SOHO/SMB向けのA4複合機市場をリードしてきたキヤノンが、約2年ぶりに人気のカラーモデルを刷新した。従来からの強みをそのままに、より多様なビジネスシーンで活躍できるよう性能と機能を強化している。同時発表された高速・高耐久のモノクロモデルにも注目だ。
プリント、スキャン、コピー、FAXといったオフィスで必要なIT機器の機能を1台に集約した複合機は、SOHOやSMBの職場でもはや定番のツールといえる。それぞれを別の専用機として設置していた場合、複合機に乗り換えることで機器間の煩雑なやり取りがなくなり、維持コストや消費電力が削減でき、機器の占有面積が減ることで限りあるワークスペースを有効に利用できるなど、その効果は高い。
現在、SOHOやSMB向けの複合機で主流となっているのは、普通紙に高速で平滑に安定して印刷できるレーザー/LEDタイプの複合機だ。特に最近は高機能化と低価格化が進んだことで、A4カラーレーザー複合機の市場が伸びている。A4モノクロレーザー複合機の市場も緩やかながら微増傾向だ。
こうしたSOHO/SMB向けのA4複合機市場を長期に渡ってリードしてきたメーカーといえば、キヤノンが真っ先に挙げられる。同社の「Satera MF」シリーズは低価格なモノクロモデルから高機能なカラーモデルまで豊富なラインアップを誇り、予算や用途に合わせて最適な1台を選び出しやすい。
性能と機能のバランスがよく、省エネで価格も手ごろとあって、直近(2010年)でもA4レーザー複合機市場で高いシェアを堅持しており、さまざまなビジネスシーンで支持を集めている。
しかも、2011年秋に新機種が登場したばかり、というのもポイントだ。オフィス向けプリンタにちょっとでも詳しい人ならば、2009年に同社が発売したコンパクトなA4カラー複合機群が一躍人気になったのを覚えているかもしれない。そのカラーモデルが約2年ぶりにモデルチェンジを果たし、従来機種の強みはそのままに、さらなる高機能化を実現したのだ。同時に、モノクロモデルにも最上位機を追加し、より幅広いビジネスシーンへの対応力を強めている。
今回はA4カラー複合機の新ラインアップから“全部入り”の高機能な上位機「Satera MF8380Cdw」(以下、MF8380Cdw)と、同時発表となった高速・高耐久のA4モノクロ複合機「Satera MF6780dw」をいち早く触ってみたので、レビューをお届けしよう。
※「Satera MF8380Cdw」は2011年10月20日発売予定
まずはA4カラーモデルのMF8380Cdwから見ていこう。本体の配色はホワイトを基調に、ブラックを効果的に配したツートーンになっている。ボディはスクエアで余計な突起などがなく、省スペースに配慮したフォルムだ。ボディの角には丸みを持たせており、柔らかさも感じさせるスタイリッシュなデザインに仕上がっている。いかにも事務機器といった固い雰囲気ではないので、店舗など不特定多数に見られるような場所へ設置しても自然になじむだろう。
もちろん、デザインを優先したために操作性がおろそかになるようなことは一切なく、使い勝手への配慮は行き届いている。操作パネルはボタン数が多いが、機能別に整然と並んでおり、コピー、FAX、スキャン、メディアプリント、白黒/カラーのスタートボタンは点灯して目に付くように設計されているので、初めて触る場合でも迷うことは少ないだろう。
操作パネルの液晶モニタは大きめで5行の漢字表示が可能なため、多くの情報量を見やすく映し出してくれる。白色LEDバックライトの採用により、薄暗い場所での視認性も高く、文字を判別しやすい。
モデルチェンジでの新機能としては、従来は便利だが設定に手間がかかっていた作業を瞬時に行える「ショートカットキー」に注目だ。スキャンしたデータを指定したPCに送信する「ワンタッチスキャン」、集約コピー(4in1/2in1)と両面コピーの合わせ技で用紙を節約する「用紙節約コピー」、プリントジョブを複合機本体のメモリにためておいて暗証番号の入力で出力させる「セキュアプリント」といった機能をそれぞれのボタン操作で実行できる。
特にワンタッチスキャンは2つのキーがあり、用途によって使い分けられるのがありがたい。自社で使う書類はPCの指定フォルダへ保存、顧客へ送信する書類はEメールへ添付と、日常業務におけるスキャン作業のスピードアップが図れるはずだ。
MF8380Cdwは、両面の自動読み取りに対応したADF(オートドキュメントフィーダ)を搭載しているのもうれしい。最大50枚セットでき、表と裏を自動的に読み込めるため、まとまったボリュームのスキャンやコピーの手間も少なくて済む。もちろん、自動両面印刷機能も備えているので、表裏の原稿を同じように1枚の用紙にすばやくコピーできる。
自動での両面読み取りと両面印刷を駆使すれば、用紙を無駄なく使えて、作業時間も短くなり、いいことずくめだ。10万円以下クラスのA4カラー複合機では片面ADFが多くを占めるので、この差は大きいといえる。
コピー機能に関しても不満はない。単純なモノクロ/カラーコピーに加えて、2ページを1枚にまとめる2in1コピー、4ページを1枚にまとめる4in1コピーといった用紙節約機能に加えて、25〜400%の間で1%ごとに倍率を決められるズーム機能、1枚の用紙に運転免許証などの表裏をコピーできるIDカードコピー機能など、豊富なコピー機能が提供されている。
またMF8380Cdwは(後述するMF6780dwも)、Sateraシリーズとして初めて無線LAN機能を標準搭載したことも大きなトピックだ。現在主流のIEEE802.11/b/g/nに対応し、高速な11n環境でも運用できる。
セキュリティの厳しい大企業などでは、有線LANによる接続しか許可されていない場合もあるが、SOHOやSMB環境では自由に場所を移動しながらインターネットにアクセスできる無線LAN環境を構築している職場は増えてきている。そうしたユーザーにとっては追加投資なく無線での社内LANに複合機を追加できるので便利だ。無線LANの電波さえ届けば、複合機をどこへでも設置できるため、置き場所に悩むことはなくなるだろう。
当然、SOHO/SMB環境でもセキュリティは気になるところだが、MF8380Cdwには強力なセキュリティ機能も用意されている。例えば、部門IDを登録することで、該当する部門からの印刷やスキャン、FAX機能を制限したり、特定のIPアドレスからしか接続できないようにフィルタリングしたり、特定MACアドレスの端末からしか通信できないようにする、といった設定も可能だ。
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提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年12月13日