PC USER Pro

「Inkling」で会議のメモが取れるのかしら生徒会の会長が使ってみました!(1/3 ページ)

» 2011年11月08日 09時00分 公開
[林.佑樹,ITmedia]

文具好きを刺激する最新筆箱、みたいな

ワコム「Inkling」

 PCに手描きで入力するとなれば、ペンタブレット、もしくは、タブレットを指先でなぞる、が主流だ。その中で地味に進歩しているものが、「手書き」と「デジタルデータ」を組み合わせた製品だ。ワコムが2011年8月に発表したInklingは、超音波と赤外線でA4サイズの範囲で動かしたペンの動きをキャッチしてデジタルデータとして保存し、保存した軌跡の位置情報をPCでチェックして利用できるというものだ。ワコムが考えるメインユーザーは「プロクリエーターのデザインスケッチ用」というが、紙に手書きした文字や絵をデジタルデータに保存して利用を目的とした入力機器として十分使えるはず。そこで、PCUSERとしては、もっと広いユーザーに向けて会議の記録やアイデアノートの手書きメモ用として使えるかを検証してみたい。

 ペンとしての使い勝手だけでなく、持ち運びも考慮した結果か、Inklingのデジタルペンとレシーバを格納するケースは「高級な文具」に通じるデザインで、パカッと開くギミックはいかにも“筆箱”だ。ケースの中には、デジタルペンとレシーバ、そして、替え芯が4本並ぶ。ビジネス用途狙いだと思うが、“文具好き魂”を刺激してくれる風格がある。ケースのサイズは、170(幅)×61(奥行き)×22(厚さ)ミリ、重量は179グラムと、やはり筆箱に近い。

ペンは一度押し込むと頭を出し、つまんで取り出せる(写真=左)。ケースを開けた状態。レシーバと替え芯の配置も文具好きを刺激する。左上のスペースにはUSBケーブルを格納できる(写真=右)

 デジタルペンは、直径15ミリで長さは芯込みで153ミリ、重量22グラムだ。ケースから取り外すと自動的に電源が入り、頂点部のLEDが点灯する。先端部が独特の形状をしており、ここから発信する超音波と赤外線をレシーバで受信することでペンの位置を特定する。そのため、ペン先を持つのはNGで、グリップのある部分でデジタルペンを持つことになる。

 デジタルペンの充電は、収納ケースにペンをセットし、レシーバをUSB接続すると自動的に充電が開始される。Inklingのペンは、Intuos4に付属するデジタルペンに近く、かつ、持ちやすい。

ペン先の形状が独特だ。超音波と赤外線で位置情報を得るため、スリットを設けている(写真=左)。使用可能になると頂点部のLEDが点灯する(写真=右)

Inklingに付属するデジタルペンをIntuos4のペンと比較してみた。グリップ感でいえば、両者に違いはない(写真=左)。実際の利用では、デジタルペンの先端部を持たないこと。ここで示した持ち位置が基本になる(写真=右)

 レシーバは、本体のサイズが70(幅)×30(奥行き)×16(厚さ)ミリ 重さが約39グラムとコンパクトで、操作ボタンは電源オンオフとレイヤー切り替えの2つだけだ。本体下部には用紙を固定するクリップがある。センサーは本体中央にあり、デジタルペンで入力された軌跡と筆圧を感知すると、レシーバ本体のLEDが点灯する。起動した直後はレシーバがペンを探している状態なので、20秒ほど間をおいてからLEDが点灯するかチェックしてみるといい。

 用紙をセットしたらレシーバの電源を入れるだけだ。少し待てば取り込み可能な状態になる。なお、入力時には、センサ周辺(レシーバの周辺ということになる)はペンを感知しないことに注意したい。取扱説明書におよその範囲が記されているが、“体で”覚えたほうがいい。ページの切り替えは、セットしてある用紙を外し、新しい紙をセットすると自動的に新規ページに切り替わる仕組みだ。ただ、今回の評価作業では、この操作でもページの切り替えに失敗していたので、ソフト側でレイヤー追加ボタンを新規ページ切り替えに変更できると助かるだろう。

レシーバのサイズは70(幅)×30(奥行き)×16(高さ)ミリでPCと接続するときも邪魔にならない

クリップも用意されている。紙を差し替えることで新規ページが作成されるが、評価用機材ではたまに認識ミスがあった(写真=左)。レシーバ周辺でレシーバに最も近いラインの内側エリアでは認識しない(写真=右)

 バッテリー駆動時間は4時間ほどで、測定のたびにバラツキがあった。充電時間はペンが2時間、レシーバが3時間くらいで満充電になるのを確認している。ただし、評価機材は製品版ではないので、現在出荷している量産版とは異なる可能性もある。

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