米Intelでソフトウェア事業を率いる、同社上級副社長 兼 システムソフトウェア & インテグレーテッドソフトウェアプラットフォームディビジョン ジェネラルマネージャーのダグ・フィッシャー氏は、講演の冒頭で聴衆に3つの質問を投げかけた。
1. 世界でいちばん急成長した電信会社は?
2. 世界でいちばん急成長したリクルート会社は?
3. 世界でいちばん急成長したブックセラーは?
その答えは、それぞれこのようになる。
1. Skype
2. Linkedln
3. Amazon.com
SkypeとLinkedlnは2003年に創設され、 Amazon.comは、1994年Cadabra.comとして創設後、1995年にAmazon.comと名前を変えてインターネット書店サービスをスタートさせた。
フィッシャー氏は、「彼らはすべてソフトウェア会社である」と述べた上で、Netscapeの創始者であるマーク・アンドリーセン氏の“短期的に見れば、ソフトウェアが世界を飲み込むだろう”という言葉が現実のものとなり、ソフトウェア技術の重要性がますます増していると主張する。
その一方で、フィッシャー氏はウィキペディアでIntelに関する記述をキーワードごとに抽出し、その出現頻度を文字の大きさで表わしたタイポグラフィーで、インテルにおける「ソフトウェア」は非常に小さなパートに過ぎないと思われているという現状を“視覚的に”示した。
しかし、Intelは1980年にi8080やi8086用のリアルタイムOSとして「RMX」をリリースしてから、30年以上もソフトウェアと関わっているなど、実際は「Intelにとってソフトウェアは、常に“重要な”存在であった」と、フィッシャー氏はIntelの開発史からソフトウェアが重要な位置づけにあると訴えた。
この数年においても、2007年にビジュアルコンピューティング環境の強化を目的に、Havokなどの企業買収を行なったのをはじめとして、2009年には並列プログラミングの強化のためにCilk Artsを、モバイルデバイス事業強化のためにWind Riverをそれぞれ買収し、さらに2011年は、セキュリティソフトウェアの強化のためにMcAfeeを買収するなど、年とともに移り変わるソフトウェアの動向を取り込むべく、積極的な企業買収を行なっている。
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