ったが、まだ自分の仕事の遅さにあがいている。自分としては周りが早すぎると思っていたが、どうもそうではないらしい。「とりあえず3年がんばれ」と言われたものの、もっと楽に仕事が早くなる方法はないかと日々探している。

 そこで見つけたのが、上海問屋の「USB接続 フットスイッチ」だ。3ペダル型の「DN-PCACC3UFSWITCH」(1999円)と1ペダル型の「DN-PCACC1UFSWITCH」(999円)がある。キー操作を足下のペダルに割り当てられる機能を備え、普段は使わない足も活用するので、きっと仕事の効率が上がるはずだ。

 USB接続 フットスイッチは、マウスのクリック操作やキーボードのキー操作を割り当てられる。DN-PCACC3UFSWITCHはカーブのついた樹脂製のボディに、3つのペダルが並び、シングルペダルタイプ2つ分の価格で購入できる。

photophotophoto USB接続 フットスイッチはペダルスイッチが3つの「DN-PCACC3UFSWITCH」(写真=左)と1つの「DN-PCACC1UFSWITCH」(写真=中央)の2種類を用意する。また、キー割り当てのためのソフトウェアCD-ROMが付属する(写真=右)

 箱から商品を取り出すと、想像していたよりもサイズが小さく、軽いことにびっくりした。シングルタイプの大きさは62(幅)×100(奥行き)×37(高さ)ミリと、設置面積はほぼ名刺サイズだ。重量は実測100グラムで、カタログ値の96グラムより少し重かったが、それでも軽量だ。トリプルタイプでも、幅375ミリで、机の下に置いてもさほど邪魔になることはなさそうだ。ケーブル長は約170センチあり、机上のPCと接続するのに十分な長さとなっている。

photophoto シングルタイプは足よりも一回り小さいサイズで、ほぼ名刺サイズ(写真=左)。トリプルタイプの幅はリラックスして座ったときに、両足が開く幅と同じくらいだ(写真=右)

 キーの割り当ては専用のソフトウェアで行う。割り当てられる操作はキーボードとマウスの左右クリック、そしてキー文字列の入力だ。1つのペダルに何かのキーを割り当てる以外に、Alt、Ctrl、Shift、Windowsキーは同時押しでの登録が可能、Ctrl+Alt+Deleteのショートカットなども割り当てられる。キー文字列は、38文字まで登録できるが、スペースキーが使えないので、英語の文章を作ることはできない。記号キーは使用可能で、Webアドレスや顔文字程度は登録できる。

photophoto キー割り当ての専用ソフトウェア「Hid FootSwitch V4.0」(写真=左)。半角記号も登録できるので、半角文字列による顔文字などを割り当てるのもよさそうだ(写真=右)
photophoto ただ、日本語のかなや漢字は登録できない。日本語入力をオンにして登録してみたが、残念ながら文字化けしてしまった

仕事の効率は本当に上がるのか

photo デスクの下に置いても邪魔にならない大きさだ

 では、さっそく業務に使ってみよう。机の下に置いてみたが、トリプルタイプでも邪魔になる大きさではない。逆にシングルタイプは小さく軽いため、誤って蹴飛ばすこともあった。安定感はトリプルタイプの方がよく、足が当たってもあまり動かない。据え置いて使うならこちらが良好だ。一方のシングルタイプは携帯性がよいので、オフィスがフリーアドレスであるとか、ノマドワークで使うなら有利だろう。

 ペダルを踏んでも、あまり大きな音はしない。普通に使う分には周りの人に迷惑になることはないだろう。これなら周りのオジサンたちに気付かれずにこっそり使える。

 設置の次に考えるのは、どの操作を割り当てればいいか、仕事の効率が上がる操作の割り当てはあるのか、ということだ。色々なキーを試してみたが、以下の2つに注意すべきだということが分かった。

  • 難しい操作を割り当てること
  • 無意識で行う動作を割り当てる

 例えばCtrl+c(コピー)やCtrl+v(ペースト)などはよく使う操作だが、慣れているなら足を使う方が逆に遅くなってしまう。それより、キーの場所が離れていて押しづらい2キーの組み合わせ、または3キー以上の組み合わせがよい。キー割り当てソフトの都合上、3キー以上の操作はAlt、Ctrl、Shift、Windowsキーが絡む操作に限定されるが、3キー以上の同時押しはこれらのキーが絡む操作がほとんどなので問題はないだろう。

 また、押しやすいキー配置だったとしても、無意識で行うような操作には向く。例えば文書作成において、Ctrl+s(上書き保存)を割り当てると快適だった。頻繁に使う操作であるし、押す際に考えることが少ないので、足で代用しやすい。Webぺージの「進む」「戻る」機能も同じようなことが言える。

 以上をふまえた上で、割り当てて便利だと思った汎用的なキー操作の例を挙げる。特にブラウザにおけるショートカットキーは種類が豊富で便利なものが多い。

動作 キー割り当て 備考
上書き保存 Ctrl+s  
選択したアプリケーションの画面をキャプチャ Alt+PrtScr  
ウィンドウ最小化 Windows+下矢印 Windows 7のみ
前のページに移動 Alt+左矢印 Internet Explorer 4/Firefox 4以降で確認
次のページに移動 Alt+右矢印 Internet Explorer 4/Firefox 4以降で確認
新しいタブを開く Ctrl+t Internet Explorer 7/Firefox 4以降で確認
タブを閉じる Ctrl+w Internet Explorer 7/Firefox 4以降で確認
タブの切り替え Ctrl+Page Up/Page Down Firefox 4以降で確認
再変換 Ctrl+Backspace Wordの場合
左に1単語消す Ctrl+Backspace Wordの場合
右に1単語消す Ctrl+Delete Wordの場合

※ブラウザのショートカットキーは初期設定のもの。ブラウザ側でショートカットキーの割り当ては変更できる。

 また、アプリケーション特有のショートカットキーを割り当てるのもいい。仕事の内容によって使うアプリケーションはさまざまだが、使うアプリケーションごとに3つのキーを決めておき、その都度割り当てを設定するといいだろう。割り当てるキーさえ決めておけば、設定にかかる時間は30秒ほどで済む。

 例えば画像編集ソフト「Photoshop Elements 9」で、かなり重宝している。よく使うのは自動レベル補正と自動コントラスト機能だが、こちらのキーショートカットはそれぞれ「Shift+Ctrl+l」と「Alt+Shift+Ctrl+l」だ。

 オジサンにはじめてこの操作を聞き、「これはキーショートカットで操作しなければダメだ、いちいちメニューからマウス選択してると時間かかるだろう」と言われて驚いた。慣れれば無意識にできるようになるらしいが、筆者はとてもこのキー操作を覚えようとは思えなかった。

 でも大丈夫。これからは画像編集は左足と右足のスイッチを踏めばよいのだ。なるほど1枚あたり10秒程度かかる画像編集が半分以下の時間で終わるようになった。

photophoto WindowsやMicrosoft OfficeなどのショートカットキーはマイクロソフトのWebサイトに載っている。調べてみると新たな発見があるかもしれない(写真=左)。「Adobe Photoshop Elements 9」の画面。ショートカットキーは複雑なものばかり(写真=右)
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