「大きめのA4プリンタ並ですよ」――OKI、世界最小の設置面積を誇るA3カラーLEDプリンタメンテナンス品も5年間無償で提供

» 2011年11月03日 00時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

“第2世代”COREFIDOをうたう2機種を投入

photo OKIデータは11月2日、新製品の発表会を行った

 OKIデータは11月2日、ビジネス向けLEDプリンタ「COREFIDO」シリーズの新モデルとして、A3カラーLEDプリンタ「C841dn」と「C811dn」の2機種を発表した。世界最小の設置面積(A3カラーLEDプリンタにおいて。2011年10月現在、同社調べ)をうたうコンパクトなボディが特徴で、2012年1月に出荷を開始する予定だ。

 価格は上位機のC841dnが26万400円(税込み、以下同)、下位機のC811dnが14万4900円。このほか、C811dnとオプションである給紙トレイがセットになったC811dn-Tも発売し、価格は17万4300円となる。

photophoto 世界最小の設置面積を誇るA3カラーLEDプリンタ「C841dn」。「C811dn」とデザインは共通だ(写真=左)。オプションの給紙トレイが1つ付属する「C811dn-T」(写真=右)

 世界最小のボディは、送紙機構を傾斜させ、本体内の部品の配置を一新するなどプリンタの内部構造の改良によって実現した。また、筐体内部に約10度の傾斜をつけることで、消耗品の交換が楽に行えるとしている。本体サイズはいずれも449(幅)×552(奥行き)×360(高さ)ミリで、重量は約32キロ。

 C841dnの基本的なスペックは、片面印刷速度はカラー、モノクロともに35枚/分(A4の場合。A3は20枚/分)、自動両面印刷の速度はカラー、モノクロともに27枚/分(A4の場合。A3は18枚/分)、ランニングコストは1枚あたりカラーが約11.7円、モノクロが約2.8円だ。印刷解像度は1200×1200dpiに対応する。給紙容量は430枚、オプションの550枚入りのトレイを3台取り付ければ、最大で2080枚給紙できる。

photophoto 使用頻度の高いブラックトナーは、本体前面のカバーを開くだけで交換できる(写真=左)。3色のカラートナーは上面のカバーを開いて交換する仕組みだ。LEDパネルの表示の見直しや、ヘルプボタンを搭載するなど、ユーザービリティに配慮した改良も行われた(写真=右)

 ウォームアップ時間は、同社が新しく開発した定着器により、従来機の半分以下の32秒となった。ファーストプリントは約9.5秒、耐久性は約60万ページだ。稼働時の騒音レベルは約52デシベルと従来機に比べて約20%ほど低減した。

 環境面では、パワーセーブモードへ切り替える「節電ボタン」をA3プリンタで初めて設置、スリープ時の消費電力を0.7ワットに抑えている。一定時間が経過すると自動で電源をオフにする「オートパワーオフ」機能も備えた。

 下位機のC811dnは、印刷解像度が最高で600×1200dpiであることやPostScript 3エミュレーションに対応しないこと以外は、C841dnと共通の仕様だ。C811dn-Tはオプションの給紙トレイが1つ付属しており、給紙枚数が980枚となる。本体サイズは449(幅)×552(奥行き)×498(高さ)ミリで、重量は約39キロ。

2年間でシェア倍増、年度中にシェア10%を狙う

 同日行われた製品発表会では、同社取締役社長の杉本晴重氏が登壇し、国内の業績と今後のシェア目標について説明した。杉本氏は「震災の影響もあり、国内のプリンタ市場は縮小傾向にあったが、当社製品の国内販売台数は増加した」と2010年に比べ、2011年の国内販売台数が30%増加し、中でもLEDプリンタの販売台数は46%増加したとアピールした。

 シェアも伸びており、2009年の第1四半期では4%だったシェアが2011年の第2四半期では8%にまで伸びたことを杉本氏は強調。新製品の投入により「年度内にシェアを10%まで上昇させたい」と意気込む。同社は、新製品の販売目標を年間で1万5000台としている。

photophotophoto 2010年に比べ、2011年の国内販売台数が30%増加した(写真=左)。2009年の第1四半期では4%だったシェアが2011年の第2四半期では8%にまで伸びた(写真=中央)。多くのユーザーがCOREFIDOに満足しているという(写真=右)
photophotophoto 国内の業績と今後のシェア目標について説明する同社取締役社長の杉本晴重氏(写真=左)。製品発表会では、プリンタ内の消耗品を取り出すデモが行われた(写真=中央、右)

 今後の事業戦略や新製品説明に続いて、同社が提供する新サービス「メンテナンス品5年間無償提供」の発表も行われた。このサービスはこれまで同社が実施してきた無料修理サービス「5年間無償保証」を強化し、メンテナンス品を5年間無償で提供するというもの(交換作業を依頼する場合は工賃を払う必要がある)。メンテナンス品は定着器ユニット、ベルトユニット、給紙ローラセットを指す。

photophotophoto 新製品の特徴については、開発担当者である遠山裕二氏が説明した。「大きめのA4ページプリンタと同じくらいのサイズに仕上がった」と自信を見せた(写真=左)。メンテナンス品5年間無償提供の説明(写真=中央)。新製品の発売とともに、OKIデータ130周年記念のキャンペーンを行う予定だ(写真=右)

 杉本氏は「無償保証サービスを行っているなかでお客様から『メンテナンス品の費用はかかるじゃないか』と言われたことがきっかけ。新製品はシンプルでメンテナンスが行いやすく、部品の取り外しが楽に行えるので、このサービスとは相性がいい」と新サービスの背景を説明した。この「メンテナンス品5年間無償提供」は今回発表した新製品から利用可能となる。

 会場にはゲストとしてCMキャラクターの菅野美穂さんが登場、CM撮影時のエピソードや、新製品についての感想などを語った。菅野さんが出演する新CMは、11月3日から放映を開始する。

photophoto 菅野美穂さんは「プリンタの気持ちを語る、というのは初めてで楽しかった」と新CMの感想を話した。CMに合わせて今後、さまざまな人の「がんばったエピソード」をWeb上で集めるキャンペーンが行われるが「そういうエピソードを聞くのは私にとっても励みになる」と楽しみしていた

タイから中国、福島などに生産ラインを移行

 質疑応答では、タイにおける洪水の被害について同社から説明がなされた。従業員1700名が働くタイ、アユタヤの工場では、主にA4LEDプリンタや一部消耗品の生産を行っていたが、洪水の被害により2011年10月6日から工場の機能は停止している。

 「復旧までには相当時間がかかる」(同社担当者)とのことで、同社は生産ラインを中国や福島、タイのチュンマイにある工場で担い、商品の供給を確保する算段だ。「A3LEDプリンタの生産は中国で行っているので、新製品の供給が滞ることはない」(同社担当者)という。

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