キングソフトは10月7日、Microsoft Office互換ソフトの最新バージョン「KINGSOFT Office 2012 Standard」、およびAndroid端末向けの「KINGSOFT Office for Android(Version 2.0)」を発表、同日より販売を開始した。前者の価格はダウンロード版/USB起動版ともに4980円。後者が2980円。
製品発表会では、キングソフト代表取締役社長の翁永飆(おうえいひょう)氏が登壇し、KINGSOFT Officeの歴史と今後目指すべき方向性について説明した。Microsoft Officeとの互換性を持つKINGSOFT Office(2007)が登場したのは2007年2月。同ソフトは、低価格と高い互換性をキーワードに「マイクロソフト以外の選択肢」(翁氏)をユーザーに提示し、Office互換ソフトとしての地位を築いてきた。実際、2007年からの累計ですでに145万ライセンスを販売したという。
最新版のKINGSOFT Office 2012は大きく2つの特徴を持つ。まず1つ目がリボンインタフェースだ。これまでKINGSOFT Officeは、Microsoft Office 2003との互換性に注力してきたが、Microsoft Office 2007以降に採用されているリボン形式に近いUIを採用することで、使い勝手の面でも最新のMicrosoft Officeとの互換性を高めている。
そしてもう1つが同社の無料(2Gバイトまで)オンラインストレージサービス「KDrive」との連携だ。同日発表されたAndroid端末向け製品、KINGSOFT Office for Android Version 2.0もKDriveとの連携機能を持ち、PCからKDriveに保存したドキュメントをいつでも閲覧/編集できるようになった。
翁氏はスマートフォンの急速な普及と、それによるビジネススタイルの変化について触れ、「このようなデバイス環境の変化、通信環境の変化の中で、KINGSOFT Officeは幅広いユーザーニーズに対応するために、従来のPC向けOffice互換ソフトという位置付けから、マルチデバイス、モバイルインターネットに対応したドキュメントソリューションに進化した」とKINGSOFT Office 2012を紹介した。
製品の詳細については、同社プロダクトマーケティング部の馮達(フェン・ダ)部長が説明した。前述の通り、KINGSOFT Office 2012では、Microsoft Office 2003に対する互換性を強化しつつ、新たにリボンインタフェースが採用されている。画面上部のUI切り替えボタンで、これまでと同じクラシックスタイル(2003スタイル)とリボン形式を使い分けられる。細かいところでは、Microsoft OfficeのWordに対応するWriterで、文字間隔を簡単に調整できる段落書式のアシスタントを、Excelに対応するSpreadsheetsでは、新しい関数の追加やデータ入力時の重複チェック機能を備えた。
一方、ファイルの保存先にKDriveを指定できるようになったのもトピックだ。ファイルは自動的に同期されるため、どのPCからでも最新のドキュメントを参照/編集できるほか、iOSやAndroid向けのアプリを通して、モバイル端末から閲覧することが可能だ。
さらに同時発表のKINGSOFT Office for Android(Version 2.0)では、WordやExcel、PowerPointファイルの閲覧機能のみだった従来版(Version 1.0)から、新たに簡易的な編集機能も備えた。ユーザーインタフェースも刷新され、スマートフォンの小さい画面でドキュメントが見やすいよう工夫が施されている。また、拡大/縮小機能やフォント色の変更など、PCで使用頻度の高い機能をそろえた。
なお、KINGSOFT Office for Androidは、Android Marketで公開されている。編集機能を含むフルバージョンは7日間試用でき、それ以降の継続利用は量販店などを通じて販売されるパッケージのシリアル番号を入力する必要がある(試用期間を過ぎても閲覧機能は利用可能)。
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