3コアのFusion APUってどうなのさ? 「A6-3500」で確かめるイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2011年09月22日 19時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

A8-3800とA6-3600を差し置いて登場したAPUの新モデル

 “Liano/Lynx”ことFusion APUでAシリーズの「A8-3850」「A6-3650」の出荷から2カ月が経ち、発表済みの低消費電力版モデル「A8-3800」「A6-3600」の登場を待っていたユーザーに対して、AMDは、まったく違う製品を投入してきた。A8-3800、A6-3600の投入が遅れている理由の説明がないまま登場した「A6-3500」は、一応、Aシリーズで要望の多かった低消費電力モデルということになる。

AMD A6-3500のパッケージには、DiRT3ダウンロードクーポンが付属する。“3コア”という表記はないが、キャッシュメモリサイズの“3.0MB”で識別できる(写真=左)。CPUパッケージにはA6-3500の刻印とともにOPNでOJZ33とあり、A8-3850やA6-3650のWNZ43と異なる。OJZがTDP 65ワットを示し、次の1桁がコアの数を表している(写真=右)

型番 A6-3650 A6-3600 A6-3500 Athlon II X4 631
開発コード名 Llano Llano Llano Llano
コア数 4 4 3 4
スレッド数 4 4 3 4
動作クロック 2.6 2.1 2.1 2.6
ターボ時最大クロック 2.4 2.4
ターボ時バス/コア倍率 12 12
2次キャッシュメモリ 1024KB×4 1024KB×4 1024KB×3 1024KB×4
プロセスルール 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル 32ナノメートル
TDP 100ワット 65ワット 65ワット 100ワット
DDR3メモリ 1866 1866 1866 1866
チャネル数 2 2 2 2
グラフィックス Radeon HD 6530D Radeon HD 6530D Radeon HD 6530D -
コア周波数 443 443 443 -
DirectX 11 11 11 -
ビデオ再生支援 UVD3 UVD3 UVD3 -
ソケット FM1 FM1 FM1 FM1
Radeon Cores 320 320 320 -

 A6-3500の仕様でまず注目したいのが、TDP 65ワットモデルであることだ。すでに登場しているAシリーズのTDPが100ワットであるのに対して35ワットほど低い消費電力モデルなので、省スペースPCでAシリーズを使いたいユーザーには期待のモデルとなるだろう。

 TDPを引き下げた要因の1つは、CPUコア数をほかのAシリーズの4基から3基に削減したことだ。APUにおける“X3”モデルに相当する。なお、AシリーズのキャッシュメモリはそれぞれのCPUコアに所属するため、1次キャッシュメモリ、2次キャッシュメモリともに、4分の3になるのも性能の考察で留意したい。

 また、CPUのコアクロックを2.1GHzに抑えているのもTDPの引き下げに貢献している。A8-3850の動作クロックが2.9GHz、同じくA6-3650が2.6GHzだったことから考えると、大幅にクロックダウンしたことになる。ただ、A8-3850、A6-3650と違い、A6-3500はTurbo CORE Technologyに対応しており、CPUの温度と設定されたTDPにマージンがある場合は、2.4GHzまで自動的にクロックを上げることが可能だ。

A6-3500の通常時(写真=左)、および、Turbo CORE Technology有効時(写真=右)のそれぞれにおけるCPU-Z。通常時の最大クロックは2.1GHz、Turbo CORE Technology有効時には、最大2.4GHzまで上がる。なお、ステッピングは、従来のAシリーズと同様の“B0”だった

トリプルコアのA6-3500はCPUに実装する1次キャッシュメモリ、2次キャッシュメモリもクアッドコアモデルの“4分の3”となる(写真=左)。統合するグラフィックスコアは「Radeon HD 6530D」だ。内蔵するRadeon コアは320基で動作クロックが444(443)MHzというのはA6-3650と同じ。なお、メモリの動作クロックが933MHzなのはDDR3-1866で計測しているため(写真=右)

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