第1回 持ちやすくて基本性能の優れたタブレットは?――Android 3.x搭載機とiPad 2を比較最新タブレット徹底比較(2011年春&夏モデル編)(1/3 ページ)

» 2011年08月16日 09時00分 公開
[小林誠,ITmedia]

 2011年に入り、タブレット向けのOS「Android 3.x」搭載端末や「iPad 2」の登場で、タブレットの選択肢が増えてきた。とはいえ、タブレットにはケータイやスマートフォンのように頻繁に機種変更するというイメージはあまりない。「長く使うから安易には端末を買えない」とためらっている人も多いだろう。今夏、安心してタブレットデビューしたいという人のために、今注目されているタブレット5台を比較していく。

コストパフォーマンスに優れたモデルは?

 今回取り上げるのは、以下の5台。

 基本スペックは下記の表を参照してほしい。まずは価格について。本体価格だけを考えると、エイサーのICONIA TABが安い。iPad 2もWi-Fi版の16GBなら4万4800円。東芝のREGZA Tabletも5万円以内で購入可能だ。タブレットをNetbook代わりに使いたいと考えているのなら、このあたりが限度ではないだろうか。一方、3Gの通信に対応するOptimus PadとiPad 2(Wi-Fi+3G版)は、2年間の利用を前提とした端末代の割引サービスを適用できる。これを加味すると、実質負担額はOptimus Padが3万円以下に、iPad 2が0円となる。ただ、当然ながら毎月の通信料は発生する。

 また、タブレット端末はモバイルWi-Fiルーターと一緒に購入すると割引される場合もある。XOOMはauのモバイルWi-Fiルーターとセット売りされていることもあり、XOOMの価格は1万円以下になっている。ただしこの場合もルーター側で毎月の通信料が発生する。

基本スペック
Optimus Pad L-06C MOTOROLA XOOM Wi-Fi TB11M ICONIA TAB A500 REGZA Tablet AT300 iPad 2(3Gモデル/16Gバイト)
価格 一括:7万9800円、実質負担額:2万9400円 6万5100円 3万9800円 4万9800円 一括:5万6640円、実質負担額:0円
サイズ(幅×高さ×厚さ) 150×243×12.8ミリ 約167×249×12.9ミリ 約177×260×13.3ミリ 約177×273×15.8ミリ 約185.7×241.2×8.8ミリ
重さ 約620グラム 約700グラム 約765グラム 約765グラム 約613グラム
画面サイズ 8.9インチ 10.1インチ 10.1インチ 10.1インチ 9.7インチ
画面解像度 1280×768ピクセル 1280×800ピクセル 1280×800ピクセル 1280×800ピクセル 1024×768ピクセル
※価格は7月下旬時点、都内量販店での編集部調べ。iPad 2の価格はソフトバンクモバイルのWebサイトを参照。

スペックだけでは分からない「持った感じ」

 次に気になるのがサイズだろう。各社のスペック表から幅×高さ×厚さを掲載した。ただし各社で表現が違うので、上記の表では縦向きにした場合の数値に統一した。またカメラやロゴの位置などから幅が短いREGZA TabletとiPad 2は縦持ち、他の3台は横持ちが基本スタイルといえる。

photophoto 5台を並べたところ。Optimus Pad<XOOM<iPad 2<ICONIA TAB<REGZA Tabletという順に大きい印象。ただし厚さがあるREGZA Tabletは真上から見るより少し大ぶりな感じ。Optimus Padは他の製品より一回り小さい印象を受ける

 表の通り、大きくて重いのがICONIA TABとREGZA Tabletだ。しかし実際に持ってみると、見た目よりも軽く感じる。むしろ数値的にも見た目にも明らかに小さいOptimus Padの方が、持ったときに意外と重い。本体全体の重心や素材の密度が関係しているかもしれない。とはいえ、カバンに入れる場合は小さくて薄い機種が当然有利だ。Optimus PadとiPad 2は快適に持ち運べる。特にiPad 2は書類のファイルをサッと入れるような感覚だ。REGZA Tabletは大きい上に厚いので、カバンに入れるのは少し大変だが、1キログラム程度のNetbookよりは断然軽い。重さと画面サイズが同じICONIA TABはREGZA Tabletより2.5ミリ薄く、これは数値以上に薄く感じた。ICONIAの方がカバンに入れやすい。

 持ち運ぶときの握りやすさや、背面の質感も気になるところ。Optimus Padはマットな質感で、前述の通り重く感じるものの、端末を持ちながら文字入力をするときに、指が離れすぎないのがよい。XOOMはサラサラとした金属調、ICONIA TABも同様だが、こちらはヘアラインが入っている。iPad 2も質感は似た感じだが、非常に軽い。また縦画面が基本スタイルと考えれば、端末を持ちながら両手で入力する際のバランスがとてもよい。REGZA Tabletにはギザギザの切れ込みが入っている。ちょっと安っぽく感じたが、滑り止め効果があり、持ったときの安心感につながる。他の端末はどちらかというと、持っているときに「落としたらどうしよう」という不安感を抱くのだが、REGZA Tabletは気軽に持てる印象だ。

photophoto Optimus Padのマットな裏面(写真=左)。XOOMはサラサラ。どの端末も指紋は目立たない(写真=右)
photophotophoto ICONIA TABはヘアラインでサラサラ(写真=左)。iPad 2の背面はXOOMと似ているが、より粒子が細かくサラサラとした質感だ(写真=中)。明らかに違うREGZA Tabletのギザギザ。しかしこれが「持っている感じ」を伝えてくれる(写真=右)

 画面サイズに関しては、スマートフォンを普段見慣れている筆者にとってはどれも大きく、ピンチ操作もスムーズだ。ただ、別の回で詳しく述べるが、Androidはタブレットに対応していないアプリが結構あるのが気になる。iPad 2の場合はご存知の通り、iPhoneのアプリも2倍表示で使えるので、アプリが使えるかどうかを心配しなくていいのは大きなメリットだ。

photophoto iPadでiPhoneアプリを表示すると、このように2倍に拡大できる
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