AMD FXシリーズは、従来のCPUと少々レイアウトが異なるアーキテクチャを採用している。基本単位となる「Bulldozerモジュール」は、2基の整数演算ユニットと1基の浮動小数点演算ユニット(FP)から構成される。FPは1基だが、OS上から見たコア数はこの時点で2コアの扱い。このBulldozerモジュールがFX-8150では4基まとまって8コアを構成する。
キャッシュメモリの構成も独特だ。1次キャッシュメモリは整数演算ユニットごとに16Kバイト、FPには64Kバイトがあてられる。2次キャッシュメモリは、各Bulldozerモジュールごとに2048Kバイトで、4基搭載するFX-8150の場合は8Mバイトとなる。さらに3次キャッシュメモリは8Mバイトという構成だ。プロセスルールは32ナノメートルで、Furion APUのAシリーズと同じだが、FXシリーズはグラフィックスコアは搭載しない。(掲載当初、2次キャッシュメモリの容量に誤りがありました。おわびして訂正いたします)
型番 | FX-8150 | Phenom II X6 1055T | Phenom II X6 1100T | A8-3800 | A8-3850 |
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コードネーム | Zambezi | Thuban | Thuban | Llano | Llano |
リビジョン | N/A | E0 | E0 | N/A | N/A |
コア数 | 8 | 6 | 6 | 4 | 4 |
スレッド数 | 8 | 6 | 6 | 4 | 4 |
動作周波数 | 3.6GHz | 2.8GHz | 3.3GHz | 2.4GHz | 2.9GHz |
ターボ時最大クロック | 4.2GHz | 3.3GHz | 3.7GHz | 2.7GHz | - |
ベースクロック | 200MHz | 200MHz | 200MHz | 200MHz | 200MHz |
1次キャッシュメモリ | 16KB×8+64KB×4 | (64KB+64KB)×6 | (64KB+64KB)×6 | (64KB+64KB)×4 | (64KB+64KB)×4 |
2次キャッシュメモリ | 2048KB×4 | 512KB×6 | 512KB×6 | 1024KB×4 | 1024KB×4 |
3次キャッシュメモリ | 8MB | 6MB | 6MB | - | - |
製造プロセス | 32ナノメートル | 45ナノメートル | 45ナノメートル | 32ナノメートル | 32ナノメートル |
TDP | 125ワット | 95ワット | 125ワット | 65ワット | 100ワット |
DDR3メモリ | 1866MHz | 1333MHz | 1333MHz | 1866MHz | 1866MHz |
メモリチャネル数 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
ソケット | AM3+ | AM3 | AM3 | FM1 | FM1 |
Phenom IIのThubanコアから採用されたTurbo CORE Technologyは、FXシリーズでも導入する。ただし、少々異なるのがその動作だ。FX-8150を例に見ると、ベースとなる動作クロックは3.6GHzだが、Turbo CORE Technologyで3.9GHzまで引き上げられる。さらに、もう1つ“Max Turbo”というモードも用意されており、こちらは4.2GHzまで引き上げられる。この区別は、1段階目のTurbo CORE Technologyは全コアで動作クロックを引き上げ、Max Turboでは一部のコアが引き上げられるということだ。マルチスレッドで各コアに平均的に負荷がかかる場合はTurbo Core、スレッド数が少ない場合はMax Turboが効くことになる。
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