“ナノコーティング”のアルミ薄型ノート「U36SD」を攻略するモバイルでもGPU性能と長時間駆動を求める人へ(1/3 ページ)

» 2011年09月26日 16時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ハイグレードな質感のナノコートボディを身にまとった薄型軽量ノート

 「U36SD」は、ASUSTeK Computerの薄型軽量モバイルノートPC「Uシリーズ」に新たに加わった13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する高性能モデルだ。

 最薄部19.5ミリ、重量約1.6キロの薄型軽量ボディに、通常電圧版のCore i7とNVIDIA Optimus Technologyを利用したスイッチャブルグラフィックス機能を搭載し、ハイパフォーマンスと長時間のバッテリー駆動時間(公称約9時間)を両立させている。

2011年8月27日にASUSが発売した13.3型ワイド液晶搭載ノートPC「U36SD」。同社の直販価格は9万9800円だ

 まずはボディから見ていこう。サイズは328(幅)×238(奥行き)×19.5〜28(高さ)ミリ、重量は約1.6キロだ。ボディ自体はほぼフラットだが、バッテリーが少し底面部に張り出し、机上ではキーボードに緩やかな角度が付く。

 天面とキーボードベゼル一体型のパームレストには軽量で剛性の高いアルミニウム合金を採用し、指紋などの汚れやホコリが付きにくく、耐水性にも優れるフッ素系粒子を利用したナノコーティング加工を行なっている。マットブラックの塗装でザラっとした感触に仕上がっており、質感の高さも印象的だ。最近はアルミ素材で高級感を追求するノートPCが増えているが、MacBook系のアルマイト加工とも、WindowsノートPCで見かけるヘアライン加工とも違い、個性的な外観といえる。

ボディ自体はフラットな薄型だが、底面奥のバッテリーが少し盛り上がっており、キーボードに緩やかな傾斜が付いている(写真=左)。天面およびキーボードベゼル一体型のパームレストにはナノコーティング加工のアルミニウム合金を採用し、指紋などの汚れが付着しにくいマット調の表面仕上げとなっている(写真=中央/右)

底面の奥に大容量のリチウムイオンバッテリーを配置。ACアダプタは13型クラスのノートPCとして標準的なサイズだ

 液晶ディスプレイのヒンジ部周辺に装着するリチウムイオンバッテリーは83ワットアワー(14.4ボルト 5800mAh)と大容量だ。公称値で約9時間と長時間のバッテリー駆動に対応する。電車などでの移動中はもちろん、外出先やカフェなどに立ち寄ってひと仕事するといった用途にも十分な駆動時間だ。

 光学ドライブを内蔵しないで約1.6キロという重さはモバイルノートPCとして、少し中途半端に感じるかもしれないが、薄型アルミボディにあえて大容量バッテリーを標準搭載しているのは見逃せない。

 仮にバッテリー容量を少なめに調整すれば、1.5キロ以下に抑えることも十分可能だっただろう。あくまでも参考だが、手持ちのノートPCでバッテリーの重さを実測してみたところ、84.2ワットアワーのもので485グラム(ThinkPad X200s/9セル)、44ワットアワーで289グラム(ThinkPad T420s/6セル)、同じく44ワットアワーで295グラム(ThinkPad X301/6セル)、28.8ワットアワーで197グラム(ThinkPad X200s/4セル)だった。

 バッテリー容量を半分に抑えれば200グラム程度の軽量化はできるとして、重さ約1.4キロ/公称約4.5時間駆動のモバイルノートPCに拡張バッテリーを標準搭載したような構成と考えれば、十分に競争力がある。

 なお、標準で付属するACアダプタのサイズは50(幅)×126(奥行き)×32(高さ)ミリ、重量は358グラムと、13型クラスのノートPCとしては標準的な大きさと重さだ。

通常電圧版Sandy BridgeシステムにNVIDIA Optimusを搭載

 基本システムには、開発コード名「Sandy Bridge」こと第2世代のCore iシリーズを中心としたシステムを採用し、チップセットにはIntel HM65 Expressを搭載している。第2世代Core iシリーズではCPU内部の命令処理の仕組みを改良することで、第1世代に比べて動作クロック/消費電力あたりのパフォーマンスが向上した。

 薄型軽量モバイルノートPCでは動作クロックの低い低電圧版や超低電圧版のCPUが使われることもあるが、U36SDでは通常電圧版のCore i7-2620M(2.7GHz)を選択している。2つのコアを内蔵するデュアルコアCPUで、Hyper-Threading Technologyによって4スレッドの同時実行が可能だ。またTurbo Boost Technology 2.0のサポートで、高負荷時には最大3.4GHzで動作する。

CPU-Zの情報表示。CPUには第2世代のCore i7-2620M(2.7GHz)を搭載する。Turbo Boost 2.0に対応し、高負荷時には最大3.4GHzまで動作クロックが上昇する。一方、低負荷時アイドル時は動作クロックと電圧を下げ、消費電力を節約する

GPU-Zの情報表示。外部GPUとしてNVIDIAのGeForce GT 520Mを搭載。DirectX 11対応、48基のCUDAコアを備えており、CPU内蔵グラフィックスよりも高い3D描画パフォーマンスを持つ。グラフィックスメモリは1Gバイトと大容量だ

 グラフィックス機能も薄型のモバイルノートPCとしてはこだわっている。Core i7-2620M内蔵のIntel HD Grapchics 3000に加えて、外部GPUのNVIDIA GeForce GT 520M(グラフィックスメモリ1Gバイト)も実装したハイブリッド構成だ。NVIDIAのOptimus Technologyにより、アプリケーションごとにグラフィックスを自動的に切り替えて利用できる。

 Optimusでは、3D描画パフォーマンスが必要なアプリケーションでGeForce GT 520Mが使われ、それ以外でIntel HD Graphics 3000が使われる。この切り替えの判断はNVIDIAのドライバによって自動で行なわれ、基本的に、3DゲームやベンチマークテストプログラムなどはGeForce GT 520Mが、動画再生やQSV(Quick Sync Video)対応の動画変換ソフトなどではCPU内蔵のIntel HD Grapchics 3000が指定されている。

 NVIDIAコントロールパネルから、アプリケーションごとに使用するグラフィックスを手動で指定することも可能だ

外部GPUのGeForce GT 520MとCPU内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 3000)の切り替えは、NVIDIAのドライバによって自動的に行われる。アプリケーションごとに使用するグラフィックスを手動で指定することも可能だ

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