ソニーだから大画面ノートも“薄型軽量”で攻める――「VAIO S(SE)」徹底検証15.5型フルHDのIPS液晶が美しい(5/6 ページ)

» 2011年09月28日 12時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

各種ベンチマークテストでVAIO S(SE)の性能をチェック

 ここからは各種ベンチマークテストの結果を見てみよう。改めて紹介すると、テストしたのは標準仕様モデルのVPCSE19FJ/Bで、Core i5-2430M(2.4GHz/3.0GHz)、4Gバイトメモリ、750GバイトHDD(5400rpm)、Radeon HD 6470M(512Gバイト)/Intel HD Graphics 3000の切り替え式グラフィックス、64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)というスペックだ。

 テストは基本的にSPEEDモード(Radeon HD 6470M)で実行しているが、一部はSTAMINAモード(Intel HD Graphics 3000)でもテストしている。参考までにVAIO S(SE)に近いCPUを搭載したスタンダードなノートPCの例として、「VAIO E」(VPCEH19FJ/W)のスコアも併記した。こちらは、Core i5-2420M(2.4GHz)、4Gバイトメモリ、Intel HD Graphics 3000、640GバイトHDD(5400rpm)、64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)というスペックだ。

 まずWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスでは、プロセッサのサブスコアが7.0とハイレベルなスコアで、SPEEDモードでの総合スコアも5.3と十分なスコアだ。STAMINAモードでの総合スコアはグラフィックスの値が下がり、4.7だった。2つのグラフィックスの差は、グラフィックスのサブスコアで0.6、ゲーム用グラフィックスで0.2となっている。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。左がSPEEDモード(Radeon HD 6470M)、右がSTAMINAモード(Intel HD Graphics 3000)での結果

 PCMark 7では総合スコア(PCMark)のほか、ComputationやCreativityでSTAMINAモードのほうがスコアが高く出た。Intel HD Graphics 3000に搭載されたメディア処理機能のIntel Quick Sync Video(QSV)がこれらのテストで効果を発揮したからだ。STAMINAモードではVAIO Eに近いスペックになるが、CPUの少しの差もあり、全体的にVAIO S(SE)のほうが高いスコアとなった。

PCMark 7のスコア(グラフ=左)、PCMark Vantage x64(1024×768)のスコア(グラフ=右)

 3DMark Vantageでは、VAIO EよりもEntry、Performanceともに約25%高いスコアをマークしている。モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】は、STAMINAモードではVAIO Eとほぼ同じ、SPEEDモードでは40%高いスコアが出た。

 ストリートファイターIVベンチマークでは、STAMINAモードの標準設定でDランクとギリギリプレイできるくらいかどうかといったスコアだが、SPEEDモードの標準設定では2倍近いフレームレートをマークし、Aランクのスコアをマークしている。ただし、1920×1080ドットの高負荷設定ではフレームレートが標準設定の半分近くに落ち込んだ。

 外部GPUを搭載しているとはいえ、それほど3D描画性能は高くなく、描画負荷が比較的低いゲームタイトルを標準設定ならば、快適にプレイできるといったところだろう。

3DMark Vantageのスコア(グラフ=左)、ストリートファイターIVベンチマークのスコア(グラフ=中央)。モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)

バッテリー駆動時間、動作音、発熱はどうなっているのか?

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」だ。無線LANでネットに常時接続し、WebブラウザはInternet Explorer 9(32ビット版)を使用している。PC本体の設定はSTAMINAモードで、電源プランは標準の「バランス」(ディスプレイ輝度40%)を利用した。

 この設定でのテスト結果は、バッテリー満充電から残量5%で休止状態へ自動的に移行するまで、約238分(3時間58分)だった。公称値の約6.5時間と比べると少し物足りないが、液晶ディスプレイのサイズや解像度を考慮すると、常時接続環境では仕方ないところだろうか。液晶の輝度をもっと下げるなど工夫すれば、駆動時間をより延ばすことは可能だ。外出先でパワフルにバッテリー駆動したい場合は、駆動時間を約2倍に延ばせる拡張バッテリーも活用するとよいだろう。

 動作音については、まずまず静粛な部類に入る。アイドル時は動作していることが分かる程度の音だが、マルチスレッドでCPUに高い負荷が連続してかかるような状況では動作音がした。薄型ボディだが、放熱面はしっかりしている。システムに高い負荷をかけると底面の右側を中心に少し熱を帯びるが、表面まではあまり伝わってこない。

暗騒音32デシベル/室温26度の環境で本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。3DMark Vantage/Entryを実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

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2024年04月19日 更新
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