Windows 8 Developer Previewの直インストと「Windows To Go」の注意点鈴木淳也の「お先に失礼! Windows 8(まだ仮称)」(1/3 ページ)

» 2011年11月25日 16時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Windows 8 Developer Previreの直インストール注意点

前回ダウンロードしたWindows 8 DPのISOファイルをDVDに焼いてからインストールを行う。開発ツールつきのバージョンでは、通常のDVD(4.7Gバイト)では容量が足りないので注意。2層メディア(8.5Gバイト)を用意しよう

 β版ソフトウェアをインストールするときの基本は、普段の作業環境にできるだけ影響を与えないようにすることであり、なるべく別のマシンを用意するのが望ましい。だが、諸般の事情でマシンを複数用意できず、やむを得ずメインマシンへのインストールを検討するユーザーもいるだろう。

 そういう場合、Windows 8 DPはISO形式のファイルで配布しているので、PCに直接インストールするなら、配布されているISOファイルをDVDなどのディスクメディアへ保存して、そこから起動してインストールする形態が一般的となる。DVD±R/RWなど、書き込み可能なメディアであればどれもでいいが、ここでの注意点は、開発ツールキット付きの「Windows 8 Developer Preview with developer tools English, 64-bit (x64)」をメディアに焼く場合だ。ほかの2つのバージョン(x86、x64)は容量が少ないため問題にならないが、このバージョンは容量が「4.8Gバイト」あるため、通常のDVDの「4.7GB」の容量では間に合わない。そのため、2層式書き込みが可能な「8.5Gバイト」のメディアを使用する必要がある。メディアをドライブにセットして、あらかじめインストールディスクを作成しておこう。

 また、起動ドライブにDVDやBlu-ray Discを使いたくないのであれば、Microsoftが配布している「Windows 7 USB/DVD download tool」というツールを使ってみるのも手だろう。これは、Microsoft Storeが配布しているISO形式のダウンロードファイルを管理して、DVD、またはUSBフラッシュメモリから直に「Windows 7」などのソフトウェアをインストール可能にするツールだが、Windows 8 DPもそのまま利用できる。光学ドライブを持たないユーザーであれば、試してみる価値はあるだろう。

 Windows 8 DPのインストール作業自体は簡単で、用意したインストールメディアをドライブにセットして再起動し、あとはインストーラの指示に従って作業を続ければいい。作業手順は前回とほぼ一緒だ。

なお、Windows Developer Previewは、開発者の参考用として配布しているもので、実生活やビジネスで利用することを想定したものではない。開発早期におけるβ版であって、正しく動作するかどうかの保証もない。Windows Developer Previewを導入する場合は、以上のことを留意した上で行うようにしたい。 Windows Developer Previewを導入したPCを使って生じた事象や損害についてPC USER編集部と筆者、そして、Microsoftは一切保証をしない。



インストールプランを考える

 直インストールにおける問題の1つは、どの領域にOSをインストールするかという点だ。もし、既存のOS環境と共存させる場合、「パーティションを新たに区切ってそこをインストール領域とする」か、あるいは「新規にドライブを増設する」といった方法が考えられる。前者の場合、市販のパーティショニングツールなどを使って、あらかじめ領域を確保しておく。必要な領域の目安は、20〜32Gバイト程度確保しておけば問題ない。新規ドライブを増設してインストールするなら、USB、または、IEEE 1394経由で接続するドライブはインストール先に利用できない点に注意したい。あくまで、PCに内蔵するSerial ATAインタフェース、または、eSATA経由で外部接続されたドライブのみが対象になる。この記事では、新規ドライブ増設を増設してインストールしている。Western Digitalの「WD10EADS」をインストール先とし、eSATAインタフェースを持ったCenturyの「裸族のお立ち台」というクレイドルを組み合わせ、PC本体とeSATAで接続している。

 あとのインストールは簡単で、インストール先ドライブの選択が終わっていくつかの質問に答えれば、作業はほぼ自動で完了する。すでにOSを導入している環境でも、Windows 8 DPが自動的にデュアルブート環境を構築する。

 ただ、一度インストールしたWindows 8 DPをアンインストールするのは難しいことを覚えておきたい。先ほどデュアルブート環境を自動構築してくれると説明したが、Windows 8 DPインストール後は専用のブートローダが用意され、PCを起動すると、そのブートローダが最初に起動する。今回、eSATA経由で外部ドライブをWindows 8 DPのインストール先に指定したが、ドライブが接続されていなかったり、クレイドルの電源が入っていないなど、OSをインストールしたドライブを読み込めない状態にあると、マシンが起動しなくなる。環境の復旧にはWindows 7など既存のOSメディアを使って修復インストールが必須となるため、「一度Windows 8 DPをインストールしたマシンは元に戻せない」と考えて十分注意されたい。

 なお、タッチスクリーン非対応環境でのWindows 8 DPのシャットダウン手順について説明しておく。現時点で、ほとんどのデスクトップPCはタッチ操作には対応していないため、Windows 8における必須操作である「右から出現するメニュー」(Microsoftでは「Charm」と呼んでいる)を出す方法が分かりづらい。

 マウスを使った操作の場合、まず、画面左下にカーソルを持っていくと「スタートメニュー」が出現するので、そこから「Settings」を選択する。あとは出現したCharmのメニューから「Power」→「Shut down」と選べばいい。

Windows 8 DPのインストールディスクを起動したところ。最初にディスクユーティリティが起動してインストール先ドライブの指定を行う(写真=左)。ドライブを指定しようとすると、USBまたはIEEE 1394接続のドライブへはインストールできないとの警告がでる(写真=中央)。eSATAケーブルを用意して本体と接続する。これで外部ドライブながら内蔵のSerial ATA接続ドライブのように扱える(写真=右)

マシン本体のブートローダを起動する。インストールドライブとして用意した「WD10EADS」が認識されている(写真=左)。条件を満たすとあとは自動でインストール作業が進む(写真=中央)。写真9 Windows 8 DPをインストールすると、専用のブートローダが用意され、既存のOSをデュアルブート環境で選択できるようになる(写真=右)

さすがに1920×1080ドット表示ができると画面が広い。VirtualBoxでは仮想マシンで用意するドライバの制限で、1024×768ドットだったので、タイルの配置も変化している

タッチスクリーンのないマウス環境でPCを安全にシャットダウンする場合、スタート画面でマウスカーソルを左下へと移動するとメニューが出現するので「Settings」を選ぶ。画面右側に設定画面が現れるので、ここで「Power」→「Shut down」と選択すればいい

Windows 8 DPをインストールすると、以後はそのドライブが有効化されていない状態(インストールしたドライブを取り外した場合など)では、PCそのものが起動しなくなる。修復セットアップ以外での対応方法はないので注意すること

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