「ThinkPad Tablet」は、その名が示すように、「ThinkPadシリーズのタブレットデバイス」であることが、最大の存在意義といえる。レノボは、このタブレットデバイスを「ビジネスプロフェッショナルツール」という言葉で表現している。
すでに数多くのモデルが登場している今において、製品ごとに違いを見出すのが難しいAndroidタブレットデバイスとして、ThinkPadシリーズの一員であることを示す「ほかとは違うなにか」が当然求められる。レノボもそのことは十分意識していて、ほかの10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したAndroidタブレットデバイスにはない、機能と特徴をThinkPad Tabletに与えている。
このように、ビジネスユーザーに対する付加価値を訴求するThinkPad Tabletだが、ThinkPadシリーズのノートPCと同様に、「ThinkPadのタブレットデバイスに興味があるが個人で使う意味はあるのかないのか」と考える個人ユーザーは少なくない。
このレビューでは、ThinkPad TabletのAndroidタブレットデバイスとしての基本性能を確認するのは当然として、レノボがこの製品に与えた“機能と特徴”を紹介し、それが、会社支給ではない、個人で購入したエンドユーザーにとってもメリットがあるのかについても考察したい。
ThinkPad Tabletは、ThinkPadというだけあって「黒い」。黒いといっても、台湾製タブレットデバイスによくあるような光沢のある黒ではなく、ThinkPadノートPCと同じ“マット”な黒だ(ただ、正面の液晶ディスプレイベゼルは“光沢のある”黒を取り入れている)。ThinkPad Tabletのマットな黒は、色合いをそろえただけでない。表面もノートPCシリーズと合わせていて、ラバーのようなすべりにくい質感を持たせている。
タブレットデバイスを持って移動するときの標準形態となる「本のように片手持ち」において、汗ばんだ手のひらの場合、光沢のある“すべすべ”な質感のタブレットデバイスではすべらせて落としてしまいそうな不安があるが、ThinkPad Tabletなら、その心配を感じることはないし、実際に本体がすべるということもない。それでいて、カバンにしまうときに、すべりにくくてしまいにくい、ということもなかった。実に“程よい”すべりにくさをThinkPad Tabletは実現している。
ThinkPadというと、黒いボディにトラックポイントの赤がワンポイントのアクセントとして知られているが、ThinkPad Tabletでは、この赤を内蔵するデジタイザ用のペン(レノボはこのペンを“Trueペン”と呼ぶ)のトップを赤く染めている。本体のペンホルダーに収納すると、この赤いペントップが丸く側面に見える。赤いドットのアクセントは、背面にある「ThinkPad」ロゴの“i”にも取り入れられているが、これが、内蔵するLEDで、充電時と起動時に赤く輝く。
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